そもそも、どうして犬に運動が必要なの?
犬の祖先はオオカミであることは、すでにみなさんがご存じのとおり。犬は野山を走りながら生活をしてきた動物です。イエイヌとなって私たち人と共に暮らすようになった現在でも、走るために適した動物としての身体構造は昔と大きく変化はありません。
つまり、生活スタイルは変化しているけれども、犬本来が持つ体の機能は太古から変わりがないのです。ですから、犬が犬らしく過ごすためには、やはり散歩が必要不可欠なのですね。では、必要な運動が不足した場合は、どんなリスクにつながることが考えられるのでしょうか。
1. ストレス
犬の運動不足はストレスに直結しやすいと言われています。犬は毎日の散歩の中で運動をしながら、新鮮な空気を体内に取り入れる、外のにおいを嗅いで脳を刺激するなど、様々な情報を吸収しています。
筋肉を動かすことでメンタルをリセットすることは人にとっても重要であるように、犬にとっても同じようにとても大切なワークのひとつです。ですから、運動不足が続きストレスフルな状態になることで、例えば以下のような問題につながる可能性があるとされています。
- 無駄吠えが増える
- 手を噛む
- 尻尾を追いかけまわす
- 他人を受け入れなくなる
このような行動を引き起こさないためにも、雨、大風、猛暑など 運動ができない日は、家の中で引っ張りっこ遊びをしたり、ボール投げ、ノーズワークマット等で元気に遊んでみましょう。このような運動は一見するとただの遊びのように感じられるかもしれませんが、想像以上の運動量や脳ヘの刺激をもたらしてくれますのでお試しください
2. 肥満
運動不足になると、摂取カロリーに対してエネルギーの消費が追い付かないため、肥満につながりやすい傾向があります。肥満によるダメージは計り知れず、数多くの病気を引き起こすことで知られています。
かわいい愛犬をそうした病気の予備軍にさせないためには、生活に運動を取り入れ健康的に過ごすことが大事です。肥満体型にさせてしまうと四肢に負担がかかります。そうなると、犬は痛みから散歩を拒むようになりますから悪循環です。
基本的なことですが、愛犬のカロリーコントロールと同時に運動量も調整するのは飼主さんにしかできません。犬を肥満にさせないようにし、運動不足の解消をしていきましょう。とはいえ、中には体力に自信のない飼主さんもいらっしゃいます。
そうした場合にはドッグランなどに連れていき、思う存分愛犬を走らせる、というような方法もありますよ。ぜひ、お近くのドッグランを探してみてくださいね。
3. 筋肉量の減少
人も運動しなければ筋肉量が落ちるように、犬も運動不足により筋肉量が減少することが分かっています。筋肉量が減少すると、体を動かしづらくなるだけでなく、関節や骨などにも負担がかかる恐れがあるとされているので注意が必要です。
具体的には関節炎やヘルニアなどが一例としてあげられます。程よい筋肉を維持するためにも運動は欠かせないものですね。適切な運動量は体の大きさや個体によって様々ですが、大まかに区分すると、小型犬であれば1日30分から1時間程度、中型犬であれば30分から1時間半程度、大型犬であれば1時間から2時間程度の運動が目安であると一般的には言われています。
ライフステージや環境、体調によっても変わりますので、愛犬にとってベストな運動量を飼主さんが気を付けてみてあげる必要があります。体調管理のプロである獣医さんとも相談しながら、愛犬のコンディションを整えてあげたいですね。
まとめ
当たり前のことですが、犬は自分で運動時間の調節ができません。ですから、私たち飼主がしっかりと意識して運動させることがとても重要です。愛犬の健康管理は、飼主さんの手にゆだねられていると言っても過言ではありませんね。
また、散歩によるアンチエイジング効果もあるそうですから、心身ともにいつまでも健康でいられるように、楽しく散歩を取り入れて運動不足にならないようにしていきましょう。