犬に塩分を与えるべき理由
1.水分のバランスを調整するため
塩分(ナトリウム)には細胞外液の浸透圧を調整する働きがあります。体内の水分のバランスを調整するために必要な働きです。
適度に塩分を摂取し、細胞外液の浸透圧が調整されることで赤血球の破壊や溶血性貧血を防ぎます。
2.情報を正常に伝達するため
塩分(ナトリウム)には細胞の情報伝達を正常に行う働きがあります。
脳の神経細胞は電気を使って情報を伝達していますが、異常が起きると神経の情報が伝達されなくなります。
3.アミノ酸を吸収するため
塩分(ナトリウム)には栄養やアミノ酸の吸収をよくする働きがあります。
犬の体の約20%はタンパク質で構成されています。タンパク質は約20種類のアミノ酸が結合した化合物です。アミノ酸によって筋肉・皮膚・ホルモン・抗体などが作られます。
食事から得たアミノ酸を十分に吸収できずにいると健康な体は作られません。
成犬に必要な1日の塩分量の目安
成犬に必要な1日の塩分(ナトリウム)量の目安は体重1kgあたり50mgです。5kgの犬には250mg、10kgの犬には500mgです。
この量を「塩」に置き換えて計算してみましょう。
(例)
- 体重10kg×50mg=500mg
- 500mg×2.54÷1000=1.27g
体重10kgの成犬に必要な1日の食塩相当量の目安は1.27gとなります。
犬に塩分が不足するとどうなる?
健康な犬の体内で塩分が不足することはありません。
注意したいのは異常なほど大量に水を飲んだ時です。水中毒を引き起こすことがあります。また、下痢や嘔吐をした時にもナトリウムが不足してしまうことがあります。
血液中のナトリウムイオン濃度が低下し、フラフラ歩く・苦しそうに呼吸をする・嘔吐する・痙攣するなどの症状が起こることがあります。
食欲も元気もある普段の生活の中で犬の体内から塩分が不足することはありません。
犬が塩分を摂り過ぎるとどうなる?
体重1kgあたり食塩相当量2g~3gの塩分を摂取すると中毒症状を引き起こす恐れがあります。
体重1kgあたり食塩相当量4gの塩分を摂取すると死に至る恐れがあります。
- ジャーキー100gあたりの食塩相当量は3g
- ビスケット100gあたりの食塩相当量は3g
- 煮干し100gあたりの食塩相当量は5g
1日に100gも与えることはありませんが、犬用のおやつにも必ず塩分が含まれます。
食事に含まれる塩分量と合わせて計算し、塩分の摂り過ぎにならないように注意しましょう。
犬に塩分を与える方法
犬に必要な1日の塩分量は食事から十分に摂取することができます。
ドッグフードのパッケージに表示されている成分をご確認ください。含まれる塩分量は「ナトリウム」として表示されています。
1日の食事量で塩分の摂り過ぎになってしまうことはないでしょう。
注意したいのはおやつに含まれる塩分によって1日の塩分量の目安を超えて摂取してしまうことです。
ジャーキー・チーズ・パン・ビスケット・クッキー・煮干しなどの与えすぎは塩分過多になることがあります。
もうひとつ注意したいのが手作りごはんに含まれる塩分量です。摂り過ぎにも注意したいですが、不足にも注意しましょう。
まとめ
犬に塩分を与えるべき理由を3つ解説しました。
- 水分のバランスを調整するため
- 情報を正常に伝達するため
- アミノ酸を吸収するため
塩分は体内のバランスを整えたり、機能を正常に働かせるために必要な栄養素です。
ドッグフードが総合栄養食である場合、食事から十分な塩分を摂取することができています。
愛犬に必要な1日の塩分量に目安を知りたい時は次のように計算してください。
- 成犬に必要な1日の塩分(ナトリウム)量の目安は体重1kgあたり50mg
- 【ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)】
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男性 ナスナベマン