犬のカーミングシグナルとは
犬の「カーミングシグナル」とは、相手に自分の意思や感情を表現するものです。人間のように「○○です」と言葉で表現することができないため仕草や行動で表現します。「ボディーランゲージ」と呼ぶこともありますね。
犬同士では、不要な争いごとを避けるためにカーミングシグナルを送ることがあります。
愛犬が飼い主にカーミングシグナルを送る時は、何かを要求した時、不調や痛みを訴えたい時、飼い主の感情を読み取った時などです。
犬のカーミングシグナルは覚えるべき?
愛犬の気持ちや仕草や行動の意味を知る方法は様々にありますが、カーミングシグナルから分かることもあります。
今すぐに解決してあげなければならない愛犬からのサインかもしれません。症状や病気の早期発見と早期治療にも繋がることがあり、健康寿命を延ばすことにも役立ちます。
耳を痒そうにしていたからと診察を受けたところ、他に重篤な症状や病気が見つかることがありますよね。獣医師が犬のカーミングシグナルを読み取ったのでしょう。
飼い主も犬のカーミングシグナルを覚えておくことで愛犬を守る力になります。ぜひ愛犬の仕草や行動と照らし合わせながら覚えてみましょう。
覚えたい!犬のカーミングシグナル
しっぽを振る
犬がしっぽを振る。何も疑問に思うことはないかもしれませんが、主に4つの犬の気持ちが込められています。
- しっぽを上に向けて先の方だけを小さく振っている時は警戒している
- しっぽを上にピンッ!と真っ直ぐ立てている時は自信に満ち溢れている
- しっぽを下に向けて根本から大きく左右にゆっくりと振っているのは嬉しいから
- しっぽを垂らしたり太ももの間に挟み込んだりしているのは怯えているから
自分のしっぽを追い回す
犬が自分のしっぽを追い回すのは遊びのように思われることがあります。主に4つの気持ちが込められています。
- 動く物を追いかけたくなる犬の本能
- 退屈していて暇つぶしになる
- 無理強いされたことに強いストレスを感じている
- しっぽやお尻の周りに違和感や痛みがある
小刻みに歯をカチカチと鳴らす
犬が小刻みに歯をカチカチと鳴らすことがあります。主に5つの気持ちが込められています。全ての犬に当てはまるカーミングシグナルではないようです。
- 楽しくて嬉しくて興奮気味
- 歯や歯茎に違和感や痛みがある
- オス犬がメス犬のニオイを感知して興奮気味
- 寒くて体が震えると歯もカチカチなってしまう
- 緊張や恐怖から体が震えると歯もカチカチなってしまう
発情期のメス犬のニオイを感知したオス犬が少しだけ口を開いて歯をカチカチと鳴らすことがあります。
興奮したり暴れたりする様子は見られないこともありますが、しきりに地面のニオイを嗅ぎたがったり、地面を舐めたりすることがあります。ヨダレを垂らすこともあります。
体をキュッと丸めたままジッとしている
眠っている様子はないけれど体をキュッと丸めたままジッとしている時、主に3つの気持ちが込められています。
- 体の表面積を小さくすることで体の熱が逃げないようにしている
- 痛みを我慢している
- 緊張している
冬はキュッと体を丸めることが増えますよね。体の熱を逃がさないための犬なりの防寒対策です。
痛みを我慢して体を丸めている時は、体が小刻みに震えていることがありますので確認してください。
見知らぬ人が自宅を訪問した時、ケージの中で体を丸めることがあります。緊張し、放ってほしい気持ちと身を隠したい気持ちなのです。
背中の毛を逆立てる
犬種や毛のタイプによっては分かりづらいかもしれませんが、犬も背中や頭や尻尾の毛を逆立てることがあります。背中が一番分かりやすいと思います。
主に2つの気持ちが込められています。
- 「あっちへ行け!」と相手を追い払いたい
- 「争うのか!?」と闘いを挑もうとしている
まとめ
「犬のカーミングシグナルとは何か?」を解説しました。
いきなり愛犬のカーミングシグナルを受け取ることは難しいかもしれません。あまりにも小さな仕草や行動であると見逃してしまいやすいからです。
愛犬が普段行っている何気ない仕草や行動にも必ず意味があります。ひとりでゆっくり寛いでいるように見えて、実は飼い主にサインを送っていることがあります。
ストレスによるネガティブなカーミングシグナルである時は、その原因を取り払ってあげるようにしましょう。
どんな時も愛犬の気持ちに寄り添える飼い主でありたいですよね。