犬種に拘るのは本当にいけないことでしょうか?

犬種に拘るのは本当にいけないことでしょうか?

犬って本当に沢山の犬種があり、どの子もみんな個性的で可愛いですけど、犬種の好みは人により様々です。犬を飼う時、犬種に拘ることは、何か問題を産んでいると考える方もいらっしゃる様ですが、本当にそうなのでしょうか?

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もともとは仕事をする動物

牧羊犬

わんちゃんを飼われている方は誰でもご存知の通り、犬とは元々、人間の為に働く動物として家畜化された生き物です。
そもそものルーツには諸説あるようですが、遺跡を発掘するなどの研究結果から、1万4000年程前には人と犬との共生が始まっていたという事が明らかになっています。

ギブアンドテイクの関係

今でこそ犬は人間にとって、無償の愛を受けるべき家族同然か、それ以上の存在になっていますが、大昔、まだ文明もなかったような時代になぜ人間が犬を飼い始めたのかを考えれば、本来の人と犬との関係性が見えてきます。

まだ人間が農耕や牧畜を知らない頃、人間の生活圏には様々な野生動物がいて、食糧と言えば、野生動物を捕えて肉を頂くか、山の木の実を採って食べているような時代に、人と犬との共生が始まったと考えられています。
当然、犬も野生動物のひとつでしたが、人間が出した動物の骨や皮などの残飯をあさっているうちに、「人間の近くで暮らせば餌にありつける」という事を学習し、人間は、犬が残飯を処理してくれる事で身の回りの衛生を保つ事が出来、外敵に対して吠えるという犬の習性を利用して、人間の生活圏に侵入する野生動物から身を守る事を覚えました。

つまり、人間も犬も、お互いが生活圏を共にすることで、どちらにも得があったわけです。

そして、このことから人間は、野生動物を飼い馴らし、自ら命がけで狩りをしなくても、いつでも動物の肉を食糧にすることが出来る牧畜を覚え、犬のおかげで縄張りを守る事が出来るようにもなり、一所に定住し農耕を行えるようになったそうです。

この様にして、長い長い年月を共にする中で、人間は犬にエサを与えて飼い馴らし、人間にとって有益な仕事をしてもらうという関係を築いてきました。
また、与える仕事に適した姿や性格に犬を改良することにも力を注いできました。
それによって、それぞれの形の定まった個体を代々維持することが、今日まで続く「犬種の保護、保存」という事に繋がっているのです。

誇りと愛情を持って繁殖をしているブリーダー

下を出す犬

元々、犬のブリーディングとは、人間の為に働いてくれるそれぞれの犬の種類を固定させるために行われてきたもので、ペットブームの近年の様に、見た目が良ければ何でもあり的な、量産を目的としたものではありません。

猟をする人にはその猟のスタイルに適した猟犬を、牧場主には身体能力と従順さを兼ね備えた牧羊犬を、工場主にはネズミ追いに適した小型のテリア犬を...といった具合に、必要とする人に必要とされる犬を供給するために、ブリーダーによって、固定の犬種が保たれ、種の中でも優れた血統の子孫を残すために、代々、繁殖が続けて来られたのです。

ですから、優れた血統の犬を安定供給出来るブリーダーは、犬を必要とする人からの信頼も厚く、誇り高い職業であることが容易に想像できます。
また、ユーザーの手に渡った後も、飼育しやすく、健康状態の良好な犬を育てるために、多くの手間暇や惜しみない愛情を持って飼育されています。

日本では、働く犬の種類はあまり多くなく、特殊な仕事をこなす犬しか特定の犬種を必要とする事もないのではないでしょうか。
そう言った面では、海外では本来の犬のブリーディングが、まだまだ盛んに行われています。

とは言え、昔の様に仕事に必要とされる犬は少くなり、現在は、犬種ごとの愛好家に趣味として、ステータスとして、必要とされることが多くなっていますが、やはり、優れた血統の犬を代々繁殖できるブリーダーは、愛犬家からの大きな信頼も得られていることでしょう。

問題は無計画な繁殖と利益優先、無責任な飼育放棄

野良犬

さて、先ほど「犬種の愛好家」という言葉を使いましたが、皆さんはこれをどのように理解されるでしようか?

私なりの解釈では、

ある犬種が好きで好きで、その犬種の特性に誰よりも深い知識があり、実際にその犬種の犬を飼っていて、犬種の保護、繁殖に熱心で、次に飼うのもその犬種と決めている愛犬家。

でしょうか?

愛好家の定義はさておき...犬種ごとに愛好家が存在するという事は、犬種によって、様々な魅力があるという事に他なりません。

スレンダーな体つきが魅力の犬種もいれば、ずんぐりむっくりな体格が愛嬌を醸し出している犬種もいます。
大きな体でゆったり歩く姿が魅力の犬種もいれば、小さな体でちょこちょこ小走りに歩く姿が愛らしい犬種もいます。
そして性格だって、犬種によって特徴的な性格を持っている事も少なくありませんし、毛並や、吠え方も犬種によって特徴があります。

ある人は、そこがその犬の魅力だと言い、またある人は、それさえなければまだ飼いやすいのにと言うでしょう。
だからこそ、犬の好みは十人十色、人それぞれに違っていて当然なのです。
そういった犬種特有の本来の持ち味を後世に残して行く事が、今後求められるブリーディングのあり方なのだと思います。

『今、人気のある犬種だから、どんどん産ませて売れるうちに売ってしまおう!』と考えている、無計画で無責任、利益優先の悪徳ブリーダーがいるから、売れ残って処分される犬が生まれるのではないですか?
流行りはいつか廃れます。

そしてこれは、ブリーダー側だけの問題ではありません。

むしろ、犬を飼う人の意識の低さが一番の問題ではないでしょうか?
私は、犬をお金を出して買う事が悪いことだとは思いません。
犬種に拘るのも、人それぞれ、好みや飼いやすさの定義が違いますから、間違いではありません。
そんなことより、犬を飼うという事が、命ひとつ、飼い主の手に委ねられるという事への責任を、もっと重く受け止める必要があるのではないでしょうか?

自分の自由や時間、もっと言えば、今の生活や人生も犠牲に出来るほど、犬一匹の命に重みを感じないのであれば、犬を飼い始めるべきではありません。

飼えなくなったら、誰かに貰ってもらえば良いよね。などという、甘い考えは捨てて下さい。
そのようにして手放され、誰にも貰ってもらえずに結局、殺処分される...。

問題視されるべきは、そこなのではないでしょうか?

そういった行き場のない犬達を保護して飼育し、里親の元へ送り届ける活動をして下さっている方も沢山いらして、本当に頭の下がる思いですが、この方たちも、一部の意識の低い飼い主の尻拭いをさせられている犠牲者なのではないでしょうか?

やむを得ない事情があって...?

訳も分からず、そんな無責任な人間に飼われてしまった犬を思うと、不憫でなりません。

まとめ

白い犬

飼いたい犬の犬種に拘る事は、全く悪いことではありません。
ですが、今流行ってるからとか、TVでチラッと観て可愛かったからとか言う理由であれば、その犬種が(あなたにとって)飼いやすい犬種であるかどうか、事前に念入りに調べ、本当に飼えるかを熟考される事をお勧めします。

もっとも、同じ犬種の犬が、全く同じ性質を持っている訳ではない事を理解されたうえで、飼うかどうかじっくり検討して下さい。

何があっても、「こんなはずじゃなかった...」と、手放してしまう事の無いように、覚悟をもって、大切な命を迎えてあげる事こそが、不幸な犬を無くしていく第一歩ではないでしょうか。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 匿名

    自分が飼いきれる犬かどうかを判断する一つの要素として、犬種は大きなものだと思います。
    最後まで責任を持って飼いきるために、自分にとって飼いやすい犬種を選ぶのも一つの方法だと思っています。
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