️乳歯から永久歯への生え変わり
子犬の成長はあっという間です。生後20日頃から切歯(前歯)が生え始め、ペットショップで販売される生後約2ヵ月頃には、全ての乳歯が生え揃っています。
犬の乳歯は通常28本、永久歯は42本ですが、短頭種や小型犬は顎が小さく歯が密集して生えることから、「欠歯」「埋伏歯」になりやすい傾向があります。「欠歯」は生えてこず、歯茎の中にも埋まっていない歯、「埋伏歯」は生えてこないけれど歯茎の中に埋もれて存在している歯です。
反対に、歯の本数が多い状態を「過剰歯」と言いますが、こちらは全ての犬種に起こり得ます。
️歯が抜けたときの対処法
1.《子犬》フードをふやかして与える
小さな乳歯は、食事と一緒に飲み込んでしまうことが多いようです。仮に飲み込んでしまっても、便と共に排出されるため、健康上の問題はありません。
但し、硬いドッグフードが食べにくく、一時的に食欲が落ちることがあります。
犬の様子を見て、食べこぼしが目立ったり食べることを嫌がるようであれば、フードをぬるま湯でふやかして与えるようにしましょう。
2.《成犬・老犬》動物病院を受診
子犬と違い、成犬・老犬で抜ける歯は永久歯です。
永久歯が抜け落ちるということは、重度の歯周病があったり、大きな衝撃が加わって歯が折れたり、顎の腫瘍があったりと、できるだけ早く動物病院を受診する必要がある場合ばかりでしょう。歯が抜ける以外にも何かしらの症状があるはずです。
犬にとても多い歯周病の別名は『サイレントキラー(忍び寄る殺し屋)』、健康の大敵であり、寿命を縮める侮れない病気です。
細菌が血液中に入り込み、全身の臓器に悪影響を与えます。歯周病にならないようにできればベストなのですが、もし歯茎が赤い、歯石がたくさんついている、口臭がひどい、顎や鼻の周りが腫れている、歯がグラグラしているなど、歯周病やその他の口の中の異常に気付いたら、早めの受診を心がけて下さい。
なお、簡単な歯科処置は多くの動物病院で行われていますが、歯科を得意または専門とする動物病院もあります。
️飼い主が控えるべきNG行為は?
感情的に怒る
歯の生え変わり時期は、違和感や不快感から子犬は何かを噛みたがります。生え変わりの時期ではなくても、身の回りの探索や遊びの一環として物を噛むのは子犬にとって自然なことです。
歯茎がムズムズして物を噛むのは仕方ないことなので、感情的に怒るのは控えましょう。感情的に怒るのは何も効果がないばかりか、子犬と信頼関係を築くのが難しくなります。
代わりに、むずがゆさを和らげ、噛みたい欲求を満たしてあげるには噛むおもちゃが適しています。歯固めとして与えると良いですよ♡大きさや硬さなど、様々な物が売られていますので、愛犬の体格や性格に合ったものを選んであげましょう。
「乳歯遺残」をそのままにする
適切な時期に乳歯が抜け落ちず、永久歯が生えても口内に乳歯が残っている状態を「乳歯遺残」と呼びます。
放置すると不正咬合(ふせいこうごう)の原因となり、頬の粘膜や口蓋を傷つけてしまいやすくなります。
「犬は歯が抜けても大丈夫」と放置する
「犬は食べ物を丸飲みするから、歯が抜けても大丈夫」と、成犬や老犬で歯が抜けた場合に放置してしまうのはいけません。成犬や老犬で歯が抜ける場合には、上で説明したように、何か大きな病気や事故が関係しています。歯が抜けてしまうほどの歯周病や腫瘍などをさらに放置すると、顎や鼻、顔全体にも悪影響を及ぼします。
️デンタルケアに犬用ガムも活用しましょう
歯の生え変わり時期には噛むおもちゃを与えたり、普段から歯磨きをして歯周病を予防したりと、状況にあった「デンタルケア」が大切です。デンタルケアには、歯磨きの補助として、犬用ガムを取り入れてみましょう。
- 1.目的にあった原材料
- 2.横に咥えて口から数ccm飛び出す長さ
- 3.長持ちする硬さ
上記3点を考慮して選ぶと良いでしょう。「おやつ用」と「デンタルケア用」では、成分やカロリーなどが異なります。
選ぶ際、間違えないように注意しましょう。
私の家では、歯磨き用として、ねじり形状の低カロリーガムを食べさせています。
丸飲みすると危険なので、犬から目を離さず、食べ終わるまでの間、飼い主が手に持ちながら与えると安心です。
️まとめ
犬の抜けた乳歯は、見つけるのが難しいレアな代物♪
多くの場合犬が自分で飲み込んでしまいますし、小さいために見つけるのが難しいのですが、運良く見つけられたらお守りとしてケースに入れ、大事に保管しておく方もいるようです。我が家も2本だけ、記念として残しています。
成犬の歯が抜けるのは一大事です。
万が一歯のグラつきを感じたら、手遅れになる前に、気付いたタイミングで早めに病院に行くことをおすすめします。