愛犬が喜ぶ散歩をするためのポイント
犬の散歩の質を向上させるために、押さえておきたいポイントが「散歩時間」「コース」「遊ぶ場所」です。
多くの飼い主さんは、まず散歩時間について「どの程度必要なのか?」ということを気にすると思います。
犬の散歩量については、明確に定められた規定や指標があるわけではありませんが、イギリスのケネルクラブでは、以下の運動量を目安にするといいとされています。
- 小型犬 30分〜1時間/1日
- 中型犬 1〜2時間/1日
- 大型犬 1〜2時間/1日
非常にざっくりとした目安で、時間の幅が大きいのは、体の大きさだけでなくそれぞれの体質や年齢、個性に合わせて調整することが必要だからです。
上記の時間を目安に、散歩後の犬の様子や体調・体格の変化などを考慮して、愛犬に適した時間を見つけていく必要があります。
また、同じ時間を歩くにしても、コースや遊ぶ内容によって、その運動量や充実度は大きく異なります。
<犬のタイプ別>適切な散歩時間の目安
ここでは犬種や気質・タイプ別の適切な散歩時間の目安をご紹介します。
目安時間30分/1日
チワワ、ポメラニアン、マルチーズ、ビション・フリーゼ、狆、パピヨン、ペキニーズ、トイプードルなど、小型犬の中でも運動量の少ないタイプの犬種や、子犬・老犬など体力がやや少ない時期の犬は、1日30分程度の散歩でかまいません。
また、同じ30分の散歩でも平坦な道をゆったりと歩くのと、起伏に富んだ道を歩いたり軽くジョギングしたりするのでは、運動量が変わります。
ここで挙げた犬種以外で、長い散歩時間が取れないけれどしっかり運動させたいという場合には、散歩コースやペースなどに変化をつけるといいでしょう。
目安時間1時間/1日
小型犬の中でも運動量の多いテリア種やダックスフンド、中型犬は1日1時間を目安に散歩をしましょう。
フレンチ・ブルドッグやビーグル、イタリアン・グレーハウンド、ウェルシュ・コーギー・ペンブローグ、柴犬など、中型犬は気質や体格が異なる多彩な犬種が揃っています。
そのため、散歩コースや遊びの内容に変化をつけることで、適切な運動量を確保するようにしましょう。
目安時間1時間~2時間/1日
大型犬の中でも体力が充実している青年期や、元々山岳救助犬や犬ぞりなど使役犬として活躍してきた犬種は、たっぷり運動をさせてあげる必要があります。
また、活動量がそれほど多くない犬種であっても、足腰の関節に大きな負担をかけないように、長い時間をかけてゆっくりと歩いて運動することが必要になる場合もあります。
また、ボーダー・コリーやグレーハウンドのように中型犬でも牧羊犬として活躍した犬種やサイトハウンドなどは、大型犬並みの運動量が必要になるとされています。
<犬のタイプ別>おすすめの散歩場所
犬種が持つ本能や気質、個々の性格、好きな遊びなどによって散歩コースや遊び場所を変えてあげることも大切です。
犬が持つ能力をしっかりと発揮させて本能を満たすことで、日常生活を落ち着いて過ごすことができ、問題行動なども低減させることができると考えられています。
以下を参考に、散歩の内容をぜひ考えてみてください。
もちろん、毎日楽しいアクティビティを用意することはできないと思うので、時間のある日や年に数回の旅行などに出かける際の参考にしてください。
- 水遊びが好きな犬
- 川や湖で遊びをさせると喜びます。ただし、海は波があることや水に塩分が含まれており皮膚に炎症が起きてしまったり、クラゲなどの毒を持つ危険生物が多いことからあまりおすすめできません。また、人間が利用する海水浴場は混雑していることから、危険度が高いので注意してください。
- 好奇心旺盛で運動量が多い犬
- 低山の山登りや散策路でのトレッキングなどがおすすめです。自然豊かな場所を歩くことで、さまざまなにおいや気配を感じ、普段とは違う足元の感触を楽しむことができるでしょう。山登りやトレッキングに慣れてきたら、少しずつ登る山のレベルを上げていくこともできます。
- アクティブで積極性がある犬
- しつけやおもちゃ遊びに意欲的な犬は、アジリティーやディスクなどドッグスポーツにチャレンジするのがおすすめです。また、ノーリードで思いきり走らせてあげたい場合は、ドッグランを利用するといいでしょう。
- 基本的なしつけができている遊び好きな犬
- 飼い主さんと一緒にキャンプをしたりゆったりとアウトドアを楽しむのも、犬の本能や充足感を満たすために有効です。自然の中で過ごす時間はとても充実したものですが、安全で快適に過ごすためには基本的なしつけができている必要があります。
まとめ
犬の散歩は毎日のことなので、忙しい飼い主さんにとっては時に負担になることもあるかもしれません。日課だからこそ、つい毎日同じコースを淡々と歩くのが習慣になっていることもあるでしょう。
しかし、犬にとって散歩は唯一といっていい外出の機会です。その時間をとてもとても楽しみにしている犬が非常に多いことを忘れないでください。
惰性的な散歩ではなく、犬種や個性、年齢、季節などに合わせて常に変化させながら、新鮮で楽しく安全な散歩をしてあげて欲しいと思います。