老犬がお漏らしをしてしまう原因6選
犬が歳を取るスピードは人間よりも早く、犬種によって誤差はありますが最初の1年で人間の14~20歳程度の成犬に。その後は1年ごとに4歳程度のスピードで年を重ねていきます。
7年以上生きると「老犬」にあたる年齢になり、徐々にお漏らしといった身体的な衰えが目につくようになります。
犬のお漏らしにはさまざまな原因があり、中には病気が関係していることもあるので注意しなければなりません。
もし愛犬のお漏らしを発見したら「老犬だから仕方ない」と片付けずに、次のような原因に心当たりがないか検証してみてください。
1.筋肉の衰えによるもの
犬も年齢を重ねるごとに全身の筋肉が衰えていきます。とくに老犬になると泌尿器系の筋力が弱まっていくため、犬の意思と反してお漏らしをしてしまう機会が増えていきます。
あとは足腰の筋力の衰えにより、トイレに向かう途中にお漏らししたり、踏ん張る体勢がつらくて失敗するケースも。
認知症の症状がない犬であれば、おそらく不本意なお漏らしなはずです。
2.慢性腎不全
老犬のお漏らしの原因として「慢性腎不全」という病気も疑われます。
慢性腎不全の特徴としては、尿の色が薄くなる、尿の回数が増えるなどがあげられます。
単なるお漏らしと受け取ってしまいやすく、早期に見つけるのがなかなか難しいです。
しかし腎臓機能の衰えが原因でお漏らしをする場合は、早期治療が望まれます。
愛犬がお漏らしをしたら色や回数の観察を行い、早めに獣医師へ相談しましょう。病院を受診するときにできるだけ新しい尿を持参するとスムーズに検査ができます。
3.避妊や去勢手術による膀胱疾患
老犬の尿失禁は、過去に行った避妊や去勢手術が一因になる場合もあります。
ホルモンバランスの変化により外尿道括約筋が衰えてしまい、就寝時に尿漏れが起こります。
犬自身も気が付いたら尿が出ているという状態なので驚いてしまうこともあります。
このような疾患のほかにも、膀胱炎、尿結石などの病気である可能性もあります。
4.糖尿病
犬が水を異常にがぶ飲みするようになったら「糖尿病」の疑いがあります。
高血糖を引き起こしていると、血管内に多くのブドウ糖が存在するため血管内と血管外の浸透圧バランスが悪くなります。そのため、血管外の細胞から水分を取り込み血管内の水分量が多くなり、多尿の原因になります。尿の量が多くなると脱水を是正するため多飲になります。
水を異常に飲むようになったり、異常な食欲が見られるようになったら早期に獣医師へ相談してください。
5.認知症
加齢とともに認知能力が衰えてしまい、老犬も認知症になることがあります。
お漏らし以外にも次のような異常行動が見られるのが特徴です。
- 夜鳴き
- 呼びかけに反応しない
- 食事を求め続ける
糖尿病になると白内障や腎症などの合併症を引き起こしやすくなるため、早期治療が望ましいとされています。
6.目や耳の衰えによるもの
もし愛犬がお漏らしをするようになったら、目や耳の衰えもチェックしてみてください。成犬のときのように、トイレの場所が判断できなくなっているかもしれません。
壁にぶつかったり、つまずきやすくなったら愛犬がトイレしやすくなるような生活環境の工夫をしてあげましょう。
老犬がお漏らしするようになった時の対策
愛犬がお漏らしをするほど高齢犬になった事実を受け止めるのは、飼い主さんとしてはショックかもしれません。
そしてお漏らしが始まると後処理が大変になるのも事実です。
真っ先に行いたい老犬のお漏らし対策としては「ペット用オムツ」の利用です。
最初は犬も飼い主さんも抵抗があるかもしれませんが、オムツを着用すれば後処理の世話とイライラする回数がうんと軽減します。
疲れている時にお漏らしをされるとつい怒りたくもなりますが、そんな時は思い通りにならない愛犬の気持ちに寄り添い、受け止めることが大切です。そのためにも、オムツのようなアイテムを取り入れていきましょう。
部屋の中でのケガや転倒を防ぐために、サークルで囲い、足腰に優しいクッションマットを敷くなど快適な空間作りを心がけてみてください。
まとめ
老犬のお漏らしには原因があり、病気であるケースもあります。
何度かお漏らしが見られるようになったり、異常行動や気になる症状があれば早期に獣医師に相談することが重要です。
高齢を迎えた犬との暮らしは大変な面が増えますが、少しでも楽しい時間を一緒に過ごせるよう対策を行ってみてください。