犬のドライアイ、罹りやすい犬種やリスク要因についてのリサーチ

犬のドライアイ、罹りやすい犬種やリスク要因についてのリサーチ

イギリスで犬のドライアイを調査する大規模なリサーチが行われました。どのような要因を持っている犬がドライアイになりやすいのか、ご紹介します。

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犬もドライアイになる

目薬を点眼中の犬

ドライアイは現代人の多くを悩ませる目の病気です。涙の量が不足したり涙の質が低下して、目が疲れたり目の表面に傷がついたりします。

スマホやパソコンなど目を酷使することが多い私たち人間とドライアイは縁の切れない厄介な関係ですが、実は犬もドライアイ、正確には乾性角結膜炎に罹ります。

イギリスの王立獣医科大学は、国内の動物病院と連動して運営している大規模症例データベースVetCompassを使用して犬のドライアイに関する大規模なリサーチを実施しました。犬のドライアイの研究としては過去最大のものだそうです。

どの犬種がドライアイになりやすい?

ベージュのアメリカンコッカースパニエル

リサーチに使われたデータは2013年の症例データで、イギリスの動物病院で診察を受けた363,898頭の犬のうち乾性角結膜炎の症例は1456件でした。有病率は0.4%、250頭に1頭の割合になります。

雑種犬を比較対象として比べた場合、犬種別にはっきりとした傾向がありました。症例数が多かった犬種は以下の通りでした。

  • アメリカンコッカースパニエル 5.9%
  • ウエストハイランドホワイトテリア 2.21%
  • キャパリアキングチャールズスパニエル 1.91%
  • ラサアプソ 1.86%
  • イングリッシュブルドッグ 1.82%

また雑種犬のドライアイリスクを1とした場合、リスク数値の高かった犬種は以下の通りです。

  • アメリカンコッカースパニエル 52.33
  • イングリッシュブルドッグ 37.95
  • パグ 22.09
  • ラサアプソ 21.58
  • キャバリアキングチャールズスパニエル 19.79

反対に雑種犬と比較してドライアイのリスクが低いのはラブラドール0.23 とボーダーコリー0.30でした。

目がくりっと大きい犬種が多いのは納得ですが、アメリカンコッカースパニエルが飛び抜けて高いのが驚きです。

他にはどんな要因がある?

キャバリアの顔のアップ

犬種の他にもいくつか、はっきりとしたリスク要因の傾向がありました。

ブルドッグやパグなど短頭種の犬は標準的なマズルの長さの犬種と比較するとドライアイのリスクが3.63倍でした。目が飛び出しているので、これはよく分かるリスクです。スパニエル種は他の犬種と比較してドライアイのリスクは3.03倍でした。

体重が重い犬種においては、犬種の平均体重よりも重い犬は、犬種の平均体重を下回る犬と比較してリスクが1.25倍でした。また体重の軽い犬種グループの犬は全体的にドライアイのリスクが高めになっていました。

具体的には体重が10〜20kgの犬種グループは、体重30〜40kgのグループと比較するとリスクが5.49倍も高くなって、犬も年齢が進むほどに目が乾きやすくなり、12歳以上の犬は3歳未満の犬と比較してドライアイのリスクは29.44倍になっていました。

研究者は、犬の定期検診時に涙液分泌テストを行うことについて、ドライアイの予防と早期治療に役立つと推奨しています。また素因の高い犬種での繁殖時の眼科検査が極端な顔の形状を改善していく繁殖戦略に役立つ可能性にも言及しています。

まとめ

犬の目のアップ

イギリスの王立獣医科大学が行った犬のドライアイに関するリスク因子のリサーチ結果をご紹介しました。

愛犬が高リスクグループの犬種に入っていたという方は、定期検診の折に目も検査してもらうなどの対応ができそうですね。

ドライアイというと軽く考えがちですが、目の痛みや疲れは生活の質を大きく低下させます。予防は治療よりもずっと簡単ですので、愛犬の目のチェックを意識してまいりましょう。

《参考URL》
https://doi.org/10.1111/jsap.13382

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