愛犬のための贅沢が負担になってしまうことも
犬を擬人化しないように
愛犬の存在を「本物の家族」として大切に一緒に暮らしている飼い主さんが多いと思います。もちろん愛犬が「本物の家族」であることは間違いありませんが、犬と人は違う種族であることも事実。
犬には犬ならではの生態や習性があるのであまり擬人化してしまうのも良くありません。犬が持つ本来の習性を無視して必要のない贅沢をさせているとワガママになるだけでなく、愛犬自身に大きな負担を与えてしまうことになりかねません。
もちろんそれが「肉体的な負担」のこともあれば「精神的な負担」のこともあると思います。犬は言葉で伝えることができないぶん、飼い主さんが犬の生態や習性に気を配り不必要な「贅沢」をしないよう気をつけてあげましょう。
犬にとって必要のない『贅沢』3選
1.過度な装飾のある衣類
近年では愛犬に洋服を着せる飼い主さんも多いですよね。一昔前は「犬に洋服なんて!?」という考えが主流だったと思います。しかし様々な理由で衣類が必要になることもあります。
冬の寒い時期、寒がりな犬種にはもちろん防寒のため、夏には紫外線の防止や虫よけのため。また個体の健康状態によっては皮膚炎の掻きむしりを防ぐために洋服を着せることもあると思います。
愛犬にとって必要な物だからこそ洋服を着てもらっていると思いますが過度な装飾がある物は飼い主さんの自己満足になっているかもしれません。
もちろん可愛い愛犬なので飼い主さん好みのオシャレな衣類を選ぶのは良いことですが、デザイン重視でボタンやリボンなどがついている物は、気づかないうちに取れてしまい誤飲に繋がる危険性があります。
また音が鳴ってしまう装飾品などがついている物、サイズが合っていない物もストレスになりやすいので注意が必要。安全性と着心地を重視したうえで目的に合った洋服を選んであげましょう。
2.適正量でないご飯やオヤツ
犬がお散歩と同じくらい大好きなのが「食べること」だと思います。用意したご飯をあっという間に平らげた上におかわりを要求してきたり、オヤツも「チョウダイチョウダイ」とおねだりすることもあるでしょう。
犬はその昔、狩りをして獲物を仕留め餌を食べて生きていた野性動物。もちろん狩に失敗する日が続くと何日も餌を食べることができないこともありました。次にいつ餌を食べることが分からない犬達は「食い溜め」をする習性が身についたと言われています。
もちろん野性動物であれば数日に1回の餌になることもあるので「食い溜め」することが生き抜くために必要ですが、現在人に飼われている犬は毎日美味しいご飯が用意されていますよね?食い溜めする必要がありません。
犬の野生の習性として目の前に食べ物があれば全て食べたいと思うのは当たり前のこと。また犬の胃袋は人と比較すると体の割りに大きく大量の食べ物を納めるだけの容量があります。
当たり前ですが、食い溜めする必要がない現在の犬に適正量以上のご飯を与え続けると、あっという間に太ってしまい健康面に影響が出てしまうことも。愛犬が食べるものの量や品質も飼い主さんがしっかり管理してあげましょう。
3.広すぎるテリトリー
皆さん愛犬にはケージやサークルなど「落ち着くことができる自分だけのお部屋」を用意していますか?
「自由に行動させてあげたい」「閉じ込めているようで可哀想」などの理由から愛犬のハウスとなるケージやサークルを使用していない方もいるようですが、犬は縄張り意識が強いため愛犬だけのテリトリー(ハウス)を用意してあげたほうが落ち着いて過ごすことができます。
愛犬のハウスがない場合、お部屋全体がテリトリーとなってしまい自身が守るべき範囲が広すぎて警戒心が強くなってしまう傾向があります。愛犬にストレスや疲れを癒してもらうためにも愛犬専用のハウスを用意してあげましょう。
またケージやサークルのサイズですが、なんとなく狭いのは可哀想な気がしますよね?しかし犬は狭くて薄暗い場所を好みます。こちらも野生時代に小さな巣穴で眠っていた習性が残っているようです。
体の大きさに不釣り合いな大きなサイズのハウスは落ち着くことができないので適正サイズを選んであげましょう。
まとめ
愛しい愛しい愛犬にあれやこれやとしてあげたくなるのは飼い主のさがだと思います。しかし犬自身には「贅沢」という概念はないはず。全て飼い主さんが「教える」「与える」をすることで学習していきます。
犬にとって必要のない贅沢の負担が少しずつ積み重なりストレスになってしまわないよう犬の生態や習性、また個体の性格を考慮して「愛犬が喜ぶこと」を沢山してあげましょう。