老犬の『震え』が危険な理由4選
犬はシニア期に入ると徐々に老化が始まり、様々な症状を見せるようになります。そのうちの1つに「震え」がありますが、老犬の震えは危険性を伴うこともあります。ここでは老犬の震えを見過ごしてはいけない理由を紹介します。
1.老化による筋力の低下が始まっている
年老いていくと、人間や犬に限らず筋力が低下していきます。筋力低下に伴い、足腰が弱くなり、長時間立っていることが難しくなることもあります。こうした老化現象の前兆として「震え」が起きるケースは非常に多いです。
筋力の低下はどの犬にも起こり得ることですが、シニア犬だからと散歩に行かずに室内ばかりで過ごしていると、筋力の低下は早く進行してしまいます。そのため、無理のない範囲で散歩や室内遊びを行うことが大切です。
また、シニア犬になるとフローリングで転倒してしまうなどの怪我に繋がる事故を起こしやすくなります。すると関節や靭帯を痛めてしまいその痛みから震えが起きることがあります。時には椎間板ヘルニアなどの神経疾患を引き起こすこともあり、その症状の1つとして震えが起きていることもあります。
2.体温調節が上手にできていない
老犬は健康な成犬に比べると体温調節が上手くできなくなります。体温を外気に合わせて下げたり上げたりすることが難しくなるため、成犬よりも寒さを感じやすく、震えに繋がることもあります。
これは、先ほどお話しした筋力の低下とも繋がってきます。筋力には、体温を上げたり維持したりする役割がありますが、筋力の低下に伴い、それらの機能が上手に働かなくなってしまうのです。
飼い主の気づかぬ間に低体温症になっていることも珍しくないので、愛犬が縮こまるように震えていたら、まずは室内の温度が下がりすぎていないか確認しましょう。
3.感覚器官が衰えて警戒心や不安が強くなっている
主な老化現象に感覚器官の衰えが挙げられます。聴覚や嗅覚、視覚などが衰えるため、若い頃に比べて音や匂い、見えるものに対する反応が鈍くなったり遅くなったりします。
こうした体の変化は犬自身も感じているため、若い頃に比べて不安になったり、警戒心が強くなったりする老犬は多く、これらが進行してしまうと認知症などに繋がることも少なくありません。
警戒心や不安が強くなることで、ちょっとしたことでブルブルと震えるようになります。精神的なストレスは体にも様々な悪影響を及ぼすため、飼い主が「大丈夫だよ」と落ち着かせてあげることが大切です。
4.けいれん発作を起こしている可能性
老犬の震えの原因として、老化現象に伴う病気である可能性も考えられます。特にけいれん発作はシニア期に入ると引き起こしやすく、てんかんや低血糖の他に神経系の疾患を患っている可能性もあります。
けいれん発作がひどく、継続して長く続く場合は命にかかわることもあります。こうしたけいれん発作を起こしている場合は、すぐに病院へ連れていき、診察と治療を行ってもらう必要があります。
老犬の震えは病気かも…病院に連れていく目安は?
老犬の震えの原因に病気が関係しているケースも少なくありません。
震え以外にも以下のような様子が見られる場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
- 呼びかけても反応がない
- 意識がない
- 体温が普段よりも高い、または低い
- 震え以外にも嘔吐などの症状が見られる
呼びかけても反応がない、意識がないといった様子が見られる場合は、非常に危険な状態です。脳に病気を患っている可能性があり、放置しているとそのまま命を落としてしまう危険性もあります。
また、震え以外にも嘔吐や下痢といった症状が見られる場合は、腎臓や肝臓など他の病気が考えられます。こちらもすぐに病院へ連れていき、診察や検査をしてもらいましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。老犬の震えは、精神的なものもありますが、中には重篤な病気が関係していることもあります。「すぐに治るだろう」と軽視せず、けいれん発作が疑われる場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。