1.あくびをする、体を掻く
遊びやしつけトレーニングの最中、飼い主さんから叱られている時などに犬が大きなあくびをすることがあります。
飼い主さんの目の前で、大きな口を開けてあくびをするので、それを見た人は「話を聞いてない!」「やる気がない!」と怒ったり呆れたりすることもあるでしょう。
しかし、これは犬が見せる「退屈だなぁ」という気持ちや「もうやだよ」という不満やストレスをあらわすサインだと考えられています。
また、対峙している相手に対して「もうやめようと」「落ち着いて」と伝える意味もあるとされているので、その場の状況に合わせて対応してあげてください。
このような意味を含む犬のボディランゲージは、「カーミングシグナル」と呼ばれて約27種類あると言われています。
あくび以外にも、体を掻く、体を振る、背中を向ける、においをかぎながら近づくなどの行動が見られます。
2.ため息をつく
私たち人間は、暇な時や不満を感じている時などにため息をつくことがあると思いますが、犬にも同じような仕草が見られます。
やることがなくて暇な時に、飼い主さんの顔を見ながら「ふーーー」と長い鼻息を出したり、「ふんっ」と短い鼻息を出したりすることがあります。
ただし、ため息にはさまざまな意味があり、満足している時にも長めの鼻息を出すことがあるのです。
食後や散歩の後、たっぷり遊んだ後に満足して休む時などにつくため息は、満足感によるため息だと考えられます。
3.部屋の中を歩き回る
犬が家の中にいて暇だと感じている時、「何か面白いものはないかなぁ」と部屋の中をウロウロと歩き回る様子が見られます。特に、遊ぶことが好きなタイプや好奇心旺盛な子犬などに多く見られる行動です。
飼い主さんが家事をしていて忙しそうな時や留守番中などにこのような行動を取ることが多く、さらにこの行動がいたずらにつながることも少なくありません。
暇つぶしになりそうなものや、興味深いものを見つけた時に、それを引っ張り出してきたり噛んで遊んでしまったりするのです。
犬にとっては、暇つぶしのための単なる遊びに過ぎませんが、飼い主さんからすると部屋を荒らされる困ったいたずらということになってしまいます。
飼い主さんが構うことができない時にこのような行動が見られる犬には、できるだけ長い時間遊ぶことができる知育玩具やガムのようなおやつを用意してあげるといいでしょう。
4.前足をなめる、尻尾を追う
犬があまりにも退屈で、それがストレスになってしまっていると、自分の前足をなめたり尻尾を追いかけたりする行動が見られます。
はじめは退屈しのぎのために何の意味もなくやる行動ですが、ストレスが強くなると、そうした行動を延々と続けるようになってしまうことがあります。
これは、動物の精神疾患の症状のひとつであり、「常同行動」と呼ばれています。
自分の意思とは関係なく、こうした行動を取るようになってしまうと、なめている足が真っ赤になって炎症を起こしたり、噛んだ尻尾の毛が抜けて血が出たりしてもやめることができなくなってしまいます。
こうなってしまうと、やめさせようとしてもなかなかやめられないので、ストレスの原因から根本的に解消しなければなりません。
コミュニケーションの時間を増やしたり、一人の時間を楽しめるような工夫をしたりして暇によるストレスの解消を目指しましょう。
まとめ
犬は暇になると、あくびや体を掻くといったボディランゲージやため息で飼い主さんにアピールすることがあります。
そうしたアピールが飼い主さんに伝わらなかったり、周囲に誰もいなかったりする場合には、部屋の中をウロウロと歩き回って自分から楽しそうなことを探し出すこともあるでしょう。
また、暇や退屈が続くと犬によっては大きなストレスとなってしまうことがあります。
その場合には、常同行動や自傷行為が見られるようになることもあるので、そうなる前に愛犬からのサインに気付いて適切な対処をしてあげてください。