犬が飼い主に「ありがとう」と感じる時とは?
私たち飼い主は、癒しの存在であり大切なパートナーである愛犬に対して、「ありがとう」と思うことも多いと思います。そうした時、やさしくなでたり「いい子だね」「いつもそばにいてくれてありがとう」などと声をかけたりすることもあるでしょう。
その反対に、犬が飼い主に対して「ありがとう」と感じることがあるのか気になるところですが、残念ながらこの点を明確に証明した実験や研究はないようです。
「うれしい」「楽しい」といった感情は、さまざまな行動や仕草で表現されていますが、「ありがとう」という感謝の表現だと明確にされたものはあまりありません。
ただし、喜びや愛情を伝える表現に感謝の気持ちも含まれている可能性などは十分考えられるため、ここではそうしたサインをピックアップしたいと思います。
1.笑顔で目を見つめる
目を輝かせたり細めたりしながら口角を上げるといった、まるで人間の笑顔のような表情を犬が浮かべることがあります。
こうした明るい笑顔ややわらかな表情を飼い主に向ける時は、「楽しい♪うれしい!」という感情の共有や、「大好き!!」と伝えようとしていることが考えられます。
また、相手をじっと見つめる行為は、知らない相手や敵意を持っている相手であればいわゆる「ガンをつける」行為、つまり喧嘩を売るような行為です。
しかし、飼い主のように信頼している相手にする場合は、愛情を伝えるための行為です。
そのため、飼い主に対して笑顔のような表情でじっと見つめる時は、愛情表現をしており、状況によっては感謝の気持ちが含まれていることもあると考えられます。
愛犬が飼い主の目を見つめてきた時は、やさしくほほえんであげたり、「かわいいね」などと声をかけてあげてください。
ちなみに、信頼関係で結ばれた相手とアイコンタクトを取ると、お互いに脳内で『愛情ホルモン』『幸せホルモン』と呼ばれる「オキシトシン」が分泌されるということもわかっています。
2.近くにきて尻尾を振る
犬が笑顔で飼い主の目を見つめるのと同様に、尻尾を振りながら近づいて来る時も愛情や感謝を伝えていることが考えられます。
とくに遊びに応じた時や、なでてあげた時などはそれに満足して「うれしい!」「ありがとう♪」と伝えてきているのかもしれません。
ただし、尻尾の振り方によって込められている感情が異なるので、しっかりと観察してみましょう。
ポジティブな感情を持っている場合は、尻尾の付け根からブンブンと左右に大きく振ったり、ななめ45度程度に尻尾を上げてゆるやかに左右に振ったりしています。
3.飼い主の手や顔をなめる
犬が飼い主の手や顔を舐めることは、比較的よくあると思いますがその行動にも愛情や感謝などの感情が込められていることがあります。
犬はうれしい時などにテンションが上がった状態で顔をなめることがあるので、特に遊んでもらった時などにこうした行動が見られやすいでしょう。
ただし、特に口元などをなめると犬の口内にある雑菌などが移ってしまう可能性もあるので注意してください。
なめることをすべて禁止する必要はありませんが、できるだけ別の感情表現にするように気をつけることをおすすめします。
なめられたときに大げさに喜んだり騒いだりせず、立ち上がって口元に届かないようにしたりして、ほかの方法でスキンシップやコミュニケーションを取りましょう。
まとめ
犬が「ありがとう」という感謝の気持ちを、飼い主に向けることがあるかということは、正確にはわかっていません。
しかし、飼い主に対して犬が「うれしい・楽しい」という喜びの気持ちを伝えてくる時や、「大好き」という愛情表現をする時には、感謝の気持ちが込められていることもあるのではないかと思います。
愛犬が見せるさまざまなボディランゲージや表情から、ぜひその気持ちを感じ取ってあげてくださいね。