『長生きする犬』の特徴5選 寿命を延ばすために意識すべきこととは?

『長生きする犬』の特徴5選 寿命を延ばすために意識すべきこととは?

犬の平均寿命は、ここ30年で約2倍延びていますが、それでも人間と比べれば短い命。1日でも長く愛犬と一緒に過ごすためには、どのようなことを意識したらいいのでしょうか?『長生きする犬』の特徴から紐解いていきましょう。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

『長生きする犬』には特徴があります

舌を出すパピヨン

犬も数十年前に比べると長生きになって、現在の犬の平均寿命は14歳です。一般的に、大型犬より小型犬のほうが長生きな傾向にあります。

その理由はまだ明確には分かっていませんが、大型犬のほうが老化のスピードが速いことや、大型犬は日常的な体への負担が大きいことなどが関係しているのではないかと考えられています。

もちろん長生きするのは小型犬という訳ではありません。体の大きさに関係なく『長生きする犬』には特徴があります。その特徴を知ることで、愛犬の寿命を延ばすためには、どのようなことを意識したらいいのかが分かるのではないでしょうか。そこで今回は『長生きする犬』の特徴をご紹介していきます。

『長生きする犬』の特徴は?

散歩中のジャック・ラッセル・テリア

①適切な食事を適量与えられている

適切な食事を適量与えることは、犬の健康と長生きの基本です。人用に調理された食事は、犬には塩分や糖分などが高く適切とは言えません。

総合栄養食のドッグフードは、犬に必要な栄養素がバランスよく配合されていますが、ライフステージなどによって必要な栄養素の比率は異なります。そのため、犬のライフステージや健康状態に合ったものを選んで与えることが大切です。

シニア期の犬に成犬用のドッグフードを与え続けていると、胃腸に負担がかかったり、カロリーが高すぎて肥満になってしまったりする可能性があります。愛犬がシニア期(小~中型犬は7歳頃、大型犬は5歳頃からが目安)になったら、消化がよく低カロリーなシニア犬用のドッグフードに切り替えていきましょう。

また、愛犬に持病があり療法食が処方された場合は、獣医師の指示に従って与えるようにしましょう。

②適度な運動をしている

肥満は糖尿病や心臓病、膵炎などさまざまな病気を引き起こします。また、肥満の犬は適正体型の犬と比べて寿命が短い傾向にあるという研究結果が出ており、肥満は寿命とも密接に関係していることが分かっています。

愛犬の長寿を願うのなら、適切で適量な食事と適度な運動で肥満を予防しなくてはいけません。

犬の運動といえば、まず散歩が思い浮かびますね。散歩は運動不足の解消になるだけでなく、脳の活性化や筋力の維持にも繋がります。老化を促進させないためにも、できる限り散歩は続けましょう。

とはいえ、運動は無理のないペースで続けることが大切。シニア犬になったら、階段や急な坂を避けた散歩コースにする、疲れるようなら散歩の時間を短くするなど、体に負担をかけないようにしましょう。

③定期的に健康診断を受けている

愛犬が若かったり、見るからに元気そうだったりすると、病気とは無縁な感じがしますね。でも健康そうに見えても、病気が潜んでいることがあります。その病気を早期に見つけることができるのが定期的な健康診断です。

愛犬の寿命を延ばす上で、定期的に健康診断を受けることはとても重要なのです。犬の加齢スピードは人よりも速いため、シニア期に入るまでは年に1回、シニア期に入ったら半年に1回の健康診断が理想的でしょう。

④快適な生活環境で暮らしている

犬は外で飼うのが当たり前だった時代もありましたが、今は室内飼いが主流です。室内で飼われるようになって犬たちは、暑さや寒さなどのストレスから解放され、体調が悪いときには飼い主さんに早く気づいてもらえるようにもなりました。今でも外で飼われている犬はいますが、室内で飼われている犬のほうが長生きする傾向にあります。

快適な生活環境で暮らすことは、犬の寿命を延ばすことに繋がるわけですが、室内で飼う場合にも配慮が必要です。

快適な湿度や温度(夏場は26℃前後、冬場は20℃前後、湿度は50%前後が目安)をキープする、床を滑らないように工夫する、犬専用の居場所を作るなど、犬にとって快適な環境作りを心がけましょう。

そしてシニア犬になったら、段差や障害物をなくしてバリアフリーの環境を作り、ストレスが少ない環境を用意してあげましょう。

⑤飼い主と適度にスキンシップやコミュニケーションを取っている

犬は何歳になっても、飼い主さんとのスキンシップやコミュニケーションを必要とします。これらが不足すると、犬のストレスとなって心身の健康を害し、寿命にも影響します。

反対に考えれば、十分なスキンシップやコミュニケーションは犬の心身を安定させ、長生きへ導いてくれるということです。普段からスキンシップやコミュニケーションを取っていると犬の体の異変に気づきやすく、病気の早期発見にも繋がります。

しかしスキンシップやコミュニケーションは、過度になってもいけません。常にベッタリで過ごすのも、かえって犬のストレスになる可能性があります。犬の気が休まらなかったり、分離不安になったりすることがあるのです。

分離不安とは、飼い主さんと離れることに大きな不安やストレスを感じて、問題行動や体調不良を起こすことをいいます。何事もほどほどが一番。愛犬とのスキンシップやコミュニケーションも『適度』であることが大切です。

まとめ

ゴールデン・レトリーバーの横顔

ギネス記録に認定されている世界最長寿の犬は、オーストラリア生まれのブルーイー。オーストラリアン・キャトル・ドッグという犬種で、なんと29歳5ヵ月まで生きました。ここまでの長生きは難しいにしても、愛犬には少しでもブルーイーに近づいてほしいものですよね。

今回ご紹介した『長生きする犬』の特徴から、愛犬の寿命を延ばすために意識すべきことが見えてきたと思います。愛犬が病気になったり、シニア犬になったりしてから意識し始めても遅いので、なるべく早いうちから意識して、長生きに繋げていきましょう。

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