『犬のしつけ』は常に変化している
あなたにとって愛犬の存在はどんな存在ですか?今現在、犬を飼われている方はおそらく大半の方が「大切な家族」として育て愛犬との生活を楽しまれているかと思います。
そんな大切な家族を迎え入れたら、まず必要になるのが「犬のしつけ」です。愛犬には人間社会で私たちと安全に暮らしていくため、また愛犬自身の健康を守るためにも様々なことを学んでもらわなければいけません。
昔の犬も今の犬にもしつけは当然必要なものですが、動物行動学の研究が進んだこと、また犬と人との関係性が変化しているのと同様に「犬のしつけ」も常に変化し続けています。
今では考えられない!昔主流になっていた『犬のしつけ』2選
1.上下関係・主従関係を教え込む
一昔前までは「飼い主が犬のリーダーになり上下関係や主従関係を築く」という考えがかなり一般的だったかと思います。この考えを念頭に置きしつけをする飼い主さんもきっと多いですよね。
これに関しては犬を飼った経験がない方は、今でもそう考えているのではないでしょうか?しかし今現在、コンパニオンアニマルとして飼われている犬と飼い主さんの間に必要なのは「信頼関係」が最も重要とされています。
そもそも犬と飼い主さんの間に上下関係や主従関係が重要と考えられていた理由は、犬の祖先が野生動物のオオカミだから。オオカミが持つ習性を考慮してのしつけ方になるのです。オオカミの群れについて研究された際、やはり全てを支配しようとするリーダーの存在は確認できたようです。
しかしこの研究はあくまで人間が用意した環境で飼育した中での結果。自然界で暮らすオオカミたちの群れにはリーダーの存在は確認できていなく、家族関係が築かれてるようです。
また犬はオオカミを家畜化した生き物です。オオカミから進化した「犬」という生き物は家畜化されてたことにより人間の良きパートナーとして生きることが出来ますし、何よりも人に対して愛情を示すことが出来るのです。
「飼い主より先にご飯を与えない」「ドアを出る時は飼い主が先に出る」「散歩中は飼い主の前を歩かせない」「引っ張りっこ遊びで飼い主は負けてはいけない」などは上下関係や主従関係を築くためのしつけ方になります。信頼関係を築くためにはそれほど重要なしつけ方とは言えないようです。
2.恐怖心を与えるしつけ
言葉の通じない犬に対して昔は恐怖心を与えるしつけ方もありました。今でこそ犬は「大切な家族」ですが、ほんの一昔前までは外で飼育される「番犬」も多く存在していました。
「番犬」を飼育する場合、いかに強くたくましく、従順に育てるかが要であったため、恐怖心を与えるしつけが容認されていたのかもしれません。
体罰や暴力はもちろん、マズルを掴む、無理やり仰向けにし服従の姿勢をとらせる、大きな音で驚かせるなどがあたります。恐怖心を与えるしつけは犬に「学んでもらっている」わけではなく「我慢させている」だけのしつけ。強いストレスを感じ続けることで抵抗する気力さえ奪ってしまうのです。
恐怖心を与えるしつけ方も上下関係や主従関係を築くためのしつけ方になるので、やはり今の時代のしつけには合わないと言えます。
今現在の主流の犬のしつけは?
犬を飼う理由が昔と今ではずいぶん違いますよね。大昔は狩りのパートナーとして、一昔前は番犬として、今現在は「楽しい」や「癒し」を求めて犬と生活している方が多いでしょう。
そして犬は感情や感受性が豊かで人と心を通わせることができる生き物です。そんな「大切な家族」に昔のような厳しいしつけは必要ないと考えられています。
今は「褒めるしつけ」が主流
今最もポピュラーなしつけは「褒めるしつけ」。犬に言葉は通じませんが飼い主さんは声に出して「言葉」で褒めてあげることが大切です。飼い主さんのコマンドで指示に従えた時は「いい子だね!」「上手!」など言葉で褒めてあげましょう。
この際、声は若干高めを意識し表情は笑顔。短い言葉で気持ちを込めて言葉を発すると愛犬に伝わりやすくなります。
また、してはイケないこと教える時にどうしても叱らなくてはいけないこともあると思います。感情的になって「怒る」のではなく、気持ちは冷静に短く一喝して終了しましょう。
まとめ
今と昔とで「犬のしつけ」に変化がある大きな理由は、人間にとって「犬」の存在自体に変化があったからだと思います。猟犬や番犬を飼っているわけではないので厳しすぎるしつけは必要ありません。
また犬を飼っている以上、最低限のしつけは必要になりますが愛犬の性格に合わせたしつけ方が重要かと思います。どんなにネットでしつけ方を調べても、たくさんのしつけ本を読んでも愛犬の性格に合っていなければ意味がありません。
犬は感情豊かな生き物で、その感情を吠え方やボディランゲージなどで一生懸命飼い主さんに伝えてくれます。飼い主さんはしっかりその感情を受け止め、性格を把握し愛犬に合ったしつけ方をしてあげましょう。