どんな子に育ってほしい?犬の性格が決まる要因3つ
犬にもそれぞれ個性と呼べる全く異なる性格があります。同じ犬種でも全く違う性格の犬もいますし、一般的に活発と言われている犬種でも内向的な犬もいます。
では、犬の性格はどのような要因で決まるのでしょうか。
1.犬種としての先天的な特性
まずは犬種としての先天的な性格は少なからず関係しています。犬にはそれぞれ犬種ごとに性格的傾向が見られ、これらは長い歴史を経て形成されてきているため、その犬種に強く根付いていると考えられています。
例えば、トイプードルであれば甘えん坊で友好的な性格の子が多かったり、柴犬であれば勇敢で忠誠心が強い性格の子が多いと言われています。このようにあくまで傾向ではありますが、犬種ごとにこうした性格的傾向は存在します。
したがって、犬の性格を形成する土台として犬種ごとの性格的傾向は、強く影響していると考えられます。
2.親から受け継がれた遺伝的要素
次に、その犬の親から受け継がれた遺伝的な要素があります。同じ犬種であっても、もともと全く異なる性格を持つ犬がいるのは親の性格がそもそも違うからです。
子の親も犬種ごとの先天的な性格的傾向は持っているものの、親のさらに親の世代の性格や環境によって培った後天的な性格によって、犬種ごとの性格的傾向から少々外れるケースは非常に多いです。
この親の性格を遺伝的に受け継ぐことで、同じ犬種の中でもさらに1匹1匹異なる先天的な性格が形成されていると考えられます。
兄弟間でも性格が異なることがありますが、これは父親と母親の性格が違い、それぞれ違う親の性格要素が強く出ているためでしょう。
3.育った環境による後天的要素
そして同じ犬種、同じ親から生まれた兄弟犬であっても大きく性格が異なる要素として、育った環境による後天的要素があります。特に、生後3週〜3ヵ月半頃までの社会化期は、その後の後天的性格に大きな影響を与えます。
社会化期とは、主に社会に順応する力を養う期間です。そのため、この時期にどのように育てられたか、どのような環境で育ったか、そしてどのような刺激をどれだけ受けたかによって、その後の性格に大きく影響していきます。
例えば、社会化期に多くの犬や人と触れ合った犬は、社交的な性格になる傾向が強いです。また、この時期に親兄弟と一緒に育っている犬も犬社会のルールを親や兄弟から学べるため、比較的他の犬にフレンドリーに接するようになります。
反対に、早々に親兄弟と離され、新しい飼い主の元で飼い主とだけ過ごしている犬は、飼い主に対して甘えん坊になる一方で、臆病な子に育つ傾向があります。
どちらが良い悪いというものではありませんが、こうした社会化期の影響は後の性格形成に大きく影響するため、この時期にどのような過ごし方をしているかが性格を作り上げる上で重要となります。
理想的な性格に育てるには社会化期から意識して
迎えた愛犬を「こんな性格に育ってほしい」という理想を思い描いている飼い主さんは多いでしょう。犬種としての特性や遺伝的な性格はもともとその犬に根付いているため、その個性は大切にしてあげてください。
しかし、後天的な性格は飼い主の接し方や生活環境によって左右されます。先ほど少し触れたように、生後3ヵ月半頃までは社会化期に当たるため、体験したことが性格に大きな影響を与えることが多いです。
好奇心旺盛で勇敢な性格に育てたい場合は、この時期から少しずつ多くのもの(物や音、匂いなど)に触れさせたり、社交的な性格に育てたい場合は、なるべく多くの人に遊んでもらうなどして触れ合う機会を増やしたりしましょう。
しつけの面に関しては、家に迎え入れたその日からスタートするのが理想です。しかし、覚える早さには個体差があるので、無理に詰め込みすぎるのは逆効果となります。
また、この時に大声で怒鳴ってしまったり長々と説教してしまったりすると、警戒心の強い性格になったり攻撃的な性格が強く出たりすることがあります。こうした接し方にも気を配り、愛犬を成長へと導いてあげましょう。
先天的な性格も大きく影響するので無理強いは禁物!
以上のように、社会化期から少しずつ接し方や生活環境を整えていくことで、飼い主の理想の性格に近づけることができます。
しかし、ここまでにもお話した通り、犬の性格は後天的な性格だけでなく先天的な性格も大きく影響しています。そのため、理想的な性格に近づけたいからといって無理強いは禁物です。
愛犬のもともと持つ特性を大切にしつつ、できる範囲で後天的な性格に良い影響をもたらす手助けをしてあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬の性格が決まる要因は大きく分けて3つあります。理想的な性格に育てるためには、社会化期の接し方や生活環境を整えることが大切です。
しかし、もともと持っている先天的な性質を大事にしてあげることも忘れないようにしましょう。