犬が時間を判別する方法
1.体内時計
犬は体内時計によって朝・昼・夜の時間を判別することができます。「生物時計」と呼ばれることもあります。
眠ったり目覚めたり、体温が上がったり下がったり、ホルモンが分泌されるなど、基本的な体の機能を体内時計によって働かせています。
この働きはサーカティアンリズム(概日リズム)と呼ばれており、24時間の周期で動いています。
単純に説明するならば、太陽が昇ったら目覚めて、太陽が沈んだら眠るのです。
2.光と温度
犬は光と温度によって朝・昼・夜の時間を判別することができます。朝は最も気温が低く、太陽が昇って光が差します。
昼は最も気温が高く、紫外線量も最も多いです。夜になると太陽が沈んで暗くなり、少しずつ気温が下がります。
明暗や体感温度によって時間を判別しているのです。
3.他の犬との連絡
犬は他の犬と連絡を取り合うことで時間を判別することができます。
例えば、朝になると近所の犬たちが吠え始めたり、遠吠えを始めたりすることがありますね。
太陽が昇って光が差すと仲間同士で連絡を取り合ったり、情報を交換し合ったりするのです。「起きた?」「体の調子はどう?」「みんないる?」などの会話をするのです。
生まれつき視力のない犬もいます。老犬になり、視力が衰えたり光を感じにくくなったりする犬もいます。
同居する他の犬から情報を得たり、近所の犬から連絡や情報をもらったりして時間を判別するのです。
4.飼い主の行動
犬は飼い主の行動によって時間を判別することができます。
ハーネスやリードを手に持ったら「お散歩の時間だ!」と分かります。引き出しを開けて袋をガサガサする音がしたら「おやつの時間!」と分かります。お皿にドライフードがカランッと音を立てたら「ごはんの時間だ!」と分かります。
飼い主が仕事に行く時は長いお留守番が始まること、買い物に行く時は短いお留守番であることが分かります。
仕事なのか買い物なのかも行動パターンによって判別しているのです。
5.ニオイ
犬はニオイによって時間の経過を判別することができます。
強く濃いニオイを感じた時は「まだあまり時間が経っていない」ということが分かります。弱く薄いニオイを感じた時は「かなりの時間が経っているな」ということが分かります。
敵がこの場所を通ってからどれくらいの時間が経ったのか、敵と自分との距離はどれくらいあるのかを予測するための方法なのではないでしょうか。
ニオイによって時間の経過が分かれば、安全にこの先を進むことができるのか、少し時間が経つのを待って進んだ方がよいのかなどを判別することができるのです。
犬が飼い主に時間を知らせる理由
犬が飼い主に対して「まだなの?」「早くして!」と要求するために時間を知らせることがあります。
おおよその時間を判別することができるため、普段通りに出来事が起こらないことで「知らせなければ!」という意識が働くのです。
お散歩の時間を忘れられているのではないかと不安になったり、ごはんを食べさせてもらえないのではないかと焦ったりして知らせるのです。
まとめ
犬が時間を判別する方法を5つ解説しました。
- 体内時計
- 光と温度
- 他の犬との連絡
- 飼い主の行動
- ニオイ
犬は主に体内時計を使って時間を判別することができます。時計の数字を読むことができないからこそ研ぎ澄まされた感覚を持っているのではないでしょうか。
太陽の光を感じると、飼い主よりも先に起きてお散歩やごはんの時間を待つことがあります。飼い主が夜更かしをする日でも、犬はいつも通り先に眠ることがあります。
体内時計が正常に働いているからこそ、規則正しく生活することができるのでしょう。