犬にとっての『悪い飼い主』とは?
私たち目線ではなく犬目線で見ると健康面や精神面など、あらゆる面で見方が違うことがあります。良かれと思ってやっていることや日常的に無意識にやっている行為が、実は犬にとって悪い影響を及ぼしているのであれば、飼い主として改善したいですよね。
ここでは、犬にとっての悪い飼い主の特徴を紹介するので、当てはまっていないか確認し、当てはまっている場合は改善できるよう努力していきましょう。
1.ルールが一貫していない
犬にとってルールは自分を守るために必要な安全策でもあります。そのため、ルールが敷かれていないと犬は不安になり、気持ちが落ち着きません。
そんな犬にとって大切なルールは、一貫していなければいけません。例えば、昨日はこの失敗をしても許したけれど今日はダメというように、日によってルールを変えてはいけません。
ルールがコロコロと変わってしまうと犬はどうしていいかわからず、不安になってしまいます。強いストレス要因となるため、ルールは常に一貫する必要があります。
2.叱る時に長々と説教・大声で怒鳴る
犬が悪さをした時、失敗してしまった時、場合によってはしつけのために叱る場面が出てきます。しかし、長々と説教したり大声で怒鳴ったりする方法はNGです。
大声で怒鳴ってしまうと、犬に恐怖心を与えるだけで根本的なしつけになっていません。また、長々と叱っても言葉のわからない犬にとっては理解できず、苦痛を強いられるだけです。
犬を叱る際は「だめ」と簡潔に伝え、その後、しばらく構わないなど態度で示しましょう。何度か行うことで「これをするとかまってもらえなくなる」とダメなことを学習できるようになります。
3.人間と同じ食事を「ちょっとだけ」と与えてしまう
可愛い愛犬に美味しいものを食べさせてあげたいと、つい人間と同じ食事を与えてしまう飼い主さんがいますが、人間の食事は犬にとって塩分や糖分が多いため、基本的にNGです。
また、人間の食事の中には、犬にとって有毒な成分が含まれていることもあります。中毒症状を引き起こす恐れがあるので、人間と同じ食事は与えないようにしましょう。
4.常に一緒にいようとする共依存状態
大切な愛犬と常に一緒にいたいと思う飼い主さんは多いでしょう。「きっと愛犬もそう思っているはず」と思っている人も多いでしょうが、実際は少し違います。
たしかに大好きな飼い主さんと一緒にいたいと思う犬は多いですが、だからと言って常に一緒にいると共依存状態となり、分離不安を引き起こす恐れがあります。
また、多くの犬は1匹でのんびり静かに過ごす時間も必要です。しっかり睡眠をとったり休息をとったりする必要があるため、常に一緒にいることが良いこととは限らないのです。
5.犬としての本能的欲求を満たしてくれない
無駄吠えや噛み癖などはしつけによってやめさせる必要がありますが、必要以上に犬としての本能を妨害してしまう行為は、犬にとって強いストレスになります。
例えば、以下の行為が当てはまります。
- 飼い主としてスキンシップを取らない
- 散歩中に他の犬と触れ合わせない
- 散歩中に匂い嗅ぎを強制的にやめさせる
以上はほんの一例ですが、犬として他の犬と交流したり散歩途中の匂いを嗅ぎとったりする行為は、非常に重要です。
こうした密かに犬が楽しみにしている行為を飼い主の事情で強制的にやめさせることは、ストレスの原因となったり、刺激が足りず脳の活性化を阻害してしまったりします。
必要最低限のしつけはしっかりと行い、犬にとって重要な欲求を満たす行為は、ある程度許容してあげることも大切です。
悪い飼い主から脱却しよう!改善するための方法は?
私たちが良かれと思ってやっている行動や無意識にやっている行動の中には、犬にとってはストレスとなったり、健康に被害を及ぼしてしまったりすることもあります。
しかし、すでにやってしまったから絶対悪ということではなく、今から改善していけば問題ありません。まずは、上記で紹介したNG行為を改め、愛犬にとってストレスがなるべくかからないような暮らしや健康管理を意識しましょう。
まずは人間の食べ物を与えすぎないことや適切な運動、そして犬としての本能的欲求を満たせる場を設けてあげることから始めてみてください。これだけでも犬のストレスや健康状態が改善されるはずです。
また、犬のボディーランゲージを見て、今どのような心理状態であるか、どうして欲しいのかを察してあげる努力も大切です。人間目線で見るだけではなく、犬の立場に立った考え方ができるようになりましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「悪い飼い主」という言葉で表しましたが、犬の全てを理解することは難しいです。今回紹介したNG例を一部の参考とし、改めて愛犬にとってどのような暮らしや接し方が良いのかを考えるきっかけとしてください。