マウンティングする理由
犬がほかの犬やモノ、ヒトの足などに自分の腰を押し付けるようにしながら腰を振る動作を「マウンティング」といいます。
いわゆる交尾行動なのですが、犬同士にとっては特別なことではなくお互いの関係の確認や遊びの一環でもあります。
しかし、犬を見慣れていない人や、飼い始めたばかりなどといった飼い主さんですと驚いてしまうこともあるでしょう。
犬がマウンティングを行うときの主な理由は、力関係の確認、遊びの他、性的行動やストレスの発散などです。
お互いの力関係を確認する行動はいろいろあります。にらみ合ったときの尻尾や耳の角度、体勢、目線など、犬たちは話すことはできませんが様々なボディランゲージでお互いの力を察知して、争いにならないように行動をします。
マウンティングもそのボディランゲージの一つで、力関係が強いほうが弱いほうの上に乗り「自分が上である」ことを示しているのです。これはオス同士だけでなく、メス同士も行います。
性成熟していない子犬がマウンティングをするときは、こちらは大抵「遊び」の一貫です。
また、マウンティングをする理由の一つにある「ストレスの発散」ですが、こちらは飼い主やモノに対して行われることが多いようです。
飼い主にかまってもらいたい、けれど構ってもらえない、暇すぎる、運動不足である、などといったストレスが高まると、一種の興奮状態となってモノや飼い主の足にしがみついて腰を振る行動につながることがあります。
あるいはこれをすることで飼い主が慌てて「だめ」と意識を犬に向けるため、犬は構ってもらえていると勘違いして繰り返すこともあるようです。
このようなマウンディングですが、犬にとっての無意識の「支配欲」が発現されている場合もあるため、やりたいようにさせておくより何らかの対処が必要です。
マウンティングされたときの対処法
散歩やドッグランでほかの犬に対してマウンティングすることは相手にも失礼ですし、お互いに興奮して喧嘩に発展してケガをさせる恐れがあります。
また人に対するマウンティングも不快感を与えることもありますし、飼い主に対して行う場合は飼い主に言うことを聞かせようとしているため毅然と対応する必要があります。
人に対して行う場合
飼い主に対してマウンティングをしようとした場合、大切なのは「させない」ことです。
遊びの途中で興奮した犬がマウンティングをしようとした瞬間にきちんと「ダメ」を伝えて、その場から離れましょう。
これをすると飼い主がどこかへ行く、遊んでくれなくなるということをしっかり伝え、落ち着いたら褒めてあげてください。もちろん、よその人に対して行おうとしたときも同様です。
犬に対して行う場合
散歩の途中に出会った犬やドッグランで遊んでいる時、興奮した犬がマウンティングをしようとすることもあります。
この時も遊んでいる様子をよく観察しておき、しようとした瞬間にリードを引いたり名前を呼ぶなどして意識を別の方向へ向けてあげましょう。
いざ、マウンティングを始めてから辞めさせるより「させない」ことが大切です。
モノに対して行う場合
こちらも遊びの最中に興奮してきて腰を振ろうとした瞬間に、意識をその対象から外させることができると良いです。
ただし散歩の途中などより、家にいるときは犬をじっと観察していられる訳ではありません。ちょっと目を離したすきに、いつのまにか、マウンティングしていることもあるでしょう。
こういった場合は見つけたらすぐに「ダメ」「いけない」と伝え、抱え込んでいるモノを犬から取り上げます。声掛けだけでやめられたらきちんと褒めてあげましょう。
いずれの場合も行為が起こる前に察知して、「させない」ことに注意をすることが大切です。
まとめ
マウンティングは犬にとって普通の行動ではありますが、人間と一緒に暮らすうえでは特に必要なことではなく彼の支配欲などを助長させないためにも止めさせた方がよい行動です。
去勢によってマウンティングを行わないようになる場合もありますが、メス同士などでも起こるため絶対ではありません。
癖をつけないうちに「させない」ことに重点を置いたしつけをすることが一番ですね。