コロナ禍の後の犬のお留守番のために
コロナ禍のために自宅待機や在宅勤務などで家にいる時間が長くなったために犬を家族に迎えた人、以前から飼っていた犬との時間が増えた人にとって通常の勤務形態に戻ることは「愛犬のお留守番」という大きなハードルが待っていることを意味します。
イギリスでも「パンデミック後の犬の留守番」は、しばしば色々なメディアで取り上げられているテーマです。
そのような状況の中、イギリスの保険会社コンペア・ザ・マーケット社が犬の飼い主1000人を対象にして、仕事に戻った時の犬の留守番プランや過去の留守番時の失敗談などについてのアンケート調査と、留守番時の犬の心拍数を測る簡単な実験を実施しました。
留守番中の犬の行動、家屋へのダメージ
コロナ禍の最中に家に迎えられたために留守番の経験のない犬や、長い間留守番から解放されていた犬の飼い主さんにとって、最も不安なことは留守番中の犬の行動についてでしょう。
中でも家屋に対してダメージを与えることは、それ自体も困ったことですし犬の安全面でも心配です。
飼い主が考える、犬の困った行動の1位は「掘り返し」で「過度の吠え」「破壊行動」が続きました。家へのダメージで一番多かったのは「庭の草花を掘り返してしまう」「衣服や靴を噛む」「家具や床の上での粗相」でした。
庭への被害を挙げている人が多いのは、ガーデニングが盛んなイギリスらしい感じがしますね。
犬が引き起こしたダメージにかかった修理費用の平均は年間165ポンド(日本円にして約2万5千円)でした。生涯の平均修理費用は約2000ポンド(約30万円)となっています。
家屋へのダメージに対する質問項目が多いのは、犬によるダメージをカバーする保険を扱っている保険会社だからという面があります。
また飼い主の出勤時に犬を完全に単独で留守番させると答えた人は36%で、デイケア、ペットシッター、ドッグウォーカーのどれかを頼むつもりだという回答が多数を占めました。これらの利用は週3回という回答が一番多いものでした。
犬のお留守番に適している部屋はどこ?
この会社による発表でさらに興味深いのは、複数の犬に心拍数を測定できるスマートカラーを装着して、どの部屋で留守番している時に犬が落ち着いているか、また反対に避ける場所はどこかを調べた実験の結果です。
研究機関による実験ではないので簡易的なものなのですが、かなりはっきりとした結果が出たようです。
犬たちは自宅で安静にしている時の心拍数を測定されました。安静時の平均心拍数は68.2BPMで、これをベースラインとして心拍数の変化が最も少なかった部屋が犬にとって快適であると見なしました。
犬が留守番をしている時に心拍数の変化が一番少なかった場所はキッチンでした。犬たちの平均心拍数は71.2BPMでした。次にリビングルームが続き、こちらの平均心拍数は71.8BPMでした。
キッチンは食べ物に関連し、リビングルームは飼い主に寄り添う場所として、犬にとってポジティブな印象とつながっているからだと考えられます。
反対に犬の心拍数が最も高くなった=犬にとって快適ではない場所は寝室で平均心拍数は100.4BPMとなりました。次に高かったのは玄関ポーチで99.8BPMでした。
寝室については、犬は飼い主が睡眠のためだけに使う部屋だと知っているので自分だけがそこに残されると混乱するのではないかと考えられます。玄関ポーチは犬が普段過ごす場所ではないことと、外の音や訪問者など刺激が多すぎるため不快に感じるのだと思われます。
これらの結果から考えると、お留守番時は破壊されては困るものや誤飲しそうなものを片付けたリビングルームまたはキッチンが最適なようですね。
まとめ
イギリスの保険会社が実施した調査から、犬はお留守番の時にキッチンまたはリビングルームに居るのを快適に感じ、寝室や玄関では落ち着かず不安である可能性が高いという結果をご紹介しました。
留守番中は犬が少しでも安心して待っていられるようにしたいのはどの飼い主さんも同じでしょう。不安があると破壊行動なども増えてしまうので、犬の安全快適は犬のためにも人のためにも重要だと言えますね。
《参考URL》
https://www.comparethemarket.com/home-insurance/content/dog-proof-your-home/