小型犬とは?
犬のサイズを3つに分けると小型犬、中型犬、大型犬に分類されます。
JKC(ジャパンケネルクラブ)やAKC(アメリカンケネルクラブ)には、犬種それぞれの体高や体重の標準があります。しかし小型犬、中型犬、大型犬という区分では、基準や定義を設けていません。
ならば、どのように犬のサイズを分類するかというと、成犬時体重が10kgまでを小型犬、10〜20kgまでを中型犬、20kg以上を大型犬とすることが多く、トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアンなどが小型犬に当てはまります。
小型犬に絶対してはいけない『NG行為』は?
小型犬は運動量が少ない犬種が多いことや、お世話やお手入れがしやすいことなどから、中型犬や大型犬に比べて飼いやすいと言われています。
とはいえ体が小さい分、飼い主さんは『NG行為』によって愛犬に病気やケガをさせないように十分注意しなくてはいけません。では、どのような行為がNGなのでしょうか?以下からご紹介していきます。
①不安定な抱っこをする
小型犬は体が小さく軽いので、気軽に抱っこできます。でも抱っこをする際、不安定な抱き方だと犬が落下して、骨折したり脳挫傷になったりする可能性があります。小型犬は、落下事故での前足の骨折が多い傾向にあるので要注意です。
例えば、人の肩に犬の前足を乗せた縦抱っこや、密着度の低い抱っこなどは不安定で危険です。
小型犬を抱っこするときは片方の手で犬のお尻を支え、もう片方の腕に犬の胸を乗せて抱き上げ、犬の背骨と地面が水平になるようにします。なるべく飼い主さんの体と犬の体を密着させて安定感を持たさせることが重要です。
②ソファから飛び降りさせる
ソファでリラックスしたり、寝たりするのを好む犬は多く、小型犬も例外ではありません。そしてソファを気に入ると犬は、自分で上り下りするようになります。
飼い主さんはこれを見過ごしてしまいがちですが、高さのある場所への上り下りは犬の足腰に負担をかけます。特に小型犬は非常に骨が細く、ソファから飛び降りたときの衝撃で前足を骨折してしまうことが少なくありません。
犬の安全を考えて、ソファへ上らないようにしつけるのがベストです。もしそれが難しいのであれば、ソファから飛び降りなくても済むように犬用の階段やスロープを置くなどの対策をしましょう。
③散歩をしない
小型犬は、必要とする運動量が少ない犬種が多いため「散歩は必要ない」と思われがちです。しかし、散歩は犬の運動不足を解消するだけではありません。
犬は散歩をしながら、いろいろなもののにおいを嗅いだり、音を聞いたり、景色を見たり、他の犬や人と出会ったりして、たくさんの刺激を受けます。これが犬の脳に刺激を与えたり、ストレスを発散させたりもするのです。
このことを考えると、小型犬にも散歩が必要と言えます。散歩へ行かずに家の中でばかり過ごしていると刺激不足で、認知症になるリスクが高まったり、ストレスが溜まってしまう可能性があります。
悪天候のときや、飼い主さんや犬の体調が悪いときに無理は禁物ですが、毎日散歩へ行くようにしましょう。
④歯磨きをしない
犬が虫歯になったという話は滅多に聞かないので「犬には歯磨きをしなくても大丈夫」と思っていませんか?
犬の口内はアルカリ性のため、酸性の環境をを好む虫歯菌が繁殖しにくく、虫歯になりにくいです。だからといって、歯磨きをしなければ歯垢がたまってそれが歯石になり、やがては歯周病になってしまいます。
日本の3歳以上の犬の約8割が、歯周病または歯周病予備軍と言われています。歯周病とは歯肉炎と歯周炎の総称で、歯肉が腫れる、膿が出るなどの症状が見られ、痛みも伴います。重度になると感染が広がり、目の下などに穴が開くことも。
また歯周病の細菌が血液中に入り込んでしまうと、心臓病や肝臓病、腎臓病などを引き起こします。
小型犬は歯と歯の隙間が狭かったり、乳歯遺残(乳歯が残ったまま永久歯が生えてくること)で歯が2重に生えていたりすることが多いために歯垢がたまりやすく、歯周病になりやすいと言われているので特に注意が必要です。
犬の歯に付着した歯垢は3日〜5日で歯石に変化してしまうため、犬の歯磨きは毎日するのが理想的。最低でも3日に1回は歯磨きをするようにしましょう。
ちなみに歯石は歯磨きでは取り除けないため、動物病院で除去してもらうことになります。
まとめ
今回は、小型犬に絶対してはいけない『NG行為』を4つご紹介しました。ご紹介した行為は、小型犬に限らずどのサイズの犬にもNGと言えます。
ただ、小型犬は体が小さかったり骨が細かったりする分、病気やケガをした際のリスクが大きいです。ですから小型犬の飼い主さんは、ご紹介したNG行為を愛犬にしないように十分注意してくださいね。