犬は元々警戒心の強い野生動物だった!
皆さんの愛犬は、普段どのように過ごしていますか。一緒に暮らしていると、家族のような感覚を抱く飼い主さんは多いですよね。
しかし、元々犬は野生動物として群れで暮らしていた動物です。そのため、今でこそ人間に対して友好的な態度をとる犬が多いですが、本来は警戒心が強く、自分の身や仲間、家族の身を守るためならば攻撃的な行動をとることもありました。
そんな他の野生動物と同じような習性や野生本能は、現代の犬にも多く受け継がれています。それは、犬が過ごしやすくなった現在の生活環境にも影響しているのです。
犬が過ごす部屋はどのくらいの明るさがいいの?
犬が過ごす生活環境に、野生本能や本来持っている習性を考慮した環境を取り入れることで、犬が快適に過ごすことができるようになります。例えば、警戒心を刺激しないように、犬が過ごすケージは外の音が聞こえやすい道路に面した場所を避けるべきという話は有名です。
このように、ちょっとした工夫で犬の過ごしやすさが変わるので、飼い主としては快適に過ごしてもらうため、できる限りの事はしてあげたいですよね
では、犬が過ごす部屋の明るさはどうでしょうか。野生動物の本能や習性を考慮すると、明るい場所よりも暗い場所の方がいいのかな、とも思えますが…。
1.本来は明るい場所よりも暗い場所を好む
野生動物として暮らしていた頃の犬たちは、基本的に地面に穴ぐらを掘り、寝床としていたと考えられています。その場所で眠ることはもちろん、食事をしたり、出産育児をしたりしていたと言われています。
穴ぐらは、いわば地下なので、閉鎖的で暗く、狭い場所であることが想像つきます。つまり、犬たちにとって、本来はこのような場所が最も安心感があり、居心地の良い場所なのです。
したがって、犬は本来、明るい場所よりも暗い場所を好みます。暗い場所の方が、元々過ごしていた穴ぐらの環境に近いですし、敵に見つかりにくいという点も安心感に繋がるからです。
犬を飼っている人の中には、愛犬が不安や恐怖を感じた時、暗くて狭い場所に隠れる姿を見たことがある人もいるのではないでしょうか。これは、暗くて狭い場所が穴ぐらに環境が似ていて、安心感を得ることができるからです。
2.暗い場所が好きだけれど明るい場所が苦手なわけではない
犬はより暗い場所を好むと紹介しましたが、決して明るい場所を苦手と感じているわけではありません。実際、朝に散歩へ行っても楽しそうに歩いていますし、夜になって室内を電気で明るくしていても、暮らしにくそうにはしていませんよね。
そのため、愛犬が暗い場所を好むのならと、飼い主の生活をおざなりにしてまで部屋を真っ暗にしたり、四六時中暗い環境を提供してあげる必要はありません。
もしも気になるようであれば、明るい室内にドーム型のベッドを置いてあげるなど工夫してあげると、本来の生活環境である穴ぐらのような安心感を与えてあげられるでしょう。
犬の暮らしやすい環境は犬によっても違う
ここまで犬は明るい場所よりも暗い場所の方が好きという話を展開してきましたが、現代の犬たちは、生まれた時から人間と共に暮らしてきているため、ある程度は人間の生活に近い環境の好む子も多いです。
犬の中には、普段から明るい部屋で過ごしているため、暗い環境では違和感を感じ、かえって不安を増幅させてしまう子もいます。
特に留守番中は、普段飼い主と過ごしている環境を再現してあげるのが良いと言われています。飼い主と明るい部屋で過ごしているようであれば、留守番中も明るい環境を維持してあげる方が、安心して留守番できるのです。
したがって、基本的にはその子に合った明るさに調節してあげて、休んでいる時や就寝中は、安心して眠れるように暗くしてあげるなど、その時々にあった明るさを考えてあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。元々穴ぐらで暮らしていた犬たちにとって、明るい場所よりも暗い場所の方が落ち着く傾向にあります。
しかし、人間との共存生活も長いため、明るい環境に適応している犬も多いです。愛犬の様子や普段の生活環境を考慮して、部屋の明るさを調節してあげると良いでしょう。