犬の『終活』ってどうしたらいいの?7つのポイントを解説

犬の『終活』ってどうしたらいいの?7つのポイントを解説

近年、話題になっている『終活』は、人間だけのものではありません。高齢化している犬の場合、早い段階で飼い主が愛犬の就活をしておくことは、最期の時まで愛犬との時間を大切に過ごすためにも大切です。今回は犬の終活で押さえたいポイントを解説します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

今話題の『終活』は犬も例外じゃない

眠る高齢犬

今、50代以降の方々の間で話題となっている『終活』は、生前に自分の死後の身辺整理を済ませておくことを指します。実は、この『終活』は人間だけが当てはまるものではなく、犬にも同じことが言えます。

犬の場合、犬の終活を行うのは飼い主です。生前に愛犬の終活を行うことで、最期の時を後悔を残さず大切に時間を共有することができたり、愛犬が亡くなった時に慌てず段取りを進めることができたりします。

愛犬の死後、どうしても少なからず後悔が残ってしまうものですが「あの時もっとこうしてあげれば良かった」「最後にあの言葉をかけてあげていれば」といった後悔を少しでも減らし、愛犬も飼い主も幸せな最期の時を迎えやすくなります。

犬の『終活』でやっておくべき7つのポイント

外の散策を楽しむ高齢犬

では、犬の『終活』を行う際、どのようなことをやっておくべきなのでしょうか。人間とは違う決めておくべきことややっておくべきことを7つ紹介します。

1.思いつく限りの思い出を作って残そう

「愛犬の終活を始めよう」と思ったその時からできることとして、思いつく限り愛犬としたいことやしてあげたいことを考え、少しずつ思い出を作っていくことが挙げられます。

愛犬としたいことを挙げればキリがありませんし、すでに高齢の場合、できることも限られているでしょう。しかし、少しでもできる範囲でやってあげたいことをしてあげることで、愛犬も飼い主も最期まで充実した時間を過ごせますし、愛情を感じてもらうことができるでしょう。

また、このように充実した時間をできる限り過ごすことで愛犬の死後、飼い主の心の負担が少しでも軽くなり、ペットロスの長期化を防ぐことにもつながります。

2.医療費や葬儀・納骨にかかる費用を用意しておく

診察器を持つ犬

最期で延命治療を行ったり、突然発症してしまった病気の進行を遅らせる治療を行ったりするケースも非常に多いです。しかし、それには高額な医療費がかかります。

また愛犬の死後、葬儀費用や納骨費用など様々な費用がかかってくるため、こうした費用を用意しておくことも考えなければいけません。

医療費は病状や治療方法によって大きく異なりますが、ペット保険で一部を補填してもらえるものもあれば、補填してもらえない治療や10万円以上の高額な費用がかかる治療もあります。

そして犬の葬儀ですが、平均して火葬費用が3万〜5万円、さらに愛犬の遺灰の一部をペンダントにしたり棺に花を入れたりと、様々なオプションもあります。その後の納骨にも費用がかかるため、こうした費用を事前に用意しておくことも忘れないようにしましょう。

3.万一に備えて連れて行く病院を決めておく

動物病院

高齢犬の場合、突然病状が悪化することも珍しくありません。もしも病状が急変した場合に備えて、どこの病院へ連れて行くべきかを決めておくことはとても重要です。

病院によっては、延命治療を施せない場所や必要な医療器具の関係で適切な治療を速やかに施せないところもあります。そのため、事前に愛犬に必要な治療や処置をしてもらえる病院を探しておく必要があります。

万が一の時、家族全員がすぐに動物病院に電話ができるよう、電話番号を記したメモを家族全員が確認できる場所に保管しておくことも大切です。

4.最期をどこで看取るか決めておく

布団の上で横になる高齢犬

愛犬がいよいよ最期を迎えるという時、意外と迷いに迷ってしまう選択が看取る場所です。基本的に、病院で看取るケースと自宅で看取るケースの2パターンがあります。

病院の場合は、延命治療を最期の時まで受けられたり、亡くなった後、ご遺体を良い状態で安置してくれるなど適切な対応を取ってくれたりします。ただし、病院によっては面会時間が限られており、最期の時を隣で看取ることができないということも考えられます。

対して、ご自宅で看取る場合は、ほぼ確実に最期の時を看取ることができること、そして慣れ親しんだ家で最期を過ごすことができます。しかし、延命治療が受けられなくなることや、亡くなった後に自ら愛犬のご遺体を適切に安置しなければいけないことを頭に入れておく必要があります。

どちらにも良い点と考えておかなければいけない点があるので、看取る場所は事前に家族でよく話し合い、皆が納得した上で決定するべきでしょう。

5.遺体の安置方法や必要なものを理解しておく

ペット用棺桶

ご自宅で看取ったりご自宅でご遺体を安置する場合、葬儀までに遺体を適切な状態で安置しておく必要があります。安置しておくために必要なものや、安置方法などを家族全員で理解し、共有しておきましょう。

まず、亡くなった直後から数十分〜数時間ほどで遺体は死後硬直が始まります。死後硬直が始まる前に、体を丸めた状態にしてあげることが大切です。体を丸めた状態にしてあげることで、その後、棺に安置しやすくなるからです。この時、目や口を閉じてあげることも忘れないようにしてください。動物の場合、亡くなった後に目をしっかりと閉じることができません。少し開いた状態になってしまうので知っておきましょう。

ペット用の棺か遺体が入る大きさの段ボールを用意し、その中にタオルや毛布、新聞紙などを敷いて寝かせてあげます。時間が経つと、口や鼻、お尻などから体液が出てきてしまうことも多いため、ティッシュを敷いてあげたり、タオルなどで拭き取ったりしてあげます。

また、遺体の腐敗が進まないように、ドライアイスや保冷剤を入れておくことも忘れないようにしましょう。

6.葬儀方法や供養方法を決めておく

ペット供養

一昔前は土葬してしまう方法が主流でしたが、最近は衛生的な問題があるため、自宅の庭であってもご近所トラブルを避けるために火葬するケースが増えています。もちろん私有地以外の場所に埋めることは法律で禁じられています。

最近ではペットの葬儀場も多く、葬儀場として開いているところもあれば、車で出張火葬を行う葬儀社もあります。また、葬儀場によって用意されているプランも様々です。

最終的に、火葬した遺骨は納骨したりご自宅のお庭に埋めたりすることが多いため、納骨方法も決める必要があります。

このように葬儀から納骨までの一連の流れを事前に話し合っておくことも重要です。家族全員で、どのように愛犬を見送るべきなのか、どうしてあげたいのかをじっくり考えておくことで、いざという時に焦らず落ち着いて見送ることができます。

7.最期の時に何をしてあげたいかを考えておく

水分補給する老犬

最後に、愛犬がいよいよ最期を迎えるという時、どのような過ごし方をしたいのか、そして何をしてあげたいのかを考えておくことも大切です。

これに関しては、その時を迎えなければわからないことも多いですが、事前にどのようなことをしてあげられるのかを考えておくだけでも、後々残る悔いを減らすことにもつながります。

例えば、優しくマッサージをしてあげたり、今までの感謝を言葉で伝えてあげたり、家族全員が同じ場所に集まって愛犬と過ごしたり…。ご家庭によって過ごし方は様々でしょう。

愛犬が最期、どのような環境でどのように過ごしたいのか、日頃から考え、少しでも後悔が残さらないように看取ってあげたいですね。

まとめ

愛犬の肩を抱く男性

いかがでしたか。愛犬が亡くなる時のことを健在な今、考えたくないという人も多いでしょう。しかし、最期を迎える時、焦りから本来してあげたいことができなくなることは、飼い主にとってとても辛いことです。

最期の時まで愛犬に幸せに過ごしてもらうためにも、日頃から愛犬の終活について考えておきましょう。

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