1.寝ている時間が増えた
犬が年齢を重ねると、家にいる時に寝ている時間が増えていきます。一定の年齢になった途端、ぐっと寝る時間が増えるというよりも少しずつ寝ていることが増えていく傾向にあります。
年を取ることで体力が低下して、休息時間がたっぷり必要になるだけでなく、周囲への関心や興味が薄れて物音や気配で起きるということが減ることも要因となっています。
若い時は留守番中に寝ていても、飼い主さんが帰ってきたら一目散に玄関まで出迎えに走っていても、年齢を重ねると気がつかなかったり、自分のベッドの上から視線だけで「おかえり」と伝えてきたりします。
決して愛情の薄れというわけではなく、日常生活への慣れや安心感と、体力の低下によるものなので、あまり残念がらず優しく「ただいま」と声掛けをしてあげてください。
2.動きがゆっくりになった
人間も同様ですが、犬は年齢を重ねると体の動きが緩慢になります。散歩中に歩くスピードがゆっくりになったり、遊びに誘ってもあまり喜ばなくなったり数回遊んで満足したりという様子が見られることが多いと思います。
これは筋力や体力のほか、意欲が低下していくことが要因となるので、犬の心身のペースに合わせてあげるようにしましょう。
健康のためにとたっぷり運動をさせようとしても、呼吸器や関節に負担がかかってしまうこともありますし、散歩や遊びが嫌になってしまうこともあるので、決して無理はさせないようにしましょう。
犬の体に負担のない程度の運動や、脳を刺激するようなゲーム・遊びなどを取り入れましょう。
3.名前を呼んでも気がつかない
年齢を重ねると、体の様々な器官の機能が低下していきます。感覚器についても同様で、視覚・嗅覚・聴覚の中では、聴覚から衰えていくことが多いとされています。
ただし、犬は食事や排泄、コミュニケーションなどのために嗅覚を最も活用していることから、聴覚が衰えてもそれほど負担はないと考えられています。
年齢を重ねて聴覚が衰えていることに気が付くのは、名前を呼んでも振り向かないことが増えたり、これまでは怖がっていた雷や花火などの音に気が付かなくなったりしたタイミングです。
はじめは「呼んでいるのに無視した!」と感じる飼い主さんも多いと思いますが、同じことが続く場合は聴覚が衰えている可能性も考えてみてください。
4.食欲が落ちた
体力が低下して運動量が減ると、必然的に必要なカロリーも減るため、食欲が落ちることも少なくありません。
食べることが好きな犬の場合は、おやつなどを欲しがることは変わらなくても食事量が減ったり、食事に対する意欲が弱くなったりという様子が見られます。
また、年を取ると歯や歯ぐきなどにトラブルを抱えることも増えてくるため、食べることに苦痛や負担を感じることもあります。
食事中の様子を見て変化を感じたら、ドッグフードの種類や与え方を工夫して、食べやすい食事に変えてあげることも大切です。
5.トイレの失敗や粗相が増えた
トイレのしつけは完璧だと思っていたのに、なぜかトイレの失敗やおもらしをするようになったら、老化のサインかもしれません。
年齢を重ねることで膀胱の機能や筋力が低下して、尿を溜められなくなったり、我慢できずにチョロチョロと漏らしてしまったりすることがあります。
このような場合は、犬自身でもコントロールすることができないことで、トイレの失敗に犬自身が傷ついていることもあります。
そのようなことが増えても、決して叱らず冷静に片づけをしてあげてくださいね。
まとめ
一般的に小型・中型犬では7歳頃、大型犬では5~6歳頃からシニア期に入るとされています。
ただし、近年は平均寿命が延びていることから、シニア期に入るのももう少し後だと考えられるようになっています。
年数で見ると、犬は人間に比べてあっという間に年を取ってしまいます。ずっと一緒にいたいと思っていても、愛犬の老いを避けることはできず、受け入れていかなければならないものです。
そして、老いは決して悲しいことではありません。その年代に合った生活が送れるように、接し方を工夫して快適で楽しいシニアライフをサポートしてあげてください。