必ず見極めて!犬が本気で怒っている時に見せる行動や仕草5選

必ず見極めて!犬が本気で怒っている時に見せる行動や仕草5選

犬は、警戒心さには大きな犬種差や個体さがありますが、自分や仲間の安全が脅かされている、脅かされている可能性があると思った時に、警戒心をあらわにします。現代の人間社会の中で暮らしている犬であっても、性格や状況によっては本気で怒り、様々な行動で相手に警告し、それでもなお相手が去らなかったら攻撃してくることもあります。今回は犬が本気で怒っている時に見せる行動や仕草を紹介するので、犬の行動や心理を知るためには必須のこととして覚えておきましょう。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬には警戒心が必要です

威嚇する犬

今でこそ人間と長く共存し、人懐っこい子も多い犬たちですが、野生動物であれば生き残っていくために警戒心は必要ですし、現代の犬も警戒心を持つことがあります。警戒心の強さは犬によって様々で、普段何かを警戒する様子を全く見せない犬から見慣れない物は全て警戒する子まで様々です。

警戒心というのは、自分や仲間が生き残るために、自分の身体や縄張り、餌などを守るために必要なものであって、自分や仲間に危害を加えられそうな時、自分の縄張りや餌などが奪われそうな時に、警戒心をあらわにします。

犬の場合、犬種によって警戒心が強いことと弱いことのどちらを良しとして繁殖されてきたかが違いますので、警戒心の強さ弱さには犬種ごとの傾向があります。例えば、見知らぬ人に対して警戒心の弱い犬には番犬は務まらないので、番犬や護衛犬として使われてきた歴史のある犬種では、家族以外の人に対して警戒心を持つ犬が今でも多くいます。どんな性格の犬でも、飼い主によって不必要な警戒行動や攻撃行動は抑えられるべきですが、犬のためにも人間のためにも、犬が本気で怒っている時の行動や仕草、攻撃行動に移る可能性のある前段階の行動を覚えておきましょう。

犬が本気で怒っている時に見せる行動や仕草5選

散歩中に吠える犬

犬が本気で怒る時とは、自分や仲間の身に迫る危険に対して警戒している時、相手にそれ以上近づかないように、今やっていることをやめるように警告している時です。犬がこの段階の行動を起こしている場合、飼い主はすぐに察知し、相手から遠ざけたり相手に遠ざかってもらう必要があります。ここでは犬が本気で怒っている時に見せる行動や仕草を紹介します。

ただし、犬が本気で警戒し、相手への警告を始める前には、必ず「嫌だな、やめて欲しいな」という気持ちを表しているはずです。相手に警告する前の段階でのそれらの行動や仕草は、よく「ガーミングシグナル」と呼ばれていて、目や顔を相手からそらす、体をふるわせる、口元や鼻をなめる、などの行動があります。

例えば、遊ぼうと近寄ってきた犬や「かわいい~」と言いながら近寄ってきた人に対して犬がこのような行動をとっていたら、犬はその犬や人を嫌がっていると考えられます。飼い主は無理にその犬と遊ばせようとしたり人になでさせたりするのではなく、その犬や人に遠ざかってもらうようにしましょう。実際に犬が相手に警告する前に、犬が嫌だと思っていることに気づき、相手に遠ざかってもらうことが飼い主の役目です。

1.うなり声を出す

犬が本気で怒っている時に見せる行動として、最も有名な行動の1つでしょう。相手に「ヴ〜」と低い声で唸ることで、「それ以上近づいたら攻撃するぞ」と、相手に警告しています。

唸る行動が出ている場合には、次に紹介するような歯を剥き出しにしたり耳が後ろに倒れていたり、鼻にシワを寄せたりといった仕草、表情が同時に見られます。時折、怒っているわけではないけれど特定の状況で低いうなり声のような声を出す犬もいるので、怒っているのかいないのかを判断する際には、声だけではなくそのような仕草、表情があるかどうかにも注目してみてください。

2.歯を剥き出す

歯を剥き出して唸る犬

犬が本気で怒っている時、唸りながら歯を剥き出していることが多いです。これは、武器である犬歯を剝き出しにして見せることで、「それ以上近づいたら噛みつくぞ」という警告をしていることになります。

怒っている時以外に歯を剝き出すことは滅多にないので、本気で怒っているかいないかを見極める時の分かりやすいポイントとなるでしょう。

ただし、犬が歯を剥き出しにして相手に警告している時は、そこに至るまでに犬からの様々な「嫌だ、やめて」のサインが出ているはずです。それを見逃さず、犬がここまでの行動に至らないようにすることが大事です。

3.耳が後ろに倒れている

これは犬が「嫌だ、やめて、ここから去りたい、怖い」などと思っている時、早い段階から出るサインの1つです。犬は相手に対して恐怖や不安を感じていたり、今置かれている状況で緊張を感じている時に、耳が後ろに倒れます。垂れ耳の犬であれば、耳がいつもより後ろに向きます。

唸ったり歯を剥き出ししたり鼻にシワを寄せる前に、耳が後ろに倒れますので、この時点で飼い主は相手の犬や人から愛犬を遠ざけておきましょう。

4.鼻の頭にシワを寄せる

唸る犬

犬が鼻の頭にシワを寄せるのも、危険を感じ相手に近づくなと警告している時のサインです。

唸り声をあげながら鼻の頭にシワを寄せる場合も、何の声も発さずに鼻の頭にシワを寄せている場合もあります。この時ももちろん、耳の位置や体全体の姿勢など、他にも犬からの「嫌だ、あっち行け」のサインが出ているはずです。もしも他の犬や人に対してこの様子を見せている時は、その対象から距離をとるようにしてください。

5.前かがみになりジッと相手を見つめる

これは、警告から攻撃へと移る最終段階の行動です。遊びに誘う時も前かがみの姿勢(プレイバウ)を見せることがありますが、攻撃の前段階としての前かがみの姿勢とは全く違います。プレイバウではしっぽは高くあげて軽やかに振りますが、怒っている時はしっぽは下に垂れ、振っているとしても動きにかたさがあります。また、耳の位置や動き、顔の表情なども全く違いますので、プレイバウと攻撃の前段階としての前段階の姿勢の両方を見たことがあれば、その違いは明らかなはずです。

前かがみになり、ジッと相手を見つめている時は、犬が最大限に警戒し、いつ攻撃をしてきてもおかしくない状況です。

ここまでの行動をとるに至ってしまった犬がいる場合には、犬を刺激するような行動(大声を出す、近づいて追い払おうとするなど)はせず、犬とは絶対に目をあわせず、背中を向けず、声を発せずに、静かに少しずつ距離をとりましょう。

まとめ

犬の喧嘩を止める男性

いかがでしたでしょうか。犬は自分や仲間の身や財産(縄張りや食べ物)を守るために、危険を感じた相手には警戒心をあらわにし、警告行動を見せます。また、犬同士でも遊んでいる最中に相手がやり過ぎた場合にけんかになることもありますし、自分が関係のないはずのけんかに突っ込んでいく犬もいます。飼い主は自分の愛犬の性格をよく把握し、犬の「嫌だな」という思いにすぐ気づいて状況を変えてあげられるような存在になりましょう。また、興奮しやすい性格の犬の飼い主は、自分の愛犬が興奮する状況を把握し、そのような場所には連れていかない、自分の犬が興奮しそうな状況になったらすぐその場を離れることができるように努めましょう。

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