1.安全・快適な室内環境に整える
老犬になると、さまざまな場面で体に負担がかかりやすくなります。そのため、年齢に合わせて快適に生活できるように室内の環境を整えてあげることが大切です。
たとえば、関節が弱くなり若い時以上に床ですべりやすくなってしまうので、カーペットなどを敷いてすべりにくいようにしてあげましょう。
また、ちょっとした段差につまずきやすくなったり、段差を飛び越えることで足腰を痛めてしまったりするので、できるだけ段差のない環境に整えてあげるといいでしょう。
さらに、老犬になると体温調節がうまくできなくなってしまうため、室温や湿度を適切な状態にキープするようにしなければなりません。
特に犬は蒸し暑い季節に体に負担がかかりやすいので、エアコンを上手に使ってください。
また、比較的に寒さに強い犬も老犬になると寒がりになるので、エアコンでの室温調整はもちろん、犬が自分で調整できるように毛布などを用意しておいてあげるとさらにいいと思います。
2. 食事面に気をつける
老犬になると栄養面を気にしてシニア用のドッグフードに切り替える人は多いと思います。年齢を重ねると必要な栄養素が変わってくるため、食事の内容に配慮することはとても大切です。
さらに、栄養面だけでなく食べやすさについても気を配ってあげることをおすすめします。
老犬になると食欲が低下したり、歯が衰えたりすることがあるため、ドライフードをふやかしたりウェットフードを混ぜたりすると食べやすくなるでしょう。
また、床に置かれた食器からご飯を食べる動作がつらくなる場合もありますし、うまく飲み込めない原因になることもあります。負担なく食事ができるように食器台などを利用して、食べやすい状態にしてあげると安心です。
3.静かに休める場所を用意する
犬は飼い主さんと遊んだりスキンシップを取ることが大好きですが、体力が低下しているときは心身をしっかりと休めることも大切です。そのため、部屋の中などでも犬がひとりでゆっくりと休息を取れるスペースを用意してあげてください。
テレビや人が出入りするドアの近くは避けて、寝心地のいいクッションやベッドを置き、そこにいるときはむやみに触ったりせず、安心してゆったりとした時間を過ごせるようにしてあげましょう。
4.犬のペースに合わせた散歩やスキンシップ
老犬になっても散歩をすることはとても大切です。運動をしなければ余計に体力や筋力が低下してしまいますし、外の景色を見たりさまざまな音やにおいを感じることは精神的な刺激になり、精神衛生を健全に保ってくれるからです。また、外に出ることでストレスが解消されることもあります。
ただし、散歩の時間や量は犬の体の負担を考えて決めるようにしましょう。
体力をつけるためだからといって長すぎる散歩をすると、当然のことながら体に負担がかかってしまい、足腰の関節を痛めてしまうことがあります。
また、寒さや暑さが厳しいときは無理に外に出なくてもOKです。体に負担がかかりそうだと考えた時は、状態に合わせて抱っこで庭やベランダに出るだけでもいいですし、カートなどを利用してお出かけするのもいいでしょう。
まとめ
犬は私たち人間に比べて早く年を取ってしまいます。子犬から飼い始めても、シニア期と呼ばれる時期にはあっという間に入ってしまうでしょう。
しかし、近年では犬の寿命も伸びていて、シニア期に入ったあともたっぷり時間があると思います。
シニア期をより快適に過ごしてもらい、健康で長生きしてもらうためには、生活の中でさまざまな工夫や配慮を行うことが大切です。
ここで紹介したことを参考に、愛犬のペースやリズムに合わせて楽しいシニアライフを送らせてあげてくださいね。