犬が寝る場所に求める要素
人と同じように、犬にとっても睡眠はとても大切なものです。
犬は人よりも浅い眠りが多いとはいうものの、それでも睡眠中はいざという時に即座に対応することが難しく、寝る場所もどこでも良いというわけにはいきません。
基本的に、犬は下記の3点を基準にして寝る場所を選ぶと考えられています。
- 安心できる場所である
- 静かで安全な場所である
- 一緒に暮らしているご家族の様子が分かりやすい場所である
こういったことを踏まえ、犬の寝る場所によりその犬の心理が分かるといわれています。全ての犬に当てはまるとは限りませんが、参考にはなるでしょう。
今回は、犬の寝る場所に関する調査結果や、寝る場所による犬の心理についてご紹介します。
犬の寝場所に関する調査結果
ある犬の情報サイトが全国の男女500名を対象に行ったアンケート調査の結果、愛犬と一緒に寝ている飼い主さんが約4割、一緒に寝ていない飼い主さんが約6割だということが分かりました。
一緒に寝ていない場合の愛犬の寝床については、下記の結果でした。
ケージ、クレート :44.6%
犬専用のベッド :29.8%
屋外 :18.6%
床などの好きな場所: 8.0%
飼い主さんと一緒に寝ていない場合、自由に寝場所を選んでいるのは1割に満たないことが分かります。
一緒に寝ている愛犬のポジショニングについては、下記の結果でした。
足元 :53.3%
お腹の辺り:15.6%
胸の辺り :15.6%
首元 : 8.0%
その他 : 7.5%
飼い主さんと一緒に寝ている犬の過半数が足元で、次いでお腹や胸の辺りで寝ており、首元で寝る犬は数が少ないことが分かります。
飼い主さんとの距離感から見た犬の心理3つ
まずは、愛犬が寝る場所と飼い主さんとの距離感から見て判断できる犬の心理について見ていきましょう。
1.飼い主さんの隣
机に向かって何か作業をしている飼い主さんの隣で眠っている場合なども含め、飼い主さんの隣で寝ている場合の犬は、とても安心していると考えられます。
飼い主さんの隣にいるので、愛犬は飼い主さんの体温やにおいなどを直接的に感じられます。
すぐ隣に飼い主さんがいるため安全な場所でもあり、寝ていても飼い主さんの様子がすぐに分かります。つまり、犬が寝る場所を選ぶ3つの基準にマッチした、まさに理想の寝場所だといっても良いでしょう。
2.飼い主さんから離れた場所
飼い主さんから見える場所ですが少し離れた場所で寝ている場合の犬は、とても気楽でのんびりしていると考えられます。
飼い主さんの隣にいる時ほどの強い安心感はないものの、安全な場所であることは分かっています。飼い主さんから少し離れていることで、必要以上に飼い主さんに気を使う必要がなく、飼い主さんの様子もそれとなくわかるポジショニングです。
3.飼い主さんから見えない場所
飼い主さんから見えない場所で寝ている場合は、少し飼い主さんとのコミュニケーションに疲れてしまっている状態かもしれません。犬にも、1匹で静かに過ごす時間が必要です。
飼い主さんから見えない場所で寝ている場合、構いすぎていないかどうか、少し振り返ってみると良いかもしれません。ただ、暑くて玄関の石が心地よいとか、日差しが心地よいといった理由の場合もありますので、気にしすぎる必要はありません。
飼い主さんと一緒に寝る犬のポジショニングによる心理3つ
1.足元
足元で寝ている犬は、飼い主さんをとても信頼しています。その信頼に応えるためにも、寝ながら蹴っ飛ばしたりしないように気をつけましょう。
足元は頭から最も離れた場所なのでウィークポイントだと考え、飼い主さんを守ろうという気持ちが強いのだとも考えられています。
2.お腹や胸の辺り
お腹や胸の辺りで寝ている犬は、飼い主さんのことを仲間だと思い安心していると考えられています。
超小型犬や子犬の場合、飼い主さんの寝返りに押し潰される、ベッドから落ちてケガをする等の事故も多いので、十分に注意してください。
3.顔の近く
顔の近くで寝る犬は飼い主さんを自分よりも下に見ているという説がありますが、普段そういう気配がなければあまり気にする必要はないでしょう。
布団に潜らないため暑くも息苦しくもならず、枕と飼い主さんの肩の間にスッポリとハマった感覚が居心地良いと感じている犬も多いようです。
まとめ
実際に犬に「そこで寝ているのはなぜ?」「どんな気持ちなの?」と聞いてみることができないので、ご紹介した内容はあくまでも人間側から観察し、考えた結果の犬の心理です。
しかし、犬との長い歴史の中で観察されてきたことなので、ある程度当てはまることはあるでしょう。
いずれにしろ犬が熟睡できているのであれば、飼い主さんを信頼し、安心して暮らしているという証です。決して不慮の事故が起きないように、十分に気をつけてあげましょう。
また、愛犬と同じ布団に寝ている場合は、人獣共通感染症のリスクも考慮して、衛生管理に十分な配慮を心掛けましょう。