1.ミニチュア・ダックスフンド
短足の犬種として、最も知名度と人気が高いのは、やはりミニチュア・ダックスフンドでしょう。日本では特に人気があり、トイ・プードルやチワワとともに長年にわたって「飼育数TOP3」を誇っています。
ミニチュア・ダックスフンドは、短足で小さな愛くるしい姿とは裏腹にとても勇敢な性質を持っています。元々アナグマやキツネ狩りのために作り出された犬種のため、そうした動物に対峙しても物怖じせず、向かって行ける強さを持っているのです。
ミニチュア・ダックスフンドが短足なのは、土の中にあるアナグマの巣穴などに入り込むことができるように体高を低くするために改良されたからです。
さらに、穴の中から外にいる狩りのパートナーに居場所を吠えて知らせる仕事もしていたため、大きく響く声を持っていることも特徴的です。
見た目はとても可愛らしいですが、自分よりも大きな動物を追い詰めるだけの勇猛果敢さと、周囲に響き渡る大きな声の持ち主だということは覚えておきましょう。
それらの気質を把握したうえで、適切な関わり方やしつけを行うようにしてくださいね。
2.ウェルシュ・コーギー・ペンブローグ
短足のウェルシュ・コーギー・ペンブローグは、くりくりとした目と丸みを帯びた体、ふわふわの毛でとても可愛らしい見た目をしています。
特に子犬の頃のコーギーは、コロンとしていてとても愛くるしい動きをしているので、見ているとつい微笑ましい気持ちになります。
ウェルシュ・コーギー・ペンブローグは元々、主に牛を追う仕事をしていた牧畜犬です。体が大きな牛の足元を走り回り、体同士が衝突しない程度の低い体高で、小回りが効くサイズながらもスタミナのある犬種として重宝されてきました。
ちなみに、ウェルシュ・コーギー・ペンブローグというと「尻尾がとても短い」イメージを持たれていますが、これは生まれてすぐに断尾をしているためです。
牛追いの仕事をする際、ふさふさとして長く、地面に近い位置にある尻尾が牛に踏まれて怪我をしてしまわないように断尾をしていたのです。
しばらくその習慣が残っていましたが、最近では「作業犬ではないウェルシュ・コーギー・ペンブローグについては断尾の必要がない」という考えも広がっていて、尻尾の長い個体も多く見られるようになっています。
3.ペキニーズ
中国の僧侶とともに生活をしていたペキニーズは、神聖な動物として丁寧に育てられてきた犬種です。宮廷への献上品にもなる程、中国国内では大切に扱われ、18世紀頃までは門外不出の犬種として国外には出ていなかったとされています。
真っ白で長い被毛と短い足、やや潰れ気味のマズルが特徴で、さらさらと毛をなびかせながら歩く姿は、気品と可愛らしさにあふれています。性格も比較的落ち着いているため、家庭犬として飼いやすいとされていますが、実は気分屋な側面も持っています。
気が向いた時しか言うことを聞かなかったり、知らない人にはほとんど懐かなかったり、感情表現をしなかったりということもあるため、「猫のような性格の犬」とも言われています。
4.ダンディ・ディンモント・テリア
日本ではあまり知られていない犬種ですが、短足のテリアであるダンディ・ディンモント・テリアも、とても魅力的な犬種です。
テリアと言うと気が強い犬種が多いとされていますが、こちらの犬種は「テリアらしくないテリア」と言われる程穏やかな気質を持っています。
やや頑固なところはありますが、人懐っこさと落ち着きがあり、小さな子どもに対しても優しく接することができる犬種です。
まとめ
短足の犬種は見た目がとても可愛らしく、日本でも人気を集めています。
短足犬種の多くは、仕事に適した体型として作り出されていることがほとんどで、「足が短いことに重要な理由がある」ということもぜひ知っておいてください。
また、短足の犬はどうしても腰に負担がかかりやすいため、ヘルニアや関節痛などになりやすいとされています。
そのため、短足犬種を飼う場合は、腰に負担がかからないように適度な運動で肥満を防いだり、必要以上に段差を使わせないようにしたりして、生活の中で配慮をしてあげましょう。