犬に刺激が足りないとなぜ困るの?
愛犬の1日のスケジュールはどうなっているでしょうか。
- 朝:起床、朝食、散歩
- 昼:留守番(昼寝、独り遊び等)
- 夜:散歩、夕飯、飼い主さんとの寛ぎタイム、就寝
留守番の時間はご家庭によって差があると思いますが、一般的には上記のようなパターンが多いのではないでしょうか。
留守番を除くと、散歩が2回、一緒に過ごす時間もあり、愛犬への刺激は足りていると思われるかもしれません。
しかし、1日だけを切り出すと刺激的でも、全く同じ日々が毎日続いたらどうでしょう。人間だったら、きっと憂鬱な日々になってしまうのではないでしょうか。
それは、愛犬も同じことなのです。毎日、できるだけ異なる刺激を与えて頭を使わせたりワクワクさせたりすることが、愛犬の脳を活性化し、心身を健康に保つ秘訣なのです。
犬にとって良い刺激を与える方法
1.散歩コースの変更
室内飼育されている犬にとって、もっとも刺激的な体験のできる機会が「散歩」です。
外では、家の中では体験できないようなにおい、音、景色、触感といった刺激を受け、また知らない人や動物たちとの触れ合いを体験できるからです。
しかし、毎日同じ時間、同じコースの散歩だったらどうでしょう。マンネリ化してしまい、せっかくの刺激も愛犬にとってはいつものことと、刺激にはならなくなってしまいます。
できるだけ、散歩コースや散歩時間はバリエーションをもたせることをおすすめします。
自然の多いコース、芝生や土の上を歩けるコース、仲の良い犬と会えるコース等を用意して、適度にローテーションしましょう。いつもとは逆周りで散歩するのも良いでしょう。
また週末や休暇を利用して、遠出をしたり旅行をするのも良い刺激になるでしょう。
2.新しいゲーム
遊び方にも工夫をこらしましょう。いつもと同じようなゲームでも、慣れてきたら徐々に難易度を上げていく、今までとは全く違うルールの遊びをする、いつもとは違う場所で遊ぶなど、いろいろと工夫できます。
その際に、なるべく頭を使わせるような要素を取り込むことをおすすめします。
一通りのしつけが終わっているのであれば、新しいコマンド覚えさせたり、いつもとはルールの異なるゲームを覚えさせたりすることで、愛犬の脳が活性化され、モチベーションが上がりますし、認知症予防の効果も期待できます。
3.五感をフルに使わせる
犬の五感は嗅覚4割、聴覚3割、視覚1割だと言われています。ですから、人間の感覚に合わせて視覚だけに頼った遊び方をしてしまうのではなく、嗅覚や聴覚を十分に使わせることも考えてあげましょう。
大好きなおやつを箱の中や家具の裏などに隠して嗅覚で探させるノーズワークや、噛むと音の出るおもちゃなどを上手に利用して一緒に遊んであげましょう。
また、頭を使わないとおやつが食べられない市販の知育玩具を利用して、留守番中もしっかりと頭を使わせることも、とても効果的です。
4.知らないお友達とも仲良く
いつも同じ家族や同じ近所の人、犬にしか会わないでいると、愛犬の社会性を引き出すことができません。
できるだけ積極的に知らない人や知らない犬に引き合わせて上手に付き合えるようにさせてあげることも、愛犬の社会性を伸ばすことのできる大切な刺激です。ドッグランの利用なども効果が期待できます。
また、知らない人や犬と一緒に過ごせるようになると、災害時に避難が必要になった時でも安心です。
ただし、知らない人や犬と会うと極度に怯えてしまうといった子もいますので、様子を見ながら少しずつ慣らしていくようにしましょう。
5.飼い主さんとのコミュニケーション
飼い主さんが家にいる間は、できるだけ愛犬に声を掛けたり一緒に遊んだり、体を触ったりといった直接的なコミュニケーションを心掛けるようにしましょう。
飼い主さんの声掛けは、愛犬の気持ちを明るくさせますし、体を触ることで愛犬を安心させる効果も期待できます。
ブラッシング、歯磨きなどの日々のお手入れの際に、全身をくまなく触るようにしながら、愛犬に心地よい刺激を与え、かつ体のどこを触っても嫌がらないようにしておきましょう。
これらは愛犬への良い刺激になると共に、看護や介護などが必要になった際にも、役に立ちます。
まとめ
毎日同じことの繰り返しという刺激の少ない生活は、人と同じように犬にとってもつまらない生活となり、気力が衰え、それが原因で活動性も弱まり、心身の健康に良くない影響を与えてしまいます。
愛犬に、1日でも長く楽しく暮らしてもらうためには、身体面の健康管理だけではなく、精神面や頭脳面、感覚面への適度な良い刺激を与えて脳や感覚を活性化させることも大切です。
愛犬をよく観察し個性を理解しながら、日々の暮らしに変化を取り入れ、頭や感覚を使わせるように工夫してあげましょう。そうした工夫が愛犬の脳を活性化させ、認知症の予防などにもつながります。