犬に野菜ジュースをあげてもいい?
野菜ジュースは野菜を絞って加熱処理するため、製造される過程で減少する栄養素があります。野菜に含まれる栄養素をそのまま飲むことができるわけではありません。
しかしその割にはカロリーが高いですよね。野菜100%砂糖不使用と表示されていますが、糖質の高い野菜が主原料となっていることがほとんどです。ニンジンやトマトが代表格なのではないでしょうか。
糖質の摂り過ぎになる
ドッグフードから一日に必要な栄養素のほとんどを摂ることができる犬にとって、野菜ジュースに含まれる糖質は過剰摂取になりやすいです。
飼い主が野菜ジュースを飲んでいる時にほんの少しだけもらう程度であれば影響しないかもしれませんが、健康のためにと野菜ジュースをあげることが習慣化すると肥満や病気の原因になることがあります。
塩分の摂り過ぎになる
野菜100%食塩不使用と表示されていますが、野菜ジュースには塩分(ナトリウム)が多く含まれています。メーカーや種類によりますが、100gあたりおおよそ21㎎のナトリウムが含まれています。
犬の健康を維持するために必要な一日のナトリウム摂取量は体重1kgあたり50mgです。体重5kgの犬では250mgです。
ナトリウム250gを食塩に置き換えると0.635gです。ドッグフードから十分に摂れる量ですので、野菜ジュースを飲むことで塩分の過剰摂取になりやすいです。
犬が塩分(ナトリウム)を摂り過ぎると、ナトリウムを排出する働きのある腎臓に過度な負担がかかります。
塩分濃度を下げるために体内の水分量が増え、血管内の体液が増えると血圧が上がり、血液を送り出す働きのある心臓に過度な負担がかかります。
アレルギーを引き起こす
野菜ジュースには。犬がアレルギーを起こしやすい野菜が含まれています。
- ニンジン
- トマト
- セロリ
- ピーマン
- キュウリ
皮膚に赤みがある、耳の中をカキカキする、手足の先をカミカミするなど、アレルギーによる痒みの症状が起きている可能性があります。
犬全体の40%が食物アレルギーを持っているとされるほど、アレルギーは身近な存在です。
野菜ジュースなどドッグフード以外の食品を与える必要がある場合には、食物アレルギーの有無を検査しておくとよいのではないでしょうか。
犬に手作りの野菜ジュースをあげる時の注意点
ブロッコリー
好む犬が多く、犬にあげても問題ないとされているブロッコリーですが、「シュウ酸」に注意が必要です。ブロッコリーに含まれるシュウ酸は尿結石を起こしやすい成分です。
犬の体内でシュウ酸とカルシウムが結びつくことで結石となり、尿道を詰まらせることがあります。上手く排尿できずにいると腎臓に過度な負担がかかり、腎不全を引き起こす可能性があります。
尿検査の時、「尿酸値が高い」と獣医師から注意があった場合には、ブロッコリーを含む野菜ジュースはあげない方がよいでしょう。
レタス
犬に生であげても問題ないとされるレタスですが、利尿作用のあるカリウムを多く含んでいます。
おしっこの回数が増え、ペットシーツが濡れていると嫌がる犬にとっては粗相が増える可能性があります。
生のレタスを野菜ジュースにする場合、生であることによって腹痛や下痢を起こすことがあります。
体を冷やす作用があり、夏場のお散歩や運動の後にはおすすめできますが、与えすぎると冷えの原因になるため注意が必要です。
まとめ
結論は、犬に野菜ジュースをあげてもいいが、「犬に野菜ジュースをあげる必要性は低い」です。犬がどうしても野菜ジュースから摂らなければならない栄養素はありません。
愛犬の健康状態に問題がある時、「野菜ジュースを飲ませてください」「野菜を食べさせてください」という獣医さんはいないはずです。
野菜ジュースをあげる時は主食ではなく、おやつと同じ間食として考え、与えすぎに注意しましょう。