犬が隙間に入りたがる理由5選
犬を飼う方なら、犬が狭い隙間に顔を突っ込んだり、隙間に隠れたりする行動をたびたび目撃していることかと思います。
SNSでも「#隙間犬」というタグが出回るほど、狭い場所に入る犬がたくさんいることもわかっていますが…なぜ犬は隙間に入りたがるのでしょうか?
犬が隙間に入りたがる心理について深掘りをすると、いくつかの理由があげられます。
もし愛犬の行動が気になるときは、このうちのどれかに当てはまっていないか確かめてみてください。
1.落ち着くから
犬は本能的に狭くて暗い場所を好みます。犬は広い場所を駆け回るイメージがあるかもしれませんが、もともと犬の先祖は狭い穴ぐらを住処にしていました。ですので犬にとっては、広くて開放的な空間ではなく適度な狭さの薄暗い場所が、敵が来ないと安心できる場所となるのです。
眠くなるとわざわざ部屋のすみっこへ行ったり、家具の隙間に顔を突っ込むのもこういった本能的な理由が関係している時があると考えられます。
人間にも安心できる場所があるように、犬にとって隙間=狭くて薄暗い場所は安らぎの場所ということです。
2.体調が優れないから
ちょっと心配なのが、体調が優れないために犬が隙間に入る時です。前項でお伝えしたように、犬は本能的に狭い場所を安心できる場所として選びます。
体調が悪いと、弱っている自分の身を守るためにより安心できる狭い場所に入りたがる行動を見せることがあるようです。「おかしいな」と感じた場合は様子をよく観察してみてください。
隙間ばかりを選んで眠る場合は、もちろん単にそこが好きだからということもありますが、特に以前はそんなことはなかったのに、と思われる場合や他にも行動の変化が見られる場合にはこまめに観察を行った方が良いでしょう。
3.不安や恐怖があるから
雷や工事などの大きな音が嫌いな犬もまた、狭い場所に隠れることが多いです。これも自分の身を守ろうとするがための行動です。
不安や恐怖心から、とても狭い場所に隠れてしまう犬もいるでしょう。
怯えて隠れている犬はとても興奮しています。犬がそこにいることによって危険にさらされる場合は別ですが、犬が落ち着きを取り戻すまでは、そっとしておくのが1番です。
恐怖心がおさまれば自ら出てくるはずなので、それまで待ちましょう。
大きな声をかけて呼んだり、無理に引きずり出そうとするのはやめておいてください。
また、隙間に隠れている犬をからかったりするのもやめましょう。
犬がひどく怖がるものがあることが分かっている場合、まずはそのような状況が起きないようにし、雷や花火、工事などどうしようもないものに対しては、飼い主さんが事前にそれを把握してできるだけ音が聞こえないような環境を整えたり、苦手な音に慣らすトレーニングをすると良いでしょう。
4.妊娠しているから
犬は妊娠をしたり、偽妊娠の状態になっている時も隙間に入りたがることがあります。
とくに出産を控えたメス犬は、薄暗くて狭い場所を探すようになります。
犬の出産の兆候には、隙間に入りたがったり普段は行かないような場所に行きたがったりする以外にも、床を引っかくなど寝床作りのような行動もあります。
5.老化によって
耳が遠くなったり視力が落ちた老犬もまた、隙間に入ってしまうことがあります。
自分の感覚によって周囲の状況を知ることがあまりできなくなり、不安になって狭い場所を好むようになる場合と、感覚が衰えたために意図せずに狭い場所に入ってしまう場合とがあります。
ただ、狭い場所に入ってしまい出られなくなる老犬も多いので注意しなければなりません。若い時には後ずさりや体を回転させて出られたような場所でも出られなくなってしまうことがあります。
狭い場所に入っては後ずさりができない…といった行動を何度も繰り返す場合は、認知症を発症している可能性もあります。
犬がシニア期に差し掛かったら、柵を設置して危険な箇所をガードするなどの対処を行うと安心です。
まとめ
犬が隙間に入りたがるのは、本能的な理由が関わっていることがわかりました。顔だけ隙間に突っ込んで、お尻が丸見えな姿はとても愛らしいですよね。
ただ、「おかしいな」と感じる場合は体調不良や老化が進んでいる可能性があるので、よく観察を行いましょう。その上で早めに獣医師へ相談してください。また犬が不安や恐怖を感じて安心できる場所を求めた結果、せめて顔だけでもと隙間に顔を突っ込んでいる場合には、犬の不安や恐怖の原因となっているものを突き止めて取り除いてあげましょう。