蟹という食材について
一口に蟹といっても日本で食べられている「カニ」には色々な種類があります。
有名なところでいえばタラバガニやズワイガニ、北海道の毛ガニがあります。これらはとても美味しく、ファンの方も多いのではないでしょうか。
そのほか、ワタリガニ、花咲ガニ、海外ではイチョウガニ、上海ガニなど、産地に行かないとなかなか食べられない蟹もあります。
厳密に言えばこの中には「カニ」ではなく「ヤドカリ」の仲間もいたりしますが、美味しいという点では変わりません。
さて様々な種類が食べられている「蟹」ですが、栄養の面からみてもとても良い食材です。
では、どのような面で優れているのでしょうか。
高タンパク低カロリー
まずは何と言ってもタンパク質です。カニの脚部分は丸ごと筋肉です。タンパク質含量が100グラム中13グラム以上と、とても豊富なのは言うまでもないのですが、そのタンパク質を構成するアミノ酸も優秀です。
うま味成分の代表であるグルタミン酸やアルギニンが豊富なので食欲をそそりますし、悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させる効果がある「タウリン」も豊富なのです。
このようなタンパク質に対し、脚の肉部分にはほとんど脂肪が無いためカロリーも控えめであることも、カニの特徴といえるでしょう。
「アスタキサンチン」が豊富
これはサケやイクラの他、エビやカニといった甲殻類に含まれる赤い色素成分です。高酸化力が強いので、動脈硬化の予防や疲労回復に効果があると言われています。
また小さな成分であるため、脳や目に分布している細い血管にも入り込んで作用することができ、若々しさの維持を目的としたサプリにも使われています。
このほか、カリウムやビタミンB12なども豊富に含まれていて、血液成分や血管の健康にとても良い効果があると言われています。
犬に与えるときの注意点
前述した通り、カニはとても栄養価が高い食材なので犬に与えても特段に問題はありません。
ただし、注意する点が二つあります。
必ず加熱する
生のカニの場合、身の部分に「チアミナーゼ」という酵素が多く含まれているため、必ず加熱したものを与えてください。
このチアミナーゼという酵素は、ビタミンB1を分解する働きがあります。これを大量に摂取すると、体内でビタミンB1欠乏症を引き起こしてしまいます。
ビタミンB1は炭水化物の代謝に使われるほか、神経系の刺激伝達物質の合成にも使われるため、これが不足することで食欲不振、発育障害の他、歩行障害や視覚障害など神経系に影響がでる恐れがあります。
殻付きで与えない
鶏の骨と同様、こちらも固い殻や甲羅を犬には与えないようにしましょう。
甲殻類の殻は加熱することで手で割れるほどの硬さになりますが、割ったあとのかけらは鋭利です。
骨をかじることが好きな犬の場合はがじがじと歯ごたえを楽しんでしまうと思いますが、口の中をケガさせる可能性もありますし、飲み込んだあとに消化管を傷つけることがあったり食道を詰まらせて窒息する可能性もゼロではないので注意が必要です。
このほか、人間同様に甲殻類アレルギーを持つ犬もいるため、カニを与えるときは少量から試して一度にたくさん与えすぎないようにして下さい。
まとめ
人間が食べても美味しいものは、犬が食べても美味しいものです。
しかし美味しいからといって与えるのは良いのですが、量や与え方を間違えると害になることもあるので注意が必要でしょう。
また、味を覚えてつまみ食いなどをしないよう、カニを調理する際は気を付けてくださいね。