1.暑い
人間は暑いと体に汗を掻き、汗が蒸発するときに生じる気化熱によって体温を下げようとします。ですが全身の多くの部分を被毛で覆われているわんこは、人間のように汗腺が発達しておらず、汗をかくことで体温調節を図ることはほとんどしません。
代わりに口を開けて舌を出し、ハッハッと息を吐くことで体温を調節しているのです。この行為を「パンティング」と呼びます。特にマズルの短いパグやフレンチブルドックなどの短吻種は体温調節が苦手なため、この行動がよく見られます。
注意すべきパンティングも
激しく遊んだ後やお散歩から帰った後などの短時間ハアハアとパンティングしているのは、通常の行動なので問題ありません。
ですがパンティングがあまりに激しかったり、長時間にわたっている場合には、体温調節が追いついていない可能性があります。そのまま放置していると熱中症になる恐れもあるので注意が必要です。
2.興奮している
嬉しいときや楽しいとき、気持ちが高まって興奮しているときにも、わんこはハアハアと舌を出します。興奮すると体温が上がりますから、先にご紹介した「暑い」と感じているときと同様に、体温調節を図る狙いがあると考えられます。
とはいえ、無防備に舌を出して目をキラキラさせるわんこの姿は、まるで無邪気に笑っているかのようにも見えて、とても可愛らしく魅力的ですよね。
3.リラックスしている
興奮しているときとは逆に、リラックスしているときにも舌を出します。ただしこのときの舌の出し方はハッハッというパンティングを伴うようなものではなく、だらりと舌を垂れ下げるものです。人によっては「舌をしまい忘れてる」なんて表現もしますよね。
これはわんこが極度にリラックスしていて、口周りの筋肉まですっかり緩みきっている証拠。わんこが舌をだらりと出して寝ている姿は、人間で言うところの「口を開けて寝ている」のと同じかもしれません。温かく見守ってあげましょう。
4.病気が隠れている
これまでご紹介したとおり、わんこが舌を出していても心配のないことがほとんどですが、時折、病気のサインが隠れていることもあります。下記のような場合には注意が必要です。おかしいと思ったら、すぐに動物病院を受診しましょう。
口腔内トラブル
歯肉炎や歯周病になっている、歯並びが悪くなっている、口の中に腫瘍ができているなどの口腔内トラブルによって舌をしまっていられない、もしくは舌をしまっていることが苦痛な場合に、舌を出しっぱなしにしていることがあります。
水や食べものをとりにくそうにしている、痛がるようすがあるなどが見られたら、口の中を確認してみましょう。
心臓病
わんこの心臓病で多いのが僧帽弁閉鎖不全という病気です。特にシニア期の小型犬で好発します。
この病気は心臓から血液を送り出すための弁の機能に異常が生じるため、体全体が酸素不足の状態になり、酸素を多く取り込むために呼吸数が上がります。そのため息が荒くなり、パンティングで舌を出している状態が続くようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこが舌を出しているのは生理現象の場合がほとんどですので、大きな心配はいりません。ただしパンティングの場合は暑さを感じているサインでもありますので、気温の高い日であれば冷房機器などで体温調節の手助けをしてあげることも必要かもしれません。