犬が人を慰めてくれる理由
1.変化に敏感
犬は飼い主のいつもと違う様子に変化を感じて慰めてくれることがあります。
顔を覗き込んで来るのは「どうしたの?」と飼い主の表情をよく見て確認したいからです。
手をしきりに舐めて来るのは「緩和してあげたい」という気持ちです。犬自身も痛みや違和感を取り除くために患部をしきりに舐めますよね。
自分の体をぴったり寄せて来るのは「落ち着いて」と伝えたいからです。
犬は飼い主のほんの小さな変化にも敏感に反応し、心配でやって来るのです。
2.仲間だと認識している
犬が人を慰めるのは、その人のことを仲間だと認識しているからです。
犬は群れで暮らす動物で仲間意識が高いです。家族の中で慰める人と慰めない人がいるのであれば、仲間意識の低い高いの違いだと思われます。
飼い主や家族に関わらず誰でも慰めることができるのは、人間という存在を群れの仲間だと認識しているのでしょう。
幼い子供と暮らしたことのある犬は、公園や道端で泣いている子供がいると駆けつけて慰める仕草や行動をすることがあります。
3.気を紛らわせてあげたい
人が悲しんでいる時におもちゃを運んで来て慰めようとするのは、その人の気を紛らわせてあげたいからです。
遊んでほしいのか、私が悲しんでいることを全く分かっていないのか、無関心なのかとも思えてしまう行動ですよね。
犬は悲しみに敏感な動物です。飼い主が出かける様子を玄関や窓からいつまでも見つめていたり、帰宅を大袈裟に喜んだりしますよね。
悲しみに敏感であり優しい性質を持っているため、自分の行動で悲しむ人の気を紛らわせてあげたいのです。
相手が飼い主であれば、自分のどんな仕草や行動に笑って楽しんでくれるのかをよく理解していると思います。
4.人の行動を真似している
家族のひとりが悲しんでいる時、他の家族が慰める様子を見て自分も真似をすることがあります。
犬は飼い主の行動を見て学ぶため、教えられなくても真似して行動するようになります。「どこで覚えて来たの!?」と驚かされるような行動をすることがありますよね。
見知らぬ人にも慰める行動をするようになるのは、その犬の本能的な優しさだと思います。飼い主や家族に関わらず、人に寄り添うことが好きなのでしょう。
5.よい反応を覚えている
自分の人を慰める行動によって飼い主が「よい反応をしてくれた!」と覚えているため何度でも繰り返し行動します。
その犬にとっては慰めるつもりではなく、いつもと様子の違う飼い主の様子が気になって近づいただけだったかもしれません。人は慰めに来てくれたと感じてしまいますよね。
飼い主が喜んでいたこと、いつもより多く撫でてくれたこと、そっと抱きしめてくれたこと、「ありがとう」「えらいね」と褒めてくれたことなどを覚えているのです。
6.ご褒美がもらえることを知っている
人を慰めるとご褒美がもらえることを知り、ご褒美が目的で近寄って来ることがあります。
私たちにとっては少し残念な理由ですが、犬らしいなとも思えますよね。
犬にとってのご褒美は食べ物だけではありません。おもちゃで遊んでもらえること、頭や体を撫でてもらえること、お散歩に連れて行ってもらえることなども含まれます。
飼い主を慰めた後、いつもより多くご褒美がもらえたことを知っているため、また慰めようとするのです。
まとめ
犬が人を慰めてくれる理由を6つ解説しました。
- 変化に敏感
- 仲間だと認識している
- 気を紛らわせてあげたい
- 人の行動を真似している
- よい反応を覚えている
- ご褒美がもらえることを知っている
「なせ犬は人を慰めるのか」という研究が行われていますが、ほとんどの犬が飼い主や家族だけではなく見知らぬ人のことも慰めることが分かっています。
好奇心で寄って来るのではなく、「泣いている」「悲しい」という状況や表情を感じて寄って来るのだそうです。