人間とは違う?犬のまばたきの特徴
わんこと人間のまばたきには大きな違いが1つあります。それは上まぶた、下まぶたに続く「第3のまぶた」の存在です。
これは「第三眼瞼」または「瞬膜」と呼ばれるもので、人間の目には存在しません。上まぶた、下まぶたとは違って水平方向に開閉して異物を取り払ったり、涙を作ったりする役割をします。
瞬膜は普段は半透明のため、あまり意識されることはありませんが、この瞬膜が眼球を保護してくれていることで、わんこはまばたきの回数が人間より少なくて済むのです。
要注意!激しいまばたきの理由
ご紹介したとおり、わんこのまばたきは普通は少ないもの。そのまばたきが激しくなる場合には、さまざまな理由が考えられます。
1.異物が目に入った
ゴミや被毛などの異物が目に入ったために、異物を取り除こうとまばたきをすることがあります。
この場合には異物がとれればまばたきをやめるのでそれほど長時間にわたったり、慢性化したりはしません。激しいまばたきが気になったら、まずは目の中の異物の有無を確認してあげましょう。
2.結膜炎
わんこの目の疾患で最もポピュラーなのが結膜炎です。まぶたの周りの痛みやかゆみから、まばたきが激しくなることがあります。
涙や目やにが多くなり、目が充血するのも典型的な症状です。症状が片目だけの場合には物理的な刺激によるもの、両目に現れている場合には、感染症など全身性の疾患が原因と考えられます。
3.角膜炎
角膜に炎症が起こる疾患で、異物混入などによる外傷性のものと、感染症やアレルギーが原因となる非外傷性のものがあります。
かなり激しい痛みをともなうことが多いため、まばたきが頻繁になったり目を擦ったり、目を気にする仕草が増えます。炎症が進行すると、目に見えて角膜が白く濁ったり、角膜に傷が入っている場合は傷を中心として角膜が白くなり角膜表面が盛り上がっているのがわかります。
4.緑内症
眼圧が高くなることで視神経が影響を受け、視野が狭くなる疾患です。眼球に痛みが出るため、まばたきが激しくなる傾向があります。
また特徴的な症状として、瞳孔が開いたままになり目の色が緑色や赤色に見えます。他の病気を伴わずに単体で起こる原発性のものと、他の目の疾患が原因で起こる続発性のものがありますが、いずれにしても進行すると失明の可能性もある恐ろしい疾患です。
5.東洋眼虫感染症
わんこの目に東洋眼虫という寄生虫が寄生しており、違和感からまばたきが頻繁になるケースもあります。
東洋眼虫とはハエが媒介する寄生虫で、主に結膜の間に寄生します。「目の中に白い糸が入っている?」と思ったら、この東洋眼虫だった!というパターンもあります。西日本を中心に分布しているため、地域によっては注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?目の病気の治療は、わんこが目薬やエリザベスカラーを嫌がることが多いため、飼い主さんにも負担がかかりがちです。ですが放置していると失明に至る場合もあるため、小さな異変にも特に注意を払う必要があります。
愛犬のまばたきのようすが少しでもおかしいなと思ったら、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。