犬種によっては日本の気候や住居環境が厳しい犬も
日本では多くの犬種が家族として迎えられていますが、日本の気候はすべての犬種にとって良い環境とは言い難いです。特に、夏場は気温が高く、湿度も高いため、寒い地方で生まれ育った犬種にとっては体調を崩すほど過ごしにくいと言えます。
また、日本の住居環境は、他国に比べて狭い傾向にあり、大きすぎる犬や運動量を多く必要とする犬にとっては、過ごしにくいことが多々あります。
特に都市部では比較的集合住宅が多く見られたり、他の国に比べて小さな家屋が多いため、体格が大きすぎる犬にとってはやや窮屈に感じられるでしょう。
日本で飼うべきではない犬種とは?理由や飼い方を解説
では、具体的に日本では過ごしにくいと考えられている犬種とは、どのような犬種を指すのでしょうか。今回は日本の環境に合っていない3つの犬種を紹介すると共に、その理由と日本で飼う際の注意事項を紹介していきます。
1.グレート・デーン
世界中に存在している犬種の中でも、特に体高があると言われている犬種が『グレート・デーン』です。体重は約45〜90kgと日本の成人とほぼ同じ、あるいはそれ以上の体重を持つほど大きな体格が特徴的です。
そんな体の大きなグレート・デーンにとって、日本でよく見かける住居環境は適していないと言えます。穏やかで優しい物静かな性格のグレート・デーンですが、体に合わない狭い室内では寛ぐことができず、ストレスを溜める生活を送ることになってしまいます。
また、穏やかで優しい性格の子が多いグレート・デーンですが、もちろんしっかりとしたしつけが必要です。体格が大きいため、一般的なしつけでは足りず、ドッグスクールに通わせる必要がありますが、グレート・デーンを受け入れてくれるドッグスクールが他の犬種に比べて少ないことも日本で飼いにくい理由の1つです。
もしも日本でグレート・デーンを飼育する場合は、グレート・デーンほどの体格を持つ犬であっても、窮屈な思いをせず伸び伸びと過ごせる住居環境が必要です。他の犬よりも運動量は多いので、自由に散策できる庭がついていればなお良いでしょう。
また散歩は1日2回、必ず1回1時間以上の散歩が必要となります。走るなどの激しい運動が必要ありませんが、しっかりと歩くことで運動不足を解消してあげることも忘れてはいけません。
2.シベリアン・ハスキー
日本でも度々見られるシベリアン・ハスキーですが、基本的に日本の夏は適していません。冬場は問題なく過ごせますが、高温多湿な環境下では、体調を崩してしまうリスクが高まるため、日本ではあまり飼うことを推奨できない犬種の1つです。
シベリアン・ハスキーは、寒冷地出身の犬種なので寒さには非常に強いですが、暑さには非常に弱い犬種です。大型犬としては長寿の傾向にありますが、それは飼い主さんが皆、しっかりシベリアン・ハスキーに適した環境を徹底して維持しているからでしょう。
シベリアン・ハスキーを日本で飼うべきではない理由は、前述した通り、日本の夏の気候に非常に弱いという点と、多くの運動量を必要とする点です。
1日2回、1回1〜2時間の散歩を必要とするシベリアン・ハスキーは、散歩の時間を割く時間がない日本の現代人の場合は飼いにくい犬種と言えます。散歩だけでなく、休日などを利用して時々ドッグランへ連れて行くなど、しっかりとした運動をさせることも必要です。
また、社交的な犬種ではありますが、しつけに関しては非常に難しい犬種としても有名です。正しく確実にしつけを行わなければいけないため、ドッグスクールに通わせる必要があります。
また、外飼いは控え、室内の温度調節がしやすい場所で飼育するべき犬種です。シベリアン・ハスキーの適温は20℃前後と低く、夏場はエアコンや扇風機を活用して、ハスキー犬にとって過ごしやすい環境づくりを徹底しなければいけません。
3.グレートピレニーズ
ふわふわの大きなグレートピレニーズは、ヨーロッパを中心に人気の高い犬種です。体重は約50〜60kgと超大型犬に分類されるほど大きな体格を持ち、番犬や牧羊犬として活躍する犬種です。
グレートピレニーズが日本で飼いにくいとされている理由は、気候とその体格にあります。もともと寒冷地原産の犬種なので、シベリアン・ハスキー同様、日本の蒸し暑い夏は適していません。暑さで体調を崩してしまうリスクが高いです。
また、番犬や牧羊犬として活躍していた犬種なので、家族や飼い主として認めた相手には従順ですが、それ以外の相手に対しては吠えたり唸ったりといった警戒心を見せることが多いです。
体格も大きいため、日本の比較的狭い住居環境ではストレスを溜める恐れがある上、元々牧羊犬や猟犬として活躍していたため、多くの運動量が必要となります。そのため、日本の環境では飼いにくい犬種と言われています。
もしもグレートピレニーズを日本で飼う場合は、こうした特徴を全てクリアしなければいけません。夏場はしっかりと温度調節を行い、1日2回、1回1時間以上の散歩を行うことは必須です。また、しつけのためにドッグスクールへ通うことも検討する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回紹介した3犬種は、あくまで一例です。また、紹介した3犬種であっても、飼い主がそれぞれの犬種を十分飼育する環境と能力があれば、飼育自体は可能です。
ただし、やはり日本に適していない犬種は、「飼いたい」という気持ちだけで迎えると後に様々な問題が起こることが予測されます。慎重に考え生涯にわたって犬に適した環境を整えることができるかを考えたうえでお迎えすべきでしょう。