犬にとっては逆効果?ストレスを与えてしまっている『NGお世話』4選

犬にとっては逆効果?ストレスを与えてしまっている『NGお世話』4選

愛犬を大切に思ってしていることが、実はその愛犬にとってストレスの原因になってしまっていることがあります。ここでは犬のストレスになってしまうお世話について解説したいと思います。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

1.厳しい環境下での散歩

暑そうに歩くブルドッグ

犬の散歩は毎日欠かさず行うべき大切なお世話です。

散歩には、犬を運動させることで体力や筋力をつけて健康を維持する効果や、さまざまな精神的な刺激を与えて満足感を得させる効果、飼い主以外の人やほかの犬との交流によって社会性を身につけさせる効果などが考えられています。

そのため、基本的に1日2回30分~1時間程度の散歩が推奨されていますが、これを律儀に守りすぎることで犬にとってストレスや負担になってしまうことがあるのです。

犬の散歩をする上で気をつけたいことが、気候です。

雨だからといって散歩をやめる必要はありませんが、あまりにも暑すぎる日や天気が荒れている日は注意が必要です。

夏の日中は熱中症になる可能性があるだけでなく、地面が非常に熱くなっています。地面を“裸足”の状態で歩く犬にとってはやけどなどの危険があるので、夏の散歩は十分に配慮しなければなりません。

陽の高い日中の散歩を避けるだけでなく、陽が落ちた夕方でもアスファルトの場合は熱がこもって熱い状態が続いているので手で触って温度を確認するようにしましょう。

また、寒さに弱い犬種や子犬、老犬の場合は冬の散歩も注意が必要です。

体温調節が苦手なので、室内との温度変化で体に大きな負担がかかってしまうのです。

そのため、できるだけあたたかい時間帯に散歩に出るようにしたり、洋服を着せて体温の維持を行うようにしてください。

雪が降った日や真冬の雨の直後などは、長時間散歩をしていると肉球を傷めたり凍傷のような症状を引き起こしたりするので靴を履かせたり、短い時間で済ませたりして対策をしましょう。

2.過度なお出かけ

トランクとパグ

近年は、犬と一緒に出掛けることができる場所が増えてきています。

公園やアウトドアスポットだけでなく、ショッピングモールやテーマパークに入ることができるところもありますし、ホテルやペンションでお泊りすることもできます。

そのため、留守番させることなく、一緒にお出かけや旅行に連れて行くことができるので、愛犬家にとってはうれしい変化が起きていると言えるでしょう。

ただし、犬にとってはそのお出かけがストレスになってしまうということも覚えておかなければなりません。

確かに飼い主さんといつも一緒にいられることや、色々な場所に出かけることは犬にとっても楽しいことでしょう。

しかし、犬の性格や出かける場所の状況によっては、犬がストレスや不安を感じてしまうこともあります。

特に、お祭りのように騒がしく、人もたくさんいるような場所では犬が恐怖を感じることもあります。

そのため、犬とのお出かけは犬の性格や状況をしっかりと見極めて行うことが大切です。

飼い主さんの「連れて行きたい」という感情のままに動くのではなく、「犬が本当に楽しめる場所か」ということを考えるといいでしょう。

3.強引なグルーミング

ブラッシングされるコッカー

ブラッシングや歯みがき、爪切り、耳掃除など、犬のグルーミングは飼い主にとって大切なお世話のひとつです。

スキンシップを取りながら、飼い主自らの手でボディケアをすることでちょっとした異変に早い段階で気がつくことができますし、清潔さや健康を保つことができるからです。

しかし、「きれいにしなくちゃ!」という気持ちが強すぎて、犬を強引に押さえつけて長い時間ブラッシングを続けたり、必要以上に歯みがきをしたりすることは犬にとって大きなストレスとなります。

もちろん、こうしたグルーミングに慣れていて、完全に身を任せるようなタイプの犬であれば問題ありませんが、強引なケアはストレスになるだけでなくトラブルを招くこともあります。

我慢しきれず飼い主さんの手を噛んでしまったり、グルーミングをしようとしたり捕まえようとしたりすると逃げたり威嚇したりするようになってしまうこともあります。

はじめから完璧なケアを行おうとはせず、毎日少しずつケアを行い徐々に慣らしていくことが大切です。

4.規則正しすぎるスケジュール

犬と時計と食器

毎日きっちり同じ時間にご飯を与えたり、散歩に出かけたりする家庭もあると思いますが、できればその時間帯を少しバラつかせた方がいいと考えられています。

規則正しいタイムスケジュールが必ずしも悪いわけではありませんが、犬がそのタイムスケジュールを体感的に覚えるため、何らかの原因で少しでもズレると不安やストレスを感じることがあります。

そのため、普段から多少のバラつきがあるタイムスケジュールにしておくことで、犬も柔軟な対応ができるようになると考えられているのです。

もちろん、何時間もご飯の時間を遅らせるなどといった極端なことや、毎日必ず違う時間になるように調整するという細かいことはしなくてOKです。

ご飯や散歩の時間が同じ日もあれば違う日もあり、それでも必ずそれらのお世話はしてもらえるということを犬に覚えさせることが必要なのです。

それを知っている犬であれば、飼い主さんのトラブルでスケジュールに大きな変更があったとしても、不安やストレスを感じることなく、安心して待っていられるでしょう。

まとめ

あくびしている犬

犬との散歩やご飯、グルーミング、健康管理は飼い主が行わなければならない大切なお世話です。

しかし、愛犬を大切に思うあまり、過剰なお世話になってしまうことも少なくありません。

それが原因で愛犬にとってストレスになってしまう場合もあるので、愛犬のペースに合わせたお世話を心がけてください。

また、犬のお世話が飼い主さんの負担やストレスにならないよう、肩の力を抜いて無理のない範囲で行ってくださいね。

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