犬の『犬見知り』は直した方がいいの?
犬にはそれぞれ性格があります。社交的な子もいれば、他の犬や人に対して苦手意識を持つ子もいます。中には犬は大丈夫だけれど人は苦手、人の中でも子どもだけ苦手など、苦手意識を持つ範囲が限定されている犬も珍しくありません。
犬の中には、他の犬との交流を苦手とする『犬見知り』な犬もいます。一部の飼い主さんからは「散歩やドッグランで他の犬と交流するのが苦手で困っている」という声も聞きます。
では、犬の犬見知りは直すべきなのでしょうか。基本的に、犬は自分の仲間(家族)を守るため、他の人や犬に対して警戒心を抱くことは大いにあります。野生の頃の名残なので、それが自然と言えるでしょう。
しかし、人間と共存していく上で、散歩している最中に他の犬に攻撃してしまったり、吠え掛かったりしてしまうと、トラブルに発展しかねません。他の犬に噛み付いたり過剰に吠え掛かったりといった攻撃的な行動を控える程度に、改善できるよう努力することは必要でしょう。
無理強いは禁物ですが、少しずつ他の犬を遠巻きに眺めてみたり、愛犬の調子が良い時に他の犬と挨拶させてみたりと、愛犬のペースに合わせて徐々にコミュニケーションの取り方を学んでいけると良いですね。
犬見知りな犬によく見られる3つの行動
では、犬見知りな犬にはどのような行動が見られるのでしょうか。犬見知りな犬に無理に他の犬を近づけるのは得策ではないので、愛犬が犬見知りではないかどうか確認してみてください。
1.他の犬を見つける度に吠える
犬同士にも相性があります。社交的な犬であっても「この子とは相性が悪いから仲良くなれない」と唸ったり吠えたりする犬が存在します。そのため、犬が吠えてしまうのは仕方がないことだと言えるでしょう。
しかし、犬見知りな犬の場合、「この犬」という特定の存在ではなく、自分以外の全ての犬が敵という認識になります。そのため、散歩中などに他の犬を見つける度に吠えたり唸ったりするのです。
他の犬を見つける度に唸ったり吠えたりする場合は、まず相手の犬から距離を取り、落ち着かせることが大切です。遠くからであれば警戒心が薄れ、吠えたり唸ったりする行為が収まります。まずは遠目に他の犬を観察し、他の犬がいることに慣れさせることから始めましょう。
2.他の犬が近づいてくると飼い主の後ろに隠れる
犬見知りな犬の中には、攻撃的な行動を取るのではなく、逃げ回るという行動に出る犬も多くいます。特に散歩中では、他の犬が近づいてくると飼い主の後ろに隠れる犬が多いです。
臆病なタイプの犬見知りな犬の場合は、他の犬が近づいてくると緊張状態に陥り、相手が友好的に挨拶をしてきても応じることができません。無理に仲良くさせようとすると、逆効果となり、トラウマになったり攻撃的な態度に転じる恐れもあります。
そのため、まずは飼い主の後ろに隠れることを許し、飼い主越しに相手の犬を観察させると良いでしょう。また、飼い主が相手の犬と仲良くしているのを見て安心する犬も多いので、相手の飼い主さんに許可を取り、飼い主自身が触れ合うことも有効です。
3.じっとその場から動かず無反応を決め込む
「落ち着いているのね」と意外と見落とされがちな犬見知りな犬の行動に、他の犬がすれ違ったり近付いてきたりすると、じっとその場から動かず、無反応な態度を見せるという行動があります。
一見、落ち着いているように見えるこの態度ですが、実は他の犬が近づいてきたことに対して緊張しているため、「攻撃されないか」とドキドキしながらジッと相手を観察しているのです。
いざという時は逃げたり威嚇したりしようとしているのでしょう。他の犬が過ぎ去ると、緊張を解いたように歩き出したり、その犬を気にする素振りを見せたりします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬見知りな犬に無理に他の犬と交流させる行為は逆効果となってしまいます。無理強いせず、まずは遠巻きに他の犬の存在を観察させるところから始め、調子が良い時に愛犬のペースで少しずつ挨拶にチャレンジしていきましょう。