1.食べ物のにおいがする
犬が床を舐めている理由として最も多く考えられるのが、その場所に「食べ物の味やにおいが残っている」ということです。
特に、キッチンや食事をするテーブルの周辺を中心に、床を舐める行動が見られる場合は、落ちた食べ物のカスやにおいが残っていると考えられます。
キッチンでは調理中に水分や油が気がつかないうちに飛んでしまうことは多くありますし、食べこぼしを拭いたあとでもにおいが残ってしまっていることもあります。
犬は嗅覚が非常にするどいので、サッと掃除した程度では床に残ったにおいに気がついてしまうでしょう。
床を舐めることをやめさせたいのであれば、キッチンやテーブルまわりの床は丁寧に拭き掃除をすることをおすすめします。
水拭きだけでなく、床用洗剤や消臭効果のある重曹などを使うとより一層効果的です。
2.飼い主さんの注目を集めたい
犬が床を舐めている様子を見ると、「何してるの~?」「やめなさい」などと声をかける飼い主さんも多いのではないでしょうか?
なかには、近くに行って床や愛犬の様子を確認したり、やめさせるために犬を抱き上げて移動させたりする人もいるでしょう。
しかし、飼い主さんがこのような行動を取ることで、さらに床を舐める行動が定着してしまうこともあります。
飼い主さんが大好きで、「もっと遊んで欲しい」「かまって欲しい」と思っている犬は、どうすれば飼い主さんの注目を集めることができるか考えています。
そのため、床を舐めることで飼い主さんに声をかけてもらったり、そばに寄ってきてもらったりした経験があると、気を引くことを目的にその行動をするようになってしまうのです。
床を舐める行為をやめさせたいのであれば、過剰に反応することはせず、ある程度は無視して放置しておくといいでしょう。
あまりにもしつこく舐め続けていたり、すぐにやめさせたい場合は、舐めていることについては一切触れず、別の場所で大きな音を立てて気をそらしたり、さりげなく誘導したりしてやめさせるようにしてください。
3.退屈
若く活動的な犬や、遊ぶことが大好きなタイプの犬は、家の中にいる時もいつも何か楽しいことはないかと探していることがあります。
おもちゃ遊びに飽きてしまうと、家具を噛んでいたずらをしたり床を舐めたりすることで、退屈をまぎらわせるということがあるのです。
その行動自体に特に意味はなくても、暇つぶしの行動として床を舐め続けることが習慣化してしまうことが考えられます。
この場合は、床を舐めていること自体に対応するのではなく、退屈な時間を減らしてあげるための対処をする必要があります。
ひとり遊びできるおもちゃをたっぷり用意したり、散歩時間を増やして家の中で寝る時間が増えるようにしたり、生活リズムを変えたりといった工夫をしてみましょう。
4.不安やストレスを感じている
犬が不安やストレスを感じている時に、それを紛らわせるために床を舐めるという行動に出ることがあります。
不安感から何かしていないといてもたってもいられず、無関係と思えるような行動をしつづけてしまうことがあるのです。
自分の手足を舐め続けたり、尻尾を噛んだりといった行動を起こすのと同様で、行動自体に意味はないと考えられます。
こうした心理から床を舐めている場合は、叱ったり止めたりすることで余計にストレスを感じるようになってしまうことがあります。
そのため、舐めている行動自体には反応せず、不安やストレスの原因を探り、それを取り除くことが必要です。
まとめ
犬が家の床を舐めていることについては、絶対にやめさせるべきというわけではありません。
食べ物のにおいが気になった時などに舐めているなど、一時的なものであれば放っておいてもかまわないでしょう。
ただし、床を舐めていることの理由によっては、その根本的な原因に対処が必要な場合もあります。
退屈すぎて床を舐めることが習慣化してしまっている場合は、ほかに遊べるおもちゃを用意したり、生活スタイルを見直したりするようにしましょう。
また、不安感から床を舐め続けているのであれば、それを解決することが必要です。
さらに、床を舐めることで飼い主さんの気を引いているのであれば、無視することが最も効果的。
大切なのは、床を舐める行動から考えられる犬の心理を読み取って、そこに寄り添った対応をするということだと思います。