犬の皮膚と体調の関係性
犬の皮膚は健康状態や生活環境などの要因によって症状が出やすいです。
まずは健康な犬の皮膚状態を知り、犬が皮膚病になる原因について知りましょう。
健康な犬の皮膚
まず健康な犬の皮膚は、見た目で何か気づくこともなく、フケや痒みがない状態です。これは正常なターンオーバーが繰り返されていることの証明です。
犬などの動物も人間と同じようにターンオーバーによって肌が生まれ変わります。人間は約6週間に対して犬は約3週間程度と短く、皮膚も薄いです。
何らかの肌トラブルを起こすと、犬のターンオーバーは1週間前後とさらに短くなってしまい、何らかの症状や皮膚病になってしまいます。
犬が皮膚病になる主な原因
犬が皮膚病の症状を引き起こす主な原因には次のようなものがあります。
- 皮膚の乾燥
- ストレス
- アレルギー
- 害虫や寄生虫
- 食事バランス
犬も人間と同じように乾燥やストレスや食事バランスが皮膚トラブルの原因になることがあり、害虫や寄生虫などの外的要因にも注意しなければなりません。
また過剰なシャンプーによって乾燥してしまうなど、犬が肌トラブルを起こすことも多いです。
犬によって肌体質が違うので、適した洗い方を行うことが大切です。
犬の皮膚で健康・不健康を見極める5つのポイント
犬の皮膚は体調を反映しやすく、日々チェックしていると不調に気づくことができます。
とくに皮膚病は悪化する前に対処することが望ましいので、早期対処できるといいですね。
ここでは、犬の皮膚で健康・不健康を見極める5つのポイントをご紹介します。犬の皮膚症状によって考えられる皮膚病を参考にしてください。
1.皮膚が赤い
犬の皮膚が赤く、痒みやフケや脱毛がある場合に考えられる症状別の皮膚病はそれぞれ以下のものがあります。
- 赤くて強い痒みがある
「アトピー性皮膚炎」は、強い赤みと痒みが起こりやすいです。顔や足先、脇やお腹、肛門周りに出やすいのが特徴。
「食物アレルギー」の場合は、痒みとともに下痢や嘔吐の症状も見られることがあります。
- 皮膚が赤くフケや痒み、脱毛がある
「疥癬症」は皮膚が赤く、強い痒みとフケが出るなどの症状があります。原因はヒゼンダニの寄生なので、犬と人どちらも受診と対処をしなければなりません。
「皮膚糸状菌症」は皮膚の赤みとフケ、さらに脱毛の症状が出やすいです。カビの一種の増殖が原因なので、薬用シャンプーや内服薬で治療を行います。
- ニキビのようなポツポツがある
「膿皮症」は赤いニキビのようなポツポツと痒み、黒いかさぶたや脱毛症状が見られます。免疫力が低下している犬に起こりやすく、細菌感染が主な原因です。
「ノミアレルギー性皮膚炎」は、赤くポツポツした発疹があり強い痒みが出ます。尻尾の付け根や腰周りをチェックしてみてください。
2.皮膚が黒い・斑点がある
「ノミの寄生」が原因だと、犬の皮膚に黒いカスのようなものが見られるようになります。激しい痒みを伴い、ノミは人間にも寄生してしまうので早急に駆除をしなければなりません。
「メラニン色素沈着」は黒い斑点や黒ずみが犬の皮膚に現れるようになり、脱毛やフケが出ることもあります。ホルモン異常やほかの皮膚炎の慢性化が原因になりやすく、病気が併発する前に受診することが大切です。
3.フケや脱毛がある
「甲状腺機能低下症」になると、フケや脱毛のほかにベタつきや色素沈着などの症状が現れます。甲状腺ホルモンの分泌量の減少が原因なので、投与治療が行われることになります。
4.ベタつきがあり痒がる
「マラセチア皮膚炎」は皮膚がベタついたり、フケや脱毛症状が見られます。犬の皮膚が硬く厚く感じた場合も要注意です。これはカビの一種であるマラセチアが繁殖しており、悪化すると痒みや悪臭も出てしまいます。
「脂漏症」は皮膚がベタッと脂っぽく体臭がひどい、またはフケが出る皮膚病です。脂漏症とマラセチア性皮膚炎は同時に起こっていることもあります。脂漏症は皮脂の分泌量が通常より多いことが原因になりますが、皮脂腺の分泌も過剰になっています。ホルモン分泌または遺伝が原因ではないかといわれています。
5.耳に異常が起きている
「外耳炎」になっている場合、耳に痒みや赤みの症状が見られます。また、黒い耳垢や臭いが出てくるため、早急に病院で洗浄や点鼻薬または抗菌薬での治療を受けることになります。
まとめ
犬の体調や異常は皮膚に出やすく、皮膚病にかかると長期的な治療となるため早期対処がとても重要になります。被毛が長い犬ほど気づきにくいので、日々ボディチェックをして健康状態を観察していきましょう。
食事や環境も犬の健康を左右するので、犬にストレスを与えていないかこの機会に振り返ってみてください。