犬の歯が抜けた!考えられる原因は?
もしも愛犬の歯が突然抜けてしまった場合、飼い主としてはとても衝撃的ですよね。「どうしよう」と狼狽えてしまう飼い主さんも少なくありません。
犬の歯が抜けた時に考えられる原因は、主に以下の4つです。
- 乳歯だった
- 何かを噛んだ時に引っかかって抜けてしまった
- 硬いものを噛みすぎて抜けてしまった
- 歯周病
まだ生後3〜10ヶ月の場合、抜けていない乳歯が抜けただけという可能性が高いです。この場合は特に気にしなくても問題ありません。
ただし、遊んでいた時や歯周病などが原因で歯が抜けてしまった場合、早めに処置する必要があります。放置せず、必ず適切な対処をしましょう。
子犬の歯が抜ける場合の原因
子犬の歯が抜ける原因のほとんどは、永久歯への生え変わりです。
子犬は、早ければ生後3ヶ月頃から乳歯が抜け始め、通常であれば生後10ヶ月頃までには永久歯に生え変わります。ただ、この時期を過ぎても乳歯が抜けずに、永久歯が重なるように出てくることがあります。
これが「乳歯遺残(にゅうしいざん)」です。小型犬に多い症状で、噛み合わせに問題が出たり、歯垢・歯石がたまりやすかったりと、歯周病の原因にもなりかねない症状です。
また、本来歯が生えないところから永久歯が生え、口の中を傷つける可能性もあります。
乳歯遺残は、自然に抜けることもありますが、基本的には見つけ次第動物病院で抜いてもらいます。子犬の負担を減らすためにも、乳歯遺残を見つけたら早めに対処しましょう。
成犬の歯が抜ける場合の原因
成犬の歯が抜ける原因のひとつに「硬いものを噛みすぎて抜けてしまう」場合があります。
犬は硬いものを好んで噛みますが、あまりにも長時間噛み続けると、歯が欠けたり、抜けたりすることがあります。とくに小型犬は、歯が小さくて弱いので、硬いものを長時間噛むのは避けるべきです。
まったく与えないのは愛犬のストレスになるため、時間を決めて与えるなど、愛犬の負担にならないよう上手に与えましょう。
また、まれに1歳や2歳の成犬になっても乳歯が抜けず、永久歯と重なって生えていることがあります。口の中を傷つけてしまうこともあるので、早急に動物病院を受診しましょう。
老犬の歯が抜ける場合の原因
「うちの犬は10歳を過ぎているから、歯が抜けても仕方ない…」このように考えていませんか?
犬は加齢だけが原因で歯が抜けることはありません。必ず他の要因が関わっており、そのほとんどが「歯周病」です。
歯周病には、口臭・歯石・歯茎の腫れ・膿などがありますが、症状が進行すると、歯茎の肉や骨が破壊され、最終的には歯が抜けてしまいます。
また、歯周病でできた傷口から細菌が入り、心臓や腎臓などの内臓にも悪影響をおよぼし、愛犬の寿命を縮めてしまうことさえあります。
歯周病は、3歳以上の成犬の8割がかかると言われる病気です。予防するには、日々のデンタルケアしかありません。乳歯が生えた時から歯磨きを徹底し、愛犬の大切な歯を守りましょう。
犬は7歳頃から「シニア期」に入ります。病気にもかかりやすくなるため、歯の健康と共に定期的な健康診断を欠かさず行いましょう。
犬の歯が抜けた時の適切な対処法3つ
愛犬の歯が抜けた時、飼い主はどのような行動を取るべきなのでしょうか。ここでは飼い主ができる3つの対処法をご紹介します。
1.他に口内に異常が生じていないか確認する
愛犬の歯が抜けてしまった時、まずは歯が抜けたこと以外に、他の異常が口内に見られないかどうかを確認しましょう。
- 歯肉にデキモノやしこりができている
- 強烈な口臭が漂っている
- 顎や頬部分が腫れている
- 口腔から出血が見られる
このような他の症状が見られた場合、歯周病や口腔腫瘍の可能性が否定できません。早期発見、早期治療が重要となってくるため、早めに動物病院へ連れて行き、診察・検査をしてもらいましょう。
2.病院で抜けた箇所と他の歯の状態を診てもらう
前述したような他の症状が見られた場合でも、まずはかかりつけの動物病院や歯科に強い動物病院へ連れて行きましょう。できる限り歯科に強い動物病院も探しておくと安心です。
病院では、抜けた歯の箇所と他の歯の状態を見てもらいます。歯が抜けた原因によって、治療法が異なります。歯周病の場合は、他の歯にも影響を及ぼしている可能性が考えられるため、抜けた箇所だけでなく、他の歯も一緒に治療することになるでしょう。
また、事故によって歯が抜けたのではなく、欠けてしまったという場合でも、早急に動物病院へ連れて行き、治療することが求められます。
3.診察後はウェットフードなどの柔らかい物を食べさせる
診察後、あるいは治療後は、医師の指示に従って、なるべく消化吸収の良い柔らかい食べ物を食べさせてあげましょう。
普段、ドライフードを食べさせているというご家庭では、ドライフードは完治するまでは控え、ウェットフードやドライフードをしっかりふやかした状態のものを与えるようにしてください。
他にも茹でた野菜や肉を細かく切り刻み、おやつ代わりとして与えるという方法もおすすめです。この場合は、歯がなくても食べやすいくらいの柔らかさと細かさが必要です。
犬の歯が抜けた時にしてはいけないNG行為
犬の歯が抜けてしまった時、以下のような行為は歯や歯肉に悪影響を与えてしまったり、かえって症状を悪化させてしまう危険があるため、絶対にやめてください。
- 通常通り硬いものを食べさせる
- 動物病院に連れて行かない
- グラグラしている歯を無理に抜こうとする
乳歯以外の歯が抜けてしまった場合は、まず必ず動物病院で診てもらうことが大切です。放置してしまうと、他の歯にも影響を及ぼしたり、病状が進行してしまう恐れがあるからです。
また、グラグラと今にも抜けそうな歯を無理に抜く行為もNGです。必ず正しい処置が必要になるので、動物病院で適切な処置を受けましょう。
日頃の生活習慣や口内チェックを見直そう
歯が抜けないように日頃から予防するには、毎日の歯磨き習慣や硬すぎるものを食べさせたり噛ませたりしないという習慣がカギとなります。
毎日の歯磨きはもちろん、犬の歯は頑丈そうに見えますが私たち人の歯より弱いので、硬すぎるものを毎日のように噛み続けていると、歯や歯肉が衰えてしまい、歯が抜ける原因となります。
また、口内に異常がないかを歯磨きの際にチェックすることも忘れないようにしましょう。口内の異常は、早期発見・治療が重要となるからです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。愛犬の歯が突然抜けてしまうと、飼い主としては心配ですし、どうしていいかわからなくなりますよね。今回紹介したように、もしも愛犬の歯が抜けてしまった際は、すぐに動物病院で診てもらうようにしてください。