ご家庭で愛犬が危険な状態に陥ったら
愛犬の様子がいつもと違うなという違和感を覚えた時は、十中八九、飼い主さんの勘が正しい場合が多いようです。
具体的に言葉で説明できなかったとしても、いつも一緒に過ごしている飼い主さんの感覚は、細かな愛犬の変化もしっかりと察知していると考えられるからです。
しかし、その変化の原因はさまざまです。すぐに命に危険を及ぼすわけではない場合もあるでしょう。
そこで今回は、緊急性の高いとても危険な可能性がある時に犬が見せる症状をご紹介します。
もしもここでご紹介したような症状が見られた場合は、愛犬の状態がとても危険なサインだと受け止めて、かかりつけ、もしくは近くの緊急外来を受け付けてくれる動物病院に電話をして状況を説明し、すぐに連れて行きましょう。
すぐに病院につれていくべき愛犬の超危険なサイン
1.息をしていない
ふと気づいたら愛犬が息をしていない。声をかけても反応がなく、体の力も抜けているという場合は、心臓や呼吸が止まっている、心肺停止状態である可能性があります。これは、すぐに心肺蘇生を行わないと危ない状態です。
心臓のポンプ機能が止まってしまうと、脳を始めとした各種臓器に酸素を届けられないため、各臓器の機能を維持できないばかりか、壊死を招いてしまいます。
一刻を争うため、すぐに電話で獣医師の指示を仰ぎ、動物病院に連れて行きましょう。
愛犬に心肺停止状態を招く可能性のある持病がある場合は、事前に獣医師から心臓マッサージのやり方を教わっておくと良いでしょう。
2.ぐったりして立てない
愛犬が急に立てなくなり伏せてしまうような場合は、何らかの原因によりショック状態に陥っているか、低血糖を起こしている可能性があります。
食事を取れない状態が続いた幼齢犬や糖尿病治療中の犬は、低血糖になりやすいので特に注意が必要です。
低血糖やショック状態も、命に関わる危険な状態で一刻を争います。すぐに動物病院で診てもらいましょう。
3.息が苦しそう
愛犬の呼吸がいつもより速くなっており苦しそうな時は、肺水腫、肺炎、胸水、気胸、気道閉塞などの、呼吸器系の疾患を発症している可能性があります。
また、心臓疾患を治療中の犬も、肺水腫を起こしやすいので注意が必要です。
特に、舌が紫色に変色している場合は、チアノーゼといって血液中の酸素濃度が非常に低くなっています。
命に関わる状況なので、一刻も早く動物病院に連絡し、診てもらう必要があります。
4.けいれんしている
犬がバタンと横に倒れて足をバタバタさせたり突っ張らせたりしている場合は、けいれん発作を起こしている可能性が高いです。けいれんの原因は「脳」「心臓」「低血糖」など様々です。原因によって処置や治療方法が変わります。
特にこの状態が5分以上続く場合や、1回の発作は数秒と短い場合でも、発作を何度も繰り返しているのであれば緊急性が高いです。すぐに動物病院で適切な対処をしてもらいましょう。
5.おしっこが出ない
愛犬が何度もトイレに行き、排尿姿勢をするにも関わらずおしっこが出ずに、何度もトイレに入ったり出たりしている場合、尿道閉塞を起こしている可能性があります。
特に男の子の場合は尿道が細く、曲がっているので女の子に比べて結石がつまりやすく、尿が出にくくなることがあります。おしっこを出せないということは、体外に排出すべき毒素を出せず、尿毒症を引き起こす可能性が高いです。命に関わる状況なので、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
6.何度も吐く、下痢をする
何度も吐き戻したり下痢をしている場合も危険です。腸閉塞や膵炎を発症している可能性があるからです。
放置して重症化させてしまうと、腹膜炎も起こして命に関わる場合もありますので、様子を見ようとせずに、すぐに動物病院で受診しましょう。
7.後ろ脚を引きずる
愛犬が後ろ脚を引きずるようにして歩いている場合、または後ろ脚を触ると痛がって鳴いたり攻撃的になるような場合は、血栓症を起こしている可能性があります。
後ろ脚に血液を送る血管が詰まった状態になると、激しい痛みや麻痺が起こり、また後ろ脚が冷たくなります。特に後ろ脚を引きずっているような場合は、一刻も早い治療が必要です。
まとめ
今回ご紹介した症状が、犬の危険なサインの全てではありません。基本的には、愛犬の様子に異変を感じた場合は、すぐに動物病院に電話をして、相談することをおすすめします。
電話で話を聞いた獣医師が緊急性を判断して指示を出してくれると思いますので、その指示に従いましょう。
ただし、愛犬の病気は時間や曜日を選んではくれません。かかりつけの病院が営業時間外の場合もあります。
万が一のときに備えて、夜間や休日でも緊急外来を受け付けてくれる動物病院を見つけておくと安心です。