犬同士でも『いじめ』はあるのか
「犬のいじめ」と「人のいじめ」は別物だと考えてください。
犬に対して「いじめ」という言葉が相応しいかどうか分かりませんが、飼い主に分かりやすい言葉としていじめという言葉で表現したいと思います。
自分が優位であると主張したい
犬同士のいじめは「自分の方が優位だ!」と主張するために起こることがあります。
群れで生活する動物である限り、本能的に順位付けをします。群れのメンバーがそれぞれの役割を担うためです。
先住犬が後輩犬に馬乗りになる
犬同士が上下関係を確認する時、馬乗りになることがあります。
先住犬が後輩犬に馬乗りになっている時は、先住犬の方が優位であることが分かります。上手く関係性を築けていると考えてよいと思います。
これは、犬の祖先であるとされているオオカミの群れでよく見られる行動です。
愛犬が友達犬を跨いでいる
犬同士が上下関係を確認する時、相手を跨ぐことがあります。
ドッグランで遊んでいる時、地面に伏せる愛犬を友達犬が跨いでいる時は、友達犬の方が優位であることが分かります。
これは、犬の祖先であるとされているオオカミの群れでよく見られる行動です。
いじめているわけではなく、仲が悪いわけでもありません。友達や仲間の間にも上下関係があるのでしょう。
寝転がってお腹を見せる
犬同士が上下関係を確認する時、相手の目の前で寝転がってお腹を見せることがあります。
先住犬の目の前で後輩犬が寝転がってお腹を見せている時は、後輩犬が「自分の方が下です」と認めていることを表わします。
これは、犬の祖先であるとされているオオカミの群れでよく見られる行動です。
愛犬が飼い主にお腹を見せるのとは意味が違いますよね。
犬同士の「いじめ」と「遊び」を見分ける方法
追いかけ回す
ドッグランで逃げる犬を追いかけ回す犬がいます。逃げ惑う犬はしっぽを下げて不安そうな顔をしています。
やめて!来ないで!と言うこともできずに、逃げることしかできない様子です。
飼い主にはいじめのように見えてしまうかもしれません。しかし、追いかけ回すのはいじめではありません。社会化を勉強している最中なのだと思います。
追いかけ回すと嫌がられるんだなということを理解できればよいのですが、相手が逃げ惑うばかりでは上手く理解できないのでしょう。
遊びのつもりかもしれませんが、まだ犬同士の遊び方を学ぶ途中なので間違った行動をしてしまうのです。
多頭飼いで注意したいこと
先住犬の方が優位であるとは限りません。後輩犬の方が体力があったり、知力が高ければ優位に立つこともあります。
迎えたばかりの時は後輩犬らしく振る舞っているかもしれませんが、成長と共に体力や知力が身に付いたことによって、先住犬との立場が逆転してしまうことがあるのです。
そんな時こそ群れのリーダーである飼い主の出番です。
どんな時も先住犬を優先してあげてください。例えば、一頭ずつお散歩に連れて行くのであれば、先住犬とお散歩した後で後輩犬とお散歩します。
帰宅した時に出迎えてくれた時は、先住犬とスキンシップをした後で後輩犬とスキンシップします。
もちろん、愛情は同じでなければなりません。先住犬をいじめる悪い後輩犬だ!と叱ったり無視をしたりしてはいけません。
まとめ
「いじめ」と表現することが相応しくない場合もありますが、犬同士でもいじめをすることがあります。
優位であることを示したい時、順位付けをしたい時、上下関係を確認したい時など、犬の本能である行動が飼い主にはいじめのように感じられてしまうことがあります。
犬同士のいじめは、まずは見守ってください。噛みつくなどの激しい喧嘩に発展してしまった時は間に入ってあげてください。