犬がトイレ前に「くるくる」回る行動にも意味がある!?
トイレをする前に、その場でくるくる回る犬は多いです。くるくる回って一旦止まり「いよいよ用を足すのか!?」と思ったら、またくるくる回り始めて飼い主さんをずっこけさせることもあるでしょう。
愛犬がトイレ前にくるくる回るのを不思議に思いながらも、単なるトイレ前のサインとして捉えている飼い主さんも多いかと思います。でもこの行動にも、きちんとした意味があるようです。そこで今回は、犬がトイレ前に「くるくる」回る行動について徹底分析したいと思います。
犬がトイレ前に「くるくる」回るのはどうして?
1.草を踏み固めるため
散歩の途中で愛犬が草の上でくるくる回るときは、トイレをする前に草を踏み固めようとしているのかもしれません。
草が普通に生えている状態だと、お尻などに草が当たって落ち着いて用が足せなかったり、草に当たったおしっこが自分にかかって体が汚れてしまったりする可能性があります。そのため足元の草を踏み固めて、平らにしているのです。これは、草むらで排泄をしていた野生時代の名残と言われています。
2.安全確認をするため
「ここでトイレをしても大丈夫かな?」という安全確認のためにくるくる回っているという説もあり、これも野生時代の名残と言われています。
排泄中は無防備です。そんな状態のときに敵に襲われては大変なので、野生時代の犬たちは排泄前ににおいを嗅ぎながらくるくる回って、周囲の安全を確認していたと考えられています。その名残で、今もくるくる回って安全確認をしてから排泄をするというわけです。
くるくる回っているときに音や気配を感じたり、注目されたりすると安心できず、排泄をやめてしまうケースもあるので、愛犬がくるくる回り始めたらそっとしておいてあげましょう。
3.南北を探すため
チェコのチェコ生命科学大学とドイツのデュースブルク・エッセン大学の研究チームは、2年にわたって37犬種70頭の犬のうんち1893回分、おしっこ5582回分の様子を観察して記録を取りました。
その結果、犬は体を南北の方向に沿わせてうんちをすることが多いということが判明。
地球の磁場が安定しているときに南北の方向に体を沿わせる傾向が強くなり、磁場が不安定だとその傾向が弱くなるといいます。そして磁場の強さに関係なく、東西の方向に体を沿わせてうんちをするのは避ける傾向が見られたそうです。
犬にも渡り鳥のように磁場を感知する能力があると考えられているので、トイレ前にくるくる回るのは、南北の方向を探すための行動なのかもしれません。
現在のところ、なぜ犬がうんちをするときに南北を向きたがるのかは謎のままです。今後研究が進み、謎が解明されることに期待したいですね。
4.ポジションを決めるため
トイレをする位置を決めるために、その場でくるくる回る犬も多いです。くるくる回りながら、おしっこやうんちをするためのベストポジションを決めているのです。
そう言われてみれば、愛犬がくるくる回った後に排泄の体勢になったものの「なんか違う」感や「コレジャナイ」感を出して、また回り始めるなんてことがありませんか?そういうときは、微妙にベストポジションではなかったのかもしれません。
ポジション決めは散歩中だけでなく、トイレトレーの上で行われることもあります。このことを考慮して、くるくる回っても余裕のあるサイズのトイレトレーを選んであげたいですね。
まとめ
今回は、犬がトイレ前に「くるくる」回る行動を徹底分析しました。人からすると不思議で、謎の儀式にも思えるこの行動にも、きちんと意味があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もしかすると、愛犬がうんちをするときに、体が南北に沿っているのか確認してみたいと思っている飼い主さんもいるかもしれません。確認するのなら、太陽が出ているときは磁場が不安定になるそうなので、太陽が出ていないときがおすすめですよ。