犬の「咬みつきレベル」とは
犬の「咬みつきレベル」は、6つの段階に分けられています。
この「噛みつきレベル」は獣医師やトレーナーとしても活躍されている動物行動学博士のイアン・ダンバー氏により考案されたもので、飼い犬の攻撃性を分析する指標になります。
犬は噛むものだというイメージがありますが、飼い主が知っているだけでもいくつかのレベルに分けることができますよね。
甘えたり遊んだりする時の甘噛みもあります。爪切りやブラッシングなど嫌なことをされて抵抗する時の咬みつきもあります。
また、見知らぬ人が近づいた時の威嚇の咬みつきもありますね。
レベル分けするとどうなるのか、どれくらいまで咬みつくと危険なレベルなのか、本記事ではこの指標をもとに分かりやすく解説します。
犬の咬みつきレベル1
- 乱暴な態度をする
- 攻撃的な行動をする
- 咬みつくような仕草をするものの人の皮膚に犬の歯が触れることはない
咬みつくような仕草をしたり、ワッ!と襲いかかるような行動をしたりすることがあります。「これ以上近づくと本気で咬みつくぞ!」と威嚇している様子です。
人の皮膚に犬の歯が触れることはないため、ケガを負うことはありません。
なぜ咬みつくような仕草や行動をするのか、なぜ威嚇するような攻撃するような態度をとるのか、犬が出すサインの意味を人間側が読み取らなければならない段階の咬みつきレベルです。
犬の咬みつきレベル2
- 犬が人に噛みつく
- 人の皮膚に犬の歯が当たる
- 人の皮膚に犬の歯が当たったことによる小さな切り傷と少しの出血がある
犬が怖がることや嫌がることをしてしまった時、飼い主やトリマーや獣医師がこのレベルでのケガを負うことはよくあります。
小さな切り傷と少しの出血はありますが、犬が咬みつく力の加減をしたことが分かります。攻撃はするものの「これ以上はいけない」ということを十分に理解できている段階の咬みつきレベルです。
犬の咬みつきレベル3
- 犬が人に噛みつく
- 人の皮膚に犬の歯が突き刺さる
- 人の皮膚に犬の歯が突き刺さったことによる刺し傷ができる
- 刺し傷の深さは犬の歯の半分の深さにも満たない
犬が自分の身を守るための咬みつき行動です。
例えば、手を咬みつかれて引き離そうと手を引いた時、犬の歯が突き刺さったり刺し傷ができたりすることがあります。
傷の深さは浅いのですが、同じ行動が起きないように注意しなければならない段階の咬みつきレベルです。
犬の咬みつきレベル4
- 犬が人に噛みつく
- 人の皮膚に犬の歯が突き刺さる
- 人の皮膚に犬の歯が突き刺さったことによる刺し傷ができる
- 刺し傷の深さは犬の歯の半分を超える
- 出血を伴う裂傷が見られる
飼い主では制御することが難しい犬の咬みつき行動です。
例えば、手に噛みついた後に振り回すような行動をしたため、犬の歯の半分を超える深さの傷ができます。出血を伴い、裂傷が見られます。
ドッグトレーナーや訓練士などのプロによるトレーニングをしなければならない段階の咬みつきレベルです。
犬の咬みつきレベル5
- 人の体の複数の場所にレベル4の咬みつきが見られる
一度では足りず、人の体の複数の場所に何度も咬みつきます。口を離したかと思うと、また咬みつくのです。
プロによるトレーニングで改善される見込みは少なく、安楽死されてしまう可能性のある段階の咬みつきレベルです。
犬の咬みつきレベル6
- 人を死に追いやるほど咬みつく
人の体の複数の場所に咬みつき、傷も深いため失血死する恐れがあります。
プロによるトレーニングで改善される見込みは少なく、安楽死されてしまう可能性のある段階の咬みつきレベルです。
まとめ
犬の咬みつきレベルは動物行動学博士のイアン・ダンバーさんが考案したもので、6つの段階に分けられています。
「咬みつくふりをする」のが「レベル1」、「人を死に追いやる」のが「レベル6」です。
あなたの愛犬に咬みつき行動はありますか?
もし咬みつき行動があるのであれば、どのレベルの段階なのか見極めてみましょう。