トラウマとは
「トラウマ」とは心のケガのようなもの。恐怖体験などによる強いショックにより心に傷を負い、不安感が増す、うつ状態、不眠などの症状があらわれます。
1.犬にあらわれるトラウマの症状
トラウマを感じている犬に見られる症状は吠える噛むなどの攻撃的な行動もありますが、何かに怯えるように体を小さく丸めて震えていたり、尻尾や足などを噛み続けるという自傷行為も症状のひとつとして現れることがあります。
2.負の感情がトラウマを引き起こす
犬がトラウマを引き起こす原因は非常に様々ですが、共通して「強烈な負の感情」が影響しているようです。恐怖や不安、悲しみや苦痛などの感情に心身が耐えられなくなった時、心に傷がつきトラウマとなります。
トラウマを引き起こしてしまった犬は、トラウマの原因となる物事と似ている状況下にいるだけで様々な症状が出てしまうこともあります。
犬の『トラウマ』になってしまう2つの物事!愛犬を守る方法は?
1.大きな音
打ち上げ花火や雷などの大きな音を苦手とする犬は多いですよね。犬はもともと人間よりも聴力が良いので音に敏感ではありますが、大きな音に異常なまでに怯えるようであれば何かしら「大きな音」に対して恐怖経験がありトラウマとなってしまったはず。
原因を突き止めるのは少々難しいかもしれませんが、例えば飼い主さんの不在中、ひとりでお留守番している時に突然大きな音で雷が鳴り、強い恐怖感や不安感を抱いた可能性などが考えられます。
まったく予測していなかったタイミングで、しかも頼れる飼い主さんが不在とい状況で恐怖心が強くなってしまうのです。
トラウマの原因となっている大きな音が、花火や自宅で使用する掃除機などであれば、飼い主さんが意図的にその音から愛犬を遠ざけてあげることで恐怖心を軽減することが可能です。しかし雷のような「予期せぬ大きな音」は少し対応が難しいよう。
かなり時間がかかる方法ではありますが、雷の音が愛犬にとって「楽しい時間」へと変化させる方法があります。
恐怖心を忘れさせてあげるために、雷が鳴り始めたら愛犬が喜ぶ行動をとってあげましょう。「雷が鳴る=オヤツを与える」「雷が鳴る=一緒に遊ぶ」など愛犬に雷が鳴ると「良いことがあるんだな」と思ってもらえるのがベストです。
また愛犬は飼い主さんの行動をよく見ているので、飼い主さんが一緒になって雷を怖がっていては良くありません。基本的には冷静に落ち着いた態度、またいつも通りの笑顔でオヤツを与えたり遊んだりしましょう。
2.厳しすぎるしつけ・暴力
初めて犬を飼うと「良い子に育てたい!」という気持ちから一生懸命に、そして真面目にしつけをされる飼い主さんもいらっしゃるかと思います。そして犬は好奇心旺盛で感情豊かな生き物です。しつけがなかなか上手くいかない場面も多いはず。
ついカッとして大きな声で怒鳴ったり、時には手をあげてしまいそうになることもあるかもしれません。しかし厳しすぎるしつけも犬にとってはトラウマの原因となってしまいます。
実は犬がトラウマを引き起こしてしまうもっとも多い原因が飼い主さんとの関係性によるものになります。飼い主さん自身は良かれと思って行っているしつけでも、実は愛犬にとって心身ともに大きなダメージになっていることもあるのです。
犬への暴力が絶対にあってはならない行為なのは当然ですが、暴力以外にも大声や大きな音で脅かす、マズルを掴んでひっくり返す、高圧的な態度で長時間叱る、ハウスに閉じ込めるなども犬にとっては何に対して叱られているのかわからなくなるほぼ効果のないしつけとなります。
一昔前までは犬のしつけは飼い主さんがリーダーとなれるよう「上下関係」を築くことが主流とされていたので、やや厳しいしつけ法が推奨されていましたが、今現在大切なのは「信頼関係」と言われています。
してはいけないことを教えるために時に叱ることも必要かと思いますが、基本的には褒めるしつけを行って愛犬に恐怖心を植え付けなように接しましょう。
まとめ
今回は犬のトラウマになってしまう2つの物事について紹介させていただきましたが、トラウマになってしまう原因は非常に様々です。
シャンプーや爪切りなども意外と苦手な犬が多いはず。無理やり押さえつけるようにケアしてしまうとトラウマになってしまう危険性があるので、力づくで行うのではなくオヤツを与えたりオモチャに気をそらしたりと愛犬が緊張しない状況を整えてゆっくりと慣れてもらいましょう。
一度根付いてしまったトラウマを克服するのはとても大変なことです。日頃から信頼関係をしっかりと築き愛犬に負の感情が沸かないよう過ごせるといいですね。