犬の免疫力が弱っているときの症状は?
ストレスや運動不足などから愛犬の免疫力が弱ってしまうことがありますが、その場合さまざまな症状が表れます。それらの症状を知っておくことで、愛犬の免疫力が弱っていることに早く気づくことができるでしょう。さて、どのような症状が表れるのでしょうか?
1.下痢や便秘がちになる
人と同じように犬の腸内にも、細菌が存在しています。腸内細菌は悪玉菌、善玉菌、日和見菌の3つに分けられ、悪玉菌が増えすぎると下痢や便秘の原因になります。
腸内環境と免疫力は密接に関係していて、腸内細菌のバランスが崩れると免疫力が弱くなります。反対に、免疫力が弱くなると腸内細菌のバランスが崩れることもあります。
つまり免疫力が弱っていると腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増え、下痢や便秘になりやすくなることがあるのです。また免疫力が弱っていると、感染症による下痢も起こしやすくなります。
2.疲れやすい
免疫力は体内に侵入した細菌やウイルスと戦ってくれますが、免疫力が弱っているときは、外部から侵入してくる微生物に対して防御しきれなくなることがあります。
また、ストレスや自律神経の働きがよくないなども一因になり、体内リズムが狂うなどから健康を維持できなくなり疲れやすくなります。
愛犬がなんとなく元気がない、散歩に行きたがらない、散歩中に座り込んでしまうというようなときは、免疫力が弱まっていて、疲れやすくなっているのかもしれません。
3.毛づやが悪い
愛犬の毛づやが悪くなったと感じるときは、免疫力が弱まっているサインかもしれません。
免疫力が弱まると病気にかかりやすくなったり、疲れやすくなったりします。そういう状態のときは体内で病気治癒や疲労回復のために栄養を使うことになり、被毛にまで栄養が行き渡らなくなってしまいます。その結果、毛づやが悪くなってしまうのです。
4.口臭が強い
口臭が強くなるのも、犬の免疫力が弱っているときの症状のひとつです。
口内にも腸内と同じように悪玉菌、善玉菌、日和見菌が存在します。そして免疫力が弱まることによって口内環境が乱れると、悪玉菌が増えて口臭の原因になったり、歯周病菌が繁殖しやすくなるため、歯周病が原因で口臭が強くなることも。
5.皮膚トラブルが増える
愛犬の皮膚トラブルが増えた時も要注意です。
皮膚の状態は免疫によって守られていますが、何らかの原因で免疫力が弱くなると感染が起こりやすくなります。その結果、膿皮症や皮膚糸状菌症といった感染症が多く見られるようになります。
犬の免疫力が弱っているときにやるべき対処法は?
免疫力が弱まると病気にかかりやすくなったり、がんを発症しやすくなったりします。ですから愛犬の免疫力が弱っていることに気づいたら、免疫力がアップするように対処してあげましょう。
ここからは、犬の免疫力が弱っているときにやるべき対処法について解説していきます。
1.腸内環境を整える
免疫細胞の約70%が腸に集中していると言われています。腸は、免疫力の要となる臓器なのです。
弱っている免疫力をアップさせるためには悪玉菌、善玉菌、日和見菌がバランスよく存在するように腸内環境を整えることが重要になります。
善玉菌を増やす発酵食品(ヨーグルトや納豆など)や、善玉菌のエサとなるオリゴ糖(バナナなど)や食物繊維(さつまいもなど)が豊富な食べ物をドッグフードにトッピングしたり、おやつとして与えたりすることで、腸内環境を整える効果が期待されます。ただし、与えすぎには注意を。
2.食事を見直す
栄養バランスの悪い食事を与え続けることは、免疫力を弱める要因になります。愛犬の免疫力が弱っているときは一度、食事を見直してみましょう。栄養バランスに偏りがある場合は、それを改善することで免疫力がアップする可能性があります。
3.ストレスを軽減する
ストレスは免疫力に大きく影響していて、精神的ストレスがかかると自律神経のバランスが乱れ、免疫力が弱りやすくなります。言い換えれば、ストレス軽減は免疫力アップに役立つということです。
ストレスの原因がはっきりしている場合はそれを取り除き、愛犬がなるべくストレスの少ない生活を送れるようにしてあげましょう。飼い主さんと毎日適度にスキンシップを取ることも、愛犬のストレス軽減に繋がります。
4.毎日適度な運動をする
適度な運動をすると血行がよくなって体温が上昇します。そうすると免疫細胞の働きが活発になり、免疫力がアップすると考えられています。
毎日1日2回散歩へ行くようにし、悪天候などで散歩へ行けない場合は、家の中でボール遊びや引っ張りっこ遊びなどをして運動量をキープしましょう。
適度な運動量は犬種や体格、年齢、肥満度、持病の有無などによって異なるので、かかりつけの獣医師に相談して調整するといいでしょう。
5.睡眠環境を整える
睡眠は心身の疲れを回復させるための大切な時間です。良質な睡眠を取ることで自律神経のバランスが整い、免疫力がアップすると言われています。
愛犬専用のハウスやベッドを用意し、愛犬がぐっすり眠れるように環境を整えてあげましょう。
犬の免疫力を弱める絶対NG行為は?
犬の免疫力が弱ってしまう原因はさまざまです。もしかすると、普段の生活の中の飼い主さんの行為が愛犬の免疫力を弱めてしまっているかもしれません。愛犬の免疫力を弱める絶対NG行為をしていないか、チェックしてみましょう。
1.年齢に合っていないドッグフードを与える
例えば子犬とシニア犬とでは、必要な栄養素の比率やカロリーが異なります。ですから愛犬の年齢に合っていないドッグフードを与えていると、体に必要な栄養素に過不足が出て、免疫力を弱めてしまう恐れがあります。
ドッグフードは、愛犬の年齢や体質に合ったものを適量与えるようにしましょう。
2.落ち着かない場所にハウスやベッドを置く
テレビの音や外の音が聞こえやすい場所や、人がしょっちゅう行き来するような場所にハウスやベッドがあると、犬はそこで落ち着いて眠ることができません。
落ち着いて眠れないと睡眠不足になり、自律神経のバランスが乱れて免疫力が弱まる引き金になります。愛犬のハウスやベッドは、人の行き来が少ない部屋の隅など落ち着いてゆっくり休める場所に置いてあげましょう。
3.おやつを与えすぎる
愛犬の喜ぶ顔が見たくて、ついおやつをあげすぎていませんか?これも免疫力を弱める絶対NG行為です。
おやつの与えすぎは肥満に繋がりやすく、肥満は免疫力を弱めることが分かっています。またおやつを与えすぎることによって栄養のバランスが崩れて、免疫力を弱らせてしまうこともあります。
おやつは愛犬の1日に必要なエネルギー量の10%を超えないようにして、与えたおやつ分食事の量を減らすようにしましょう。
4.運動の過不足
運動不足になると血液の循環が悪くなって体温が低下し、免疫力も弱まってしまいます。また運動不足は肥満の原因になり、これも免疫力が弱まることに繋がります。
かといって、運動のしすぎもよくありません。過度な運動はストレスとなるため、免疫力を弱らせます。
運動は『適度に』行うことが重要なのです。
5.スキンシップ不足
飼い主さんが忙しいと、愛犬とスキンシップ不足になりがちです。大好きな飼い主さんとのスキンシップ不足は、犬にとって大きなストレスとなります。そのストレスが原因で自律神経のバランスが崩れ、免疫力を弱めてしまう可能性があります。
たとえ短い時間でも毎日スキンシップの時間を作り、愛犬の心に寄り添ってあげましょう。
まとめ
免疫力が弱まると、がんを発症しやすくなることもあるので注意が必要です。愛犬の免疫力が弱ってしまっているときは、その症状に早めに気づき、対処してあげるようにしましょう。また、普段から愛犬の免疫力を弱めてしまう絶対NG行為を避けることも重要です。
免疫力が弱っている症状だと思っていたら実は病気の症状だったということもあるので、症状が重いときや長引くときは動物病院を受診しましょう。