知ってる？日本ではあまり見ない珍しい犬種5選
世界最大の犬団体で各国の犬団体の統括をしているFCIには2021年4月現在、354の犬種が公認されています。FCIに加盟している日本のジャパンケネルクラブ（JKC）にはそのうち、約200犬種の犬が登録されているそうです。その中には、日本では普段あまり見かけることのない珍しい犬種も多く存在しています。今回は、そんな日本ではあまり見ない珍しい犬種を5例紹介します。
1.ブービエ・デ・フランダース
ブービエ・デ・フランダースは、ベルギーとフランスの国境にあるフランドルという地方原産の犬種です。
ブービエ・デ・『フランダース』という名前から「聞き覚えがある」と感じる人もいるのではないでしょうか。そうです。あの名作『フランダースの犬』のパトラッシュのモデルとなった犬種と言われています（アニメでは別の犬種で描かれています）。
農業や牧畜が盛んな地域で、牧畜犬や運搬犬、警護犬として働いていた犬で、飼い主や家族に対してとても愛情深く、忠実な性格の子が多く、基本的に穏やかで落ち着いた様子を見せます。賢く我慢強い性格から、今でも番犬や警察犬として活躍している犬種だそうです。
2020年のJKC登録数は４頭です。
2.ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
ジャーマン・ショートヘアード・ポインターは、ドイツ原産の犬種です。猟犬としての本能がいまだ強く残っている犬種で、名前はポインターですが、その枠を超えて様々なタイプの狩猟で多くの場面で活躍できる能力を持つ(追跡、ポイント、フラッシュ、回収など)犬種と言われています。
全体的に引き締まった体つきがかっこいいいと世界では人気が高く、狩猟をしていない人が飼っている場合には、その身体能力の高さから『トラッキング』（足跡追及）や『ノーズワーク』などのドッグスポーツでも活躍しているようです。
猟犬としての性質を理解した上できちんとしつけを行い、十分な運動と遊びをさせることが必須です。基本的には明るく落ち着いた性格を保つ子が多く、飼い主に対して忠実な性質が強く見られます。並外れた運動量が必要で作業意欲も旺盛なため単なるペットには向かず、日本ではあまり見かけることがありません。
2020年のJKC登録数は2頭ですが、JKCへの登録がない実際に猟に使われているジャーマン・ショートヘアード・ポインターやその血が入った犬もいるそうです。
3.アフガン・ハウンド
アフガニスタン原産のアフガン・ハウンドは、現在確認されている犬種の中で最古の犬種の一つと言われています。旧約聖書に登場する『ノアの箱舟』に乗っていた犬はアフガン・ハウンドだとされています。
現在はサイトハウンドに分類されていますが、非常に厳しい自然環境の中で護衛犬、牧畜犬、狩猟犬として働いてきた歴史があり、独立心が強く、マイペースで頑固という性格を理解していない人には非常に扱いづらい性格をしている犬種のため、誰にでも飼える犬種ではありません。基本的には、犬をよく知っていてアフガン・ハウンドの性格をよく理解し、かつコートのお手入れもしっかりできる人だけが飼える犬種です。
しかし、そのような方がきちんとしつけをし、共に暮らしていくことで、本来の友好的な性格や忠実な性格が顔を出すため、そのギャップに愛おしさを感じる愛好家も多いようです。
2020年のJKC登録数は42頭です。
4.サルーキ
スタイリッシュで上品な見た目を持つサルーキも歴史がとても古く、先ほどのアフガン・ハウンドと並び、現存する犬種の中で最古の犬種の一つだと考えられています。紀元前6000年以上前の遺跡から、サルーキによく似た犬の彫刻が見つかっているそうです。
エジプト王家でも寵愛されていた犬種であり、古代エジプトのファラオの墓からサルーキのミイラも発見されています。また、アラブの人々はサルーキをアラーの神からの贈り物と考えており、今でもとても大切に扱われています。
性格は物静かで落ち着いている子が多いですが、基本的に人に対して媚びることはありません。ただし、飼い主に対する忠誠心は非常に強く、気高く頑固な一面を持ちながら、きちんと飼い主の側に居続けます。
2020年のJKC登録数は108頭です。
5.チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
小さく遊び好きなチャイニーズ・クレステッド・ドッグの原産地については今でも諸説あり、公式には名前の通り中国原産とされていますが、メキシコ説やアフリカ説もあります。ただ、メキシコのショロイツクインツレ（メキシカン・ヘアレス・ドッグ）とペルービアン・ヘアレス・ドッグと同じ無毛遺伝子を持っていることが分かっています。一説ではチワワの祖先とも言われています。また、全てのチャイニーズ・クレステッド・ドッグで無毛の部位があるのではなく、無毛部のあるヘアレスタイプとほぼ全身が被毛でおおわれているパウダーパフタイプの2タイプがいます。
ヘアレスタイプの方がその特徴的な見た目から認知度が高く、頭と足先、尻尾の先のみに毛が生えています。無毛部の皮膚を傷つけるような行動や乾燥、紫外線には特に注意しなければいけません。
性格は活発で遊ぶことが大好きな明るい犬種です。家族に対して深い愛情を持ち、攻撃性も弱いようです。
2020年のJKC登録数は190頭です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回紹介した犬種は、日本国内ではあまり見られない犬種ばかりです。世界には、まだまだ珍しい犬種が多くいるので、ぜひ興味のある方は調べてみてくださいね！
