犬の食器についたヌメヌメの正体は?
犬の食事が終わるたびに食器を洗っているのに、何だか犬の食器がヌメヌメしている…。一生懸命洗っても、ぬるつきが消えない…。犬を飼っている人なら、そう感じたことがあるはず。
そのぬめりの正体は「バイオフィルム」という細菌の膜です。
犬の口内は人間とは異なり、アルカリ性の性質を持っていて、口内で細菌が繁殖しやすいとされています。この細菌が食事の際に口から食器に移り、強固に結合されたバイオフィルムを作り出してしまうのです。
このことからわかるように、バイオフィルムは細菌同士が結びついた固まりなので、決して衛生的なものではありません。つまり、バイオフィルムが残ってヌメヌメした食器は、清潔とは言えず、健康を害する恐れすらあるとされているのです。
1.洗う前に乾いた布で拭き取る
犬の食器についたヌメヌメの正体であるバイオフィルムは、強く結びついた膜のため、そう簡単には破壊することができません。
水で洗ったくらいではびくともしませんし、食器用洗剤や普通のスポンジを使っても、なかなか膜を破って洗い流すことができないのです。
そんな頑固なバイオフィルムを取り除く方法のひとつが、洗う前に乾いた布やキッチンペーパーで食器を拭き取るというものです。
濡れているとぬめりが強くなって、こすっても表面をすべるだけなのですが、乾いた状態で拭くことでバイオフィルムを簡単に破壊することができます。
膜を破壊した状態であれば、食器用洗剤や普通のスポンジでもヌメヌメを取り除いて洗い流すことができるので、ぜひ試してみてください。
2.クエン酸や酸性洗剤で洗う
犬の食器にしつこく残るヌメヌメを取り除くために、何度も洗剤をつけて洗っている人は多いと思います。
しかし、犬の唾液とバイオフィルムはアルカリ性のため、一般的な中性食器用洗剤では除去することがむずかしいのです。
そこで使いたいのが、アルカリ性と逆の性質を持つ酸性の洗剤です。
ただし、酸性洗剤というと刺激やツンとしたにおいが強いイメージがあり、食器に使おうとする人は少ないかもしれません。
しかし、最近では簡単に手に入る「クエン酸」も酸性洗剤として有効に使うことができます。
クエン酸であれば、お酢のようにきついにおいもせず、手荒れなどの心配もありません。さらに、食べ物にも含まれている成分なので、触れたり口に入っても安心です。
犬が直接口をつけて食べ物を食べるものなので、安全性にもこだわって洗剤を選びたいという人にもおすすめします。
3.ヌメヌメ除去専用スポンジを使う
犬の食器のヌメヌメとした膜は、普通の食器用スポンジで洗っても簡単には取ることができません。
そこで、ヌメヌメの原因であるバイオフィルムを、破壊して取り除くための専用のスポンジが開発されているのです。各メーカーがバイオフィルムを効果的に破壊することができる特殊繊維を使用した犬の食器用スポンジを販売しているので、興味のある人はチェックしてみてください。
また、犬用のスポンジというわけではありませんが、掃除道具などとしても活躍するメラミンスポンジや、洗剤を使わずに食器洗いができるアクリルたわしなども有効です。
ただし、食器との密着度や摩擦が強いため、素材によっては傷をつけてしまうこともあります。犬の食器との相性も考えて使うといいでしょう。
まとめ
毎日しっかり洗っているのになぜか犬の食器がヌメヌメする…。それは多くの飼い主さんが経験していることだと思います。
このヌメヌメは、犬の口内環境の影響でできてしまう細菌による膜なので、食器に残ったままでは衛生的にあまり良いとは言えません。
ここで紹介したように、ちょっとしたコツやアイテム選びで簡単にヌメヌメを除去することができるので、愛犬の健康を守るためにもぜひチャレンジしてみてください。