犬の拾い食いの原因
目の前に食べ物や「食べ物かもしれない」ものを見つけると、口へ入れてしまうことは動物として自然な行動です。食べることは生きるために必要な行動だからです。
与えられているフードの量が少なくてお腹が減っていれば、より落ちているものを何でも食べようとしするでしょうし、必要な栄養素が足りていない場合は、「異食症」といって本来食べ物ではないものを食べたがる場合もあります。
また、以前拾い食いをした時に飼い主が騒ぎ立てたことを「喜んでいる」「遊んでくれている」と勘違いし、繰り返しやるようになってしまうケースもあります。
本来活動量の多い犬なのに散歩や運動が足りていない場合、余っているエネルギーのはけ口としてくわえられるものがあったら何でもくわえてしまうことがあります。レトリーバーやスパニエルのように獲物を回収することが仕事だった犬では、特にそうなりやすいかもしれません。
拾い食いの対処方法
犬の拾い食いへの対処法は、まず「口に入れられるものをなくす」ことが大切です。
環境の見直し
犬たちに拾い食いをさせない環境を整えましょう。口にできるものを見てしまえば、気になってしまうのは犬も人も同じです。
室内の場合、口に入れてもらいたくないものは犬たちの顔や手が届かないところへ片付けてしまいましょう。
犬が目にして口に入れたくなるものはたくさんありますが、食べ物以外にも生ごみや化粧品、洗剤など、誤って口に入れてしまうと中毒を起こす可能性のあるものは特に注意して片付けましょう。
またおもちゃの小さな部品や尖ったもの、ひも状のものなども飲み込んでしまうと危険です。
犬たちが自由に行動できる範囲を制限するか、片付けられないものがある部屋には柵などを取り付けてしまうのも一つの方法です。
ごみ箱を漁る場合には、ふた付きのごみ箱に変えたり犬がいる空間にはごみ箱を置かないようにしましょう。
屋外の散歩中についてはなるべくモノ(食べそうなもの)が落ちていないルートを選びましょう。
ごみ収集場やコンビニなどの周りは、タイミングによってはごみが落ちていることが多いでしょう。そのような場所を避けるだけでも、拾い食いをしてしまう可能性は減ります。
また散歩している最中はただ歩くのではなく、路上になにか犬の気を引くものがおちていないか、良く注意しながら歩いてください。
しつけをする
犬に「路上に落ちているものを気にしない」ことを教えましょう。これは子犬を飼い始めたときからできるしつけの一つです。
まずは室内で歩く練習をします。首輪とリードをつけて上手に歩けるようになったら、犬のおもちゃなど、犬が口にしても安全なものを置いて歩きます。
犬が置いているものに気を取られそうになったら、すぐさま名前を呼んだり音のなるおもちゃを使ったりして飼い主へ注意を向けさせます。置いたものを口にせず飼い主の方に来たら、たくさん褒めておやつや遊びなどのごほうびを与えます。
置いてあるものを気にせずに飼い主に注意を向けて歩けるようになったら、食べ物を置いたり投げたりしても気にせず歩けるように練習します。
これを繰り返して外でもできるようにすると、散歩のときに何か落ちていてもそれを気にすることなく飼い主に注意を向けていられるようになります。
また普段から、名前を呼んだら喜んで来るような関係性を作ったり、飼い主や他人から食べ物を差し出されたときでも許可をもらわないと食べない習慣を作っておくとよいでしょう。
トレーニングのごほうびにおやつを与えるときは、お腹いっぱいやカロリーオーバーにならないよう、低カロリーの小さなものを用意しておくと良いと思います。
まとめ
野生の動物は何でも食べちゃうから犬も大丈夫でしょ、と考えて犬の拾い食いを放置すると、とんでもないものを飲み込んでしまうことがあります。
中毒や感染症、あるいは物理的に鋭利なものなどを飲んで命に係わることもあります。
犬たちの命を守るため、拾い食いをする場合はしっかり対策しましょう。