健康な歯茎はピンク色!
健康な犬の歯茎の色は、全体的にきれいなピンク色です。そして程よく弾力があり、唾液で湿った状態で、艶やかな見た目をしています。
しかし、個々によって歯茎の色や状態が多少異なります。とくに柴犬やゴールデンレトリバー、チワワ、ダックスフンドなどは生まれつき歯茎の色が黒い、または成長とともに黒くなりやすい犬種なので、日頃から愛犬の口の中を観察して歯茎の色や状態を知っておくことがとても大切になります。そうすることで、病気の早期発見・早期治療につながります。
危険な状態4選!愛犬の歯茎を確かめよう
犬の体調や口内トラブルを確認するには、歯茎を見てみましょう。歯茎が下記でご紹介するような色や状態の場合、なにかしらの病気が隠れているかもしれません。考えられる病気や症状をご紹介します。
①歯茎の色が白い
歯茎の色が白い場合、考えられる病気として「貧血」や「低栄養素」などが考えられます。病気の初期症状として「歯茎が白い」ことが挙げられる場合もあるので、さまざまな病気の可能性を調べる必要があります。動物病院にて検査を行い、治療することで改善が望めます。
②歯茎に黒い部分がある
歯茎が黒く膨れ上がっていたり、軽く触ってしこりのようなものが確認できた場合は「メラノーマ(悪性黒色腫)」が考えられます。犬は良性と悪性のメラノーマがありますが、悪性の場合は唇や口の中に発生し、急激に増殖して他の臓器への転移も多くみられます。命に関わる、恐ろしい病気です。
メラノーマの治療は、周りの健康な組織も含めて大きく切除しなければなりません。しかし歯茎にできた場合は完全に切除することができないこともあるため、予後は良くないといわれています。
③歯茎から出血している
歯茎から血が出ている場合、「歯肉炎」や「歯周炎」などの歯周病かもしれません。
歯肉炎は歯茎に発赤や炎症がみられ、症状が悪化すると出血もみられます。歯肉炎を放置すると細菌が増殖し、歯周ポケットという深い溝が形成されます。このポケットの中に歯石や歯垢が沈着し、炎症がさらに深いところに進むと歯を保持することができなくなります。つまり、歯が抜けてしまいます。
悪化すると歯槽骨に炎症が及び骨が解けてしまう場合もあります。歯周病が悪化すると歯の問題だけでなく、腎臓や心臓などの全身に問題が及ぶこともあります。
④歯茎にできものができている
歯茎にできものができている場合、「エプリス」などが考えられます。
エプリスは歯肉が増殖した良性腫瘍で、線維腫性、棘細胞性、骨性の3種類に分かれます。乳糖腫は口の中の粘膜や口蓋などにカリフラワー状のブツブツしたものが複数あらわれます。いずれも良性腫瘍なので転移の心配はなく、治療すれば予後も良好です。
危険な状態にならないために
歯茎による病気は、飼い主さんの早期発見によって早期治療することができます。歯茎の色や状態をチェックし、少しでも異常がみられたらすぐに動物病院で相談してみましょう。
下記のような症状がみられる場合は、歯茎に何か異常があるのかもと疑ってみてください。
- ご飯を食べずらそうにしている
- ご飯を食べようとしない
- 頻繁に食べ物をこぼす
- 口の中を気にするような仕草をする
- よだれが増える
- よだれに血が混じっている
- 飼い主さんが口周りを触ろうとすると嫌がる
- 口臭がきつい
一番のオススメは、毎日のハミガキです。歯をキレイにするだけでなく歯や歯茎、舌などの口の中をチェックすることができます。また愛犬とのコミュニケーションにもなって、良いことだらけです。
まとめ
犬の体調は、歯茎に顕著にあらわれます。大事な歯が抜けて愛犬が不自由な思いをしたり、大好きなオヤツを思いっきり食べることができなくなるなんて、とても悲しいですよね。日頃から歯茎や舌など口の中をチェックすることで、愛犬の体調の変化にすぐ気付くことができます。愛犬の健康は飼い主さんが予防してあげましょう。